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楽しみながら地域の課題を解決できるこども食堂の可能性

今日付『四国新聞』(2024年5月30日付)に、先日、重要伝統的建造物群保存地区の先進地で訪れた徳島県美馬市の話題が「地域を創る 四国を拓く」のコーナーで紹介されていました。

美馬市で、「こども食堂だけでなく、国際交流や社会学習を目的にしたイベントを企画・運営している」同市の非営利団体「つなぐMima World Community」は

▽人と人をつなぐ居場所
▽人と世界をつなぐ学びの場
▽人と未来をつなぐコミュニティーづくり


を目標に掲げ「地域の交流 積極的に」(見出し)事業に取り組んでいるとのことです。

世界の中心は東京でもニューヨークでもなく、自分たちが今暮らしているここなんです」と語る代表理事原田尚子代表理事は「この地域を拠点にして、世界の誰とでも、どこでもつながることができると感じてほしい。外国にルーツを持つ住民とも積極的に関わりたい」との思いを団体名に込め、コロナ禍の2021年から活動を始めたそうです。

自宅だけで過ごす時間が増えた当時、「地域との関わりを持ちづらい今こそ、子どもの居場所が必要だ」と思い、子ども食堂を開所、「異なる学年の子ども同士が仲良く食事するだけでなく、大人もつながれる居場所。一度来てくれたら、交流の輪が広がっていくのを感じてもらえると思う」。

「他国の文化や芸術、社会問題などについて考える機会も積極的に提供」しているのですが、これまでの取り組みは、

▽元五輪日本代表市橋有里さんを招いたチャリティーラン
▽カンボジアで地雷処理や地域復興に取り組むNPO法人IMCCD代表の高山良二さんとの交流会
▽世界の料理を味わうフードフェス

など幅広いものです。

こども食堂の運営に関しては、この取り組みは非常に参考になるもので、僕自身が関わっているこども食堂・居場所についても、異文化学習や社会問題などについて考える機会、あるいは自分自身で考えていく力を育む取り組みについても強化していきたいと思います。

大切なポイントはこの原田代表の言う「世界に飛び出していける自信やコミュニケーション力を育んで、楽しみながら地域の課題を解決できる、そんなリーダーに子どもたちがなってくれたら」との通りで、地域の交流を自前で担える団体が次々と退潮していくなかで、こども食堂やこどもの居場所には、その可能性があるものと確信するばかりです。

ですから、今後も取り組みを加速・強化していきたと思います。

とにかくこどもを中心に据えながら、大人とつながり、地域の問題解決の出発点としてこども食堂を鍛え上げていくほかありませんね。

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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。