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あんときのデジカメ 金倉寺とレヴィ=ストロースの出会い with Panasonic LUMIX DMC-FX01

(はじめに)GWに、人影のほとんどいない四国八十八箇所霊場の第七十六番札所の金倉寺に立ち寄りました。その旅は、レヴィ=ストロースのブラジル紀行を想起するものとなり、混合と幾何学的組み合わせは違うだろうなどと考える機会になりました。相棒は、LUMIX DMC-FX01です。「相棒」もいいですよねー笑

悲しき熱帯、あるいは、悲しき南回帰線

 コロナウイルス感染症拡大の影響で、仕事が休みになっちゃいました。

 とは言っても、タイムカードを切らずに、1日置きには、職場へ出ていたのですが、まあ、それでも1日置きに休みになりますので、このゴールデンウィークは読書にふけることができたのは、幸いと考えるべきなのでしょうか……。

 とは言っても、休みになった分の休業補償がどうなるのか見えてこず、そこはちょっと心配です。政治の話は正直あまりしたくはありませんが、僕にはどうも初動の対応ミスによる拡大としか言いようがないのですが、まあ、ここではよしておきましょう。

 さて、折に触れて紐解きたくなるのが文化人類学者にして哲学者のクロード・レヴィ=ストロースの著作でしょうか……。休みの間にまとめて読み直したのですが、やはりおすすめは『悲しき熱帯』あるいは『悲しき南回帰線』(講談社学術文庫)にならざるを得ませんよね。

 この書は、ブラジルの少数民族の調査旅行をまとめたもので、「未開社会」に対する優れた分析は、おのずと「文明社会」とされるヨーロッパの傲慢(アロガン arrogant)を鮮やかに浮かびだしていくことになります。

 知性や理性とはいったい、何のために存在するのでしょうか?

 そのことをもう一度考え直す原点に引き戻してくれる一冊ではないかと僕は考えています。 

 Le monde a commencé sans l'homme et il s'achèvera sans lui.  

 世界は人間なしに始まった。人間なしに終わるだろう。

 最後のこの一節を深く考えなければなりませんよね。


風習は形態に最もよく現われている

 一民族の風習を一括して見る場合、風習は形態に最もよく現われている。そして風習は幾つかの系統からなっているものだ。これらの系統は無制限にあるわけではなく、人間社会は個人と同様に--遊戯にも夢にも、あるいは精神錯乱にも--絶対的な方式は存在しないが、再構成の可能な理想的目録の中から、幾つかの組み合わせを選ぶに限られているとわたしは考えている。
(出典)レヴィ=ストロース(室淳介訳)『悲しき南回帰線』上、講談社学術文庫、1985年、282頁。

 ゴールデンウィークの真っ只中、スナップショットポタリングトリップ(なんじゃそりゃ!)で訪れたのは、善通寺市の四国八十八箇所霊場の第七十六番札所の金倉寺(こんぞうじ)です。

 コロナウイルス感染症拡大の影響で、閑散とした境内にふと立ち寄ったのですが、びっくりしたのは、八十八箇所といえば、空海、そして真言宗ということになりますが、こちらの金倉寺は、天台寺門宗という列記とした、最澄に端緒する天台宗系列のお寺ということです。

 もちろん、台密(天台密教)という言葉もあるように、日本仏教は、複合汚染といいますか、「何でもあり」というのが「よくある話」なのですが、やっぱりちょっと驚き「何でもあり」すぎじゃん!とか思ってしまうのは、ひょっとすると僕だけではないですよね。

 レヴィ=ストロースは「一民族の風習を一括して見る場合、風習は形態に最もよく現われている。そして風習は幾つかの系統からなっている」と述べ、再構成可能な幾何学的組み合わせをもち、そこに文明/非文明と分かつことの愚かさを喝破したのですが、ミックスされて何がなんだかわけわけめになってしまう状況を前にすると、ちょっと考え込んでしまうのも事実です。

 ともあれ、清められた境内はさわやかであり、美しくもあったのですけれどもね。

なぜFX9がモデルチェンジするとFX01になるのだ?

 今回、お寺への散策からレヴィ=ストロースを想起した今回の旅路で、スケッチに利用した機材は、2006年発売のパナソニック製のLUMIX DMC-FX01 になります。

 前機種のDMC-FX9(2005年発売)の進化モデルと言われ、ボディサイズはそのままに広角端を35mmフィルムレンズ換算で28mm相当までに広げたモデルでよく売れたと聞きます。

 ただ、

細かい所まで気になるのが僕の悪い癖

 で、目下、格闘している「謎」が

 「なぜFX9がモデルチェンジするとFX01になるのだ?

 というところですが、今の所わかりません。

 さて、横道にそれましたがスペックを簡単に紹介しましょう。撮像素子は、637万画素の1/2.5型CCDでこのころは毎年100万画素づつアップしていったような記憶があります。レンズは、ライカのDCバリオ・エルマリートレンズで、35mmフィルムに換算すると28mm-102mm相当となる約3.7倍ズームになります。開放f値は、2.8と明るいのですが、望遠端がf5.6とちょっと暗めでしょうか。当時のパナソニックはレンズ明るめというフレコミでしたがちょっと暗いですよね。

 色合いは、ライカというには「鮮やかすぎる」盛り具合ですが、広角ワイドでレスポンスもよく使いやすい入門機という印象です。

 そしてやっぱり便利なのが「手ブレ補正ジャイロ」で、もちろん、この手の補正は今では「当たり前」ですが、当時の製品では実装は目新しく、やっぱりあると便利なものです。

 今回は晴天のはやい夕方での撮影となり、高感度や夜間撮影など本機の性能を使い倒すコンディションではありませんでしたが、強烈な逆光や日照のもと、色を褪せられず、きちんと再現していることには、ちょっとワンランク上のカメラという印象を合わせて持ちあわせることになりました。

 清冽!

 と勝手に僕は考えているのですが、清冽な晩春の様子をスケッチしてみましたので、拙い写真ですが、ぜひ、ご笑覧くださればと思います。

 以下、作例です。

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今回のショートトリップで立ち寄ったのは、ぜいたくラーメン福一善通寺店(香川県善通寺市生野町1052-4)です。「ぜいたくラーメン」(とんこつ醤油)の並ををいただきました。細めの麺にこの汁がよく絡みますね。野菜、チャーシュー、煮玉子など「ぜいたく」なトッピング。おいしく頂戴しました~♪

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ということで撮影データ。プログラム撮影、ISO100、ホワイトバランスオート、露出補正なし。画像は6Mで保存。撮影は2020年5月3~4日。撮影場所は香川県善通寺市。

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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。