花发多风雨
かばんの中は、財布と、数日前に3つ買った猫のおやつ(3つでお得だったので)の2つ目と、気になっていたセブンイレブンのホイップつぶあんパン。
ここ数日は出かけるたびに母に朝食のパンを買って帰っている。パンが好きな人なんだけれど、高いからと言って、いつも食パンを食べたりして節約している。私が買ってくることにも、ときどき「高いからいいわよ」と言ってくれるのだが、別に毎日って訳でもないし、ここ数日はセブンのクーポンがあるからで、自分が飲みたいカフェラテを買うついでだからと言って納得してもらっている。
今日のホイップつぶあんぱんは自分用に買ったのだが、美味しかったら今度母にも買ってあげよう。
ちなみに私はつぶあん派。こしあんも好きなんだけどね。
猫のおやつは猫を飼っている訳ではなくて、近所の野良猫にときどきおやつをあげているんだ。路地裏に餌用のお皿を置いて、優しさで餌やりをしているお宅もある。私は、通りすがりにねだられたら、近くでカツオやらしらすやらが入っている小さめなのを1つ買って与えているだけ。
つい一昨日くらいに、いつも買い物している商店街の裏で2匹の人懐っこい子に出会った。しゃがんで眺めていたら、なんと向こうから寄って来た。可愛さも相まって、どうせまた餌やりするからと、勢いで3つも買ってしまった。
今日は会えるかわからないけれど、とりあえずかばんに忍ばせておこうと思って。「会えるかもしれない」という期待だけでも、それだけでもなんだか嬉しいから。
いつも通ってる道から家屋を隔って一つ隣ってだけで、少し別世界だった。新しい猫ちゃんにも出会えた。好奇心でも冒険心でも気まぐれでも、なんでもいいから、何かに駆られてそそられて、知らない通りを進んでみないことには何も始まらないね。
心と頭が「大人」に近づいたときから、踏みとどまるべき場所があるのだと、先に進んだところで何もないし、大抵の場合において悪化するだけだという警告に似た規制がかかり、身丈に合った空気ばかり吸っていた。ただ、身長は伸びるし、体重も増えたり減ったりするし、風は通り過ぎ、人は日々変わっていくのだから、「身丈に合った空気」なんて、恒常じゃないことくらい、分かっていたはずなのに。
なーんて、考えてもしょうがないんだけどね。
前置きが長くなってしまったけれど、カメラを持って、足取りは自宅から10分ほど離れた川沿いの桜並木道に向かっている。
4月の新学期が始まるまで2週間ほど休暇がある。前年から今年の3月まで、1年ほど学生でありながらガッツリ働いていた。その仕事が終わり、とりあえず1週間ほどゆったり休んだところだった。やっと時間に余裕ができて、心の余裕も自然と生まれたので、最近は夕方の買い物ついでに遠回りして、桜を見に行っている。
今年は春の訪れと共に雨の日が続き、ちゃんと咲くのか少し心配だったのだけれど、ここ2,3日で桜が次々に開き、無事カメラに収められそうなので、カメラを取り出したわけだ。
暖かくなりながらも雨が続き、衣替え、布団カバーなどの洗濯ですごく困るのだが、noteに何度も書いているように、私は雨が好きだ。
なぜなのかと問われれば、雨の日の世界の色合いだとか、雰囲気だとか、歌だとかいくらでも理由は並べられるのだけれど、まあ、カエルみたいなものだと思ってもらって構わない。
大学1年生の頃、周りが雨イヤイヤと嘆いている中、雨が好きだと言ったら、知り合ったばかりの女の子に「カエルなの?」とつっこまれたことが気に入ったからか、いまだに覚えている。その子は知り合ったその年の末には学校からいなくなってしまったけれど。
お元気ですか?
今年も桜が綺麗ですよ。 ーbyカエル
みんなも桜の兆しを感じてか、川沿いにはそれなりに人がいた。花見をしに来た人、これからどこかへ向かう人、家に帰る人、誰もが桜を見上げながら、ときには自分がいいと思う角度と場所で写真を撮り、桜の下を歩く。
みんなの顔から春の暖かさと優しさが反射して見てとれる。カメラのレンズから視線を外すとき、バッタリ正面の人と目があったりして、お互いにっこりしたりする。
風がそよぎ、はやく咲いた桜の花びらが落ち、空を舞う。ゆっくり降りて来る春の雪に、何度か手を伸ばしてみる。すくうようにして胸の前でキャッチする。両手を拡げてみる。薄いピンク色の、春そのものを掴まえたような気がする。胸の内から春の暖かさが広がっていく。
笑わないで欲しいのだが…3年ほど前に買ったカメラのレンズの蓋(接続側)とカメラのレンズ接続部の蓋、裏と裏をちょうど合わせられる上、回せばしっかり嵌まることを今さっき気づいた。写真のアップロードを待っている間弄っていたら…い…今更すぎる…
文字を打ちながらパンを食べてるんだけれど、これ普通のつぶあんぱんですね。ホイップ入ってないやつだ…買い間違えた…
2024.4.8 星期一 曇り時々雨