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はじめまして、読んでくれてありがとう。 20231022

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はじめまして、読んでくれてありがとう。 20231022

マガジン

  • ことばがうまくまとまらないんじゃなくて、 ことばがぽつぽつ、雨粒のように、貝殻のように、割れたガラスのように、 足元に散らばって、 拾い集めたらそれはそれではなくなってしまうから、 そのままで

  • 羊の雲の過ぎるとき

  • スキまとめ

  • 随想録

    エッセイ(essay):思索や意見、感想などを形式にとらわれず、簡潔に述べた文学の一ジャンル。

  • 翻訳

    日中翻訳、気ままにやってます。 原作、中国語、言葉に興味を持っていただければ幸いです。

最近の記事

君とあの子と僕

君の側にいれば、あの子が帰ってくるかもしれないと僕は思った。 その予感はあながち間違った見解でもなかったんだが、結論としてあの子は帰ってこなかったし、僕もその過ちを正すために君のそばから離れなくてはならない事態になってしまった。なぜ会えないのか、というよりなぜ会いたくないのかについて、僕はそれなりに色々と思い悩んだ。締め切り日に原稿をメールで送って、そのまま出かけて、それで帰ってきて、ベッドに身を投げた僕の頭と意思はもうすでに君を拒絶していた。砂が洗いざらい流された瓶は耐えら

    • 「還願」No Party For Cao Dong(草东没有派对)

      只梦到这里 失望的人 这次没能红了眼眶 夢はここでお仕舞い 失望した人は 此度は目を赤くすることもなく 我们让大海淹没了嘴 享受着辛酸 纷乱的光线里 我闭上眼去看 我々は海に口を蔽われ 悲しみを享受し 光の筋が入れ乱れる中 目を閉じたんだ 我还想和你谈论宇宙和天空 或是沙滩里的碎石和人生 你会不会还是坦率地笑着我的荒唐 また君と宇宙と空について話がしたい もしくは砂浜の石ころやら人生やらでも構わない 君はまた素直に笑ってくれるだろうか 荒唐な私を 我们让大

      • dear

        我想化作一缕风,拥抱每一个我爱的人。 这样我就可以触碰到你,但你却抓不到。 我想化作一束月光,洒在每一片孤影上。 这样我就可以跟你作伴,但你却摸不到。 我想化作一粒雨滴,融于每一滴眼泪里。 这样我就可以陪你流泪,但你却看不到。 身体禁锢了我的灵魂。 我的生建立在无数的死亡与剥夺之上。 如若这就是代价,愿灵魂会有安息的那一天。 我可以化解为世间万物。 世间万物皆可以是我。 也正因世界是世界,我才能成为我。 穿过世界,愿我终可以是我。

        • 敬具

          来年は花火でも見に行こう って君が言ってた。 だから今年、ぼくは花火を見にいった。 音のせいかな。 心臓の鼓動がつられて、火花と共に散っていった。 とうの昔に、撃たれたぼくは散る運命にあったはずなのに。 どうしてなんだろうか。 今度こそ負けなかったよ。 夏はまだ来てないって? 君の余った夏を消化してるのさ。 噛み砕いて飲み込んだでしょ。 ぼくとしては、君が笑わなくても済むのであれば、それでいいんだ。 それでいい。 “祝你永远开心” 2024.5.2

        君とあの子と僕

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        記事

          君たちってばそれは違うよ。 思い違いだよ。 僕はどこにも行けないんだ。 どこにもね。 ここにいるよ。ここに。

          君たちってばそれは違うよ。 思い違いだよ。 僕はどこにも行けないんだ。 どこにもね。 ここにいるよ。ここに。

          escape

          よく映画や小説、漫画などで見かける、学校やら会社に向かう電車で急にその気になり、そのまま終点の海まで行っちゃうような展開。 しかし、現実はそううまくいかないものだった。 電車の辿り着く先は必ずしも海だとは限らないし、君が行きたい海とは限らない。これで如月駅とかなんとかまで連れて行かれた暁にはお終いである。興味がないと言われれば嘘になるが、こういったストーリーの結末は決まって碌なことにならないので行きたくはない。山手線とかだったら一周回って面白い。二重の意味で。 正直、「

          カタンコトン

          古い車両がゆらゆら、カタカタ。 前後に、左右に、上下に、くるくる回って。 微かに誰かの甘い香水の匂いが鼻を刺激する。 カバンに入っている携帯が鳴った気がする。 眩しい気がして、瞼をゆっくりとあげる。 どこに向かっている? 僕らは街を抜けた。 森を抜けようとしている。 窓から見える濡れた黄緑が五感を潤す。 まるで夢の中にいるようで、僅かに霞んでいる。 水が束になって、僕の心の上を這うようにして流れていく。 心は砂漠に向かっている。 僕は一人で電車に乗って

          カタンコトン

          林檎が落ちる

          「因果関係とはなんですか。因とは、果とは?」 と聞かれた。 頭の中で思考をぐるぐる巡らせた。 因果関係。よく知っている言葉のはずなのに、僕は、君は、私たちはそれが「なんなのか」を考えたことがあるだろうか。 それっぽいことを考えたこともあっただろう。結論は?出てないはずだ。 でも自然に、頭の中で円を描いていた。 因が果を呼び寄せ、果が新たな因を孕む。新たな因がまた果を引き起こす。私はそのぐるぐるした沿線上を何度も何度も巡って、今、ここに座っている。次の駅に辿り着くま

          林檎が落ちる

          花发多风雨

          かばんの中は、財布と、数日前に3つ買った猫のおやつ(3つでお得だったので)の2つ目と、気になっていたセブンイレブンのホイップつぶあんパン。 ここ数日は出かけるたびに母に朝食のパンを買って帰っている。パンが好きな人なんだけれど、高いからと言って、いつも食パンを食べたりして節約している。私が買ってくることにも、ときどき「高いからいいわよ」と言ってくれるのだが、別に毎日って訳でもないし、ここ数日はセブンのクーポンがあるからで、自分が飲みたいカフェラテを買うついでだからと言って納得

          花发多风雨

          ♬ Episode 33

          黒板にあんな文字が書いてあるのに、泣けなかった。涙が出てこなかった。 絞り出そうとすること自体罪に感じた。 君の反応を伺った。 これといった感情の起伏が特に感じられず、関心もないと見た。 なので構わず座ってビデオの続きを見ようとした。 相変わらずつまらなくて、どうしようもない内容だった。でもみるしかなかった、それ以外にすることも特段ないから。 すると君が隣にやってきて、私の目を見つめた。 わからないよ、言ってもらわないと。 嘘かも。大体はわかってるね。 可能な

          ♬ Episode 33

          初夏の夢を見た。

          初夏の夢を見た。 少し汗ばんだ両手が目の前に差し伸べられていた。 夏ってどうしてこんなにも汗が出るんだろうと、それとなく思った。 もしくは雨の後だったのかな。 白いワンピースを着ていた。 そんなワンピース持ってないけど。 何をしていたのだろうか。 自転車にでも乗っていたのかな。 バターをフライパンに満遍なく広げた。 子どもの声なんてあったっけ。 でも、嫌な暑さじゃなかった。 現実はまだ、全然寒いんだけどさ。 太陽のマークなんて嘘なんかついちゃって。 ああ、だめだ。

          初夏の夢を見た。

          波の音が聴こえる

          ・ ・ ・ 波の音が聴こえる ・ ・ ・ 「ねえねえ」 誰もいない海岸のはずなのに、いつの間にか隣に女の子が一人立っていた。周りを見渡してみても、親らしき人物どころか、人がいる気配すらまったく感じられない。 「…どうしたの?」 「おねえちゃん、なにしてるの?」 私はおもむろに視線を海の方に向ける。 「んー、海を見ているよ」 「海?」 そう言って、女の子も私の視線を辿り、海の方を見た。 「きりでなにも見えないよ」 「そうだね、何も見えないね」 数メート

          波の音が聴こえる

          遠いいつかの月の詩(うた)

          遠いいつかの月を見上げていました 魂のかえる場所は祈りに忘れ去られ 卵からは何も孵りませんでした 潮が砂浜を越え 海水が街を満たすとき 眼の奥に青い夢をみた 波紋が広がるので 羽は糸に結んで 来世では安らかに眠れますようにと 手紙を土に埋め 言葉は喉で縺れては破裂を繰り返し 誘われたあの子は美しい人魚になりました ガラスの子どもたちは 虹色の貝殻を集め 祭壇に貢ぎました わたしの形は あなたの目に映ったのは 暗い暗い海を繋ぎ止めたのは もしも光が降り注いで そこ

          遠いいつかの月の詩(うた)

          はる

          みなさんは聴きましたか。 ヨルシカの「晴る」。 とてもとても素敵な曲ですよね… 晴る。 アニメ『葬送のフリーレン』の2期オープニングテーマ。 ヨルシカの新曲が2期OPだよと、アニメ好きの友達に教えてもらったのが、曲を知るきっかけだった。興味はあったが、その頃の私はまだアニメを観ていなかった。 しかし、もとより私はヨルシカがとても好きで、それでn-bunaさんのボカロもとても好きなので、テレビのCMでアニメ映像とともにサビの部分が流れたとき、あ、ヨルシカ、と気づいていた。

          曇りのち雨雨

          雨が降ると、世界が二つになる。 なに?意味がわからないって? わからなくてもいいさ。 世の中にはわからないこと、わかったつもりでいること、わかってもどうにもならないことみたいなのがうじゃうじゃあるんだよ。 だから、わからなくてもいいの。 わかるように話そうとしてないのが問題? いいじゃないか、話したってどうせわからないんだから、テキトーに、それっぽく話すくらいがちょうどいいんだよ。 別にわかって欲しいとも思わない。大した意味もないしね。 今日はたくさんお話をした。僕

          曇りのち雨雨

          火车与夕阳

          火车行驶在铁轨上。 你说它走得急吧,也没有很急。你说它走得慢吧,也没有那么慢。 我就这样看着沿路的树木花草,与夕阳相互交叉。一道一道残影重叠起来,再转瞬即逝。一个一个光晕闪现,洒满车窗,落在我身上。光线忽明忽暗,那些我不曾知晓名字的灰尘,浮在空气中,仿佛时间静止了一般。我开始回忆,这一路过来的快乐与辛酸。 不知为何,那阳光照射进我的眼眸,是那么的刺眼,我却一点也不想移开。我不知何时跟它较上了劲。我对火车所前往的目的地,或者把握它的方向,又或者它会途经何处毫无兴趣。因为,

          火车与夕阳