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羊の雲の過ぎるとき

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記事一覧

君とあの子と僕

君の側にいれば、あの子が帰ってくるかもしれないと僕は思った。 その予感はあながち間違った…

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2か月前
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escape

よく映画や小説、漫画などで見かける、学校やら会社に向かう電車で急にその気になり、そのまま…

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6か月前
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林檎が落ちる

「因果関係とはなんですか。因とは、果とは?」 と聞かれた。 頭の中で思考をぐるぐる巡らせ…

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6か月前
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♬ Episode 33

黒板にあんな文字が書いてあるのに、泣けなかった。涙が出てこなかった。 絞り出そうとするこ…

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7か月前
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初夏の夢を見た。

初夏の夢を見た。 少し汗ばんだ両手が目の前に差し伸べられていた。 夏ってどうしてこんなに…

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7か月前
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波の音が聴こえる

・ ・ ・ 波の音が聴こえる ・ ・ ・ 「ねえねえ」 誰もいない海岸のはずなのに、いつの間…

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7か月前
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曇りのち雨雨

雨が降ると、世界が二つになる。 なに?意味がわからないって? わからなくてもいいさ。 世の中にはわからないこと、わかったつもりでいること、わかってもどうにもならないことみたいなのがうじゃうじゃあるんだよ。 だから、わからなくてもいいの。 わかるように話そうとしてないのが問題? いいじゃないか、話したってどうせわからないんだから、テキトーに、それっぽく話すくらいがちょうどいいんだよ。 別にわかって欲しいとも思わない。大した意味もないしね。 今日はたくさんお話をした。僕

火车与夕阳

火车行驶在铁轨上。 你说它走得急吧,也没有很急。你说它走得慢吧,也没有那么慢。 我就这样…

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8か月前
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“一种相思,两处闲愁。”

今日の天気予報は雪。 お昼を食べ終わった頃、町ゆく人が傘をさし始めた。はじまったかと、お…

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9か月前
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春眠桜も見ず

駅のホームでうずくまっていた女の子に声をかけて、連れて帰るべきだったなと、 今更後悔した…

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9か月前
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うたたね頭痛

年末である。 年末らしい片付けをする。 何か座って淡々とできる作業をした後って、大抵の場…

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10か月前
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雪だるマフラー

僕はね、マフラーを巻くのが好きなんだ。 もちろん、ほとんどの場合においては面倒だよ。電車…

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10か月前
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ころころ心

ホームギリギリで空き缶が転がってて、それを拾ってゴミ箱に捨てた。 ホームギリギリでころこ…

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10か月前
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23.4°

今、僕の目の前で電灯がチカチカしている。 僕はわざわざ椅子をくるりと足で回して、そいつと見つめ合っている。 こんなお嬢さんをあんな部屋に... だなんてとんでもないです。 チカチカ これくらいの部屋がたぶんちょうどいいんです。というか、部屋を与えてもらうこと自体有難いので、僕は電灯をただただ見ている。 そういえば前にもチカチカしていた気がする。 それは一つ手前の電灯だろうか。いや、右手のだったかな。そもそもこの部屋のだっけ。 記憶ほどあてにならないものはないと、度