【UW映画感想】#73『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』【押川賢吾】
〝音楽は世界を救う〟的な内容で、割と強引なやり方で話進めてたけどまぁ楽しめた。
ジャイアンが令和も普通にスネ夫をボコボコにしてたのには驚いた。
それはそうと見終わった後もずっとモヤモヤと引っかかる部分があったのでそれを書きたい。
作中で『運命の赤い糸』という強引なひみつ道具が登場するんだけど、まぁ文字通り自分と運命の赤い糸で結ばれた楽器が分かる、という道具。
上の画像を見て分かる通り何故かスネ夫にヴァイオリンが選ばれて、しずかちゃんには打楽器が選ばれた。
しずかちゃんも周りもその事に対して全く触れない。
その時から
いや、好きな楽器でやらせてくれれば良くない?
音楽って自由じゃない?
パンクっていうのは「自分自身でいろ」ってことだろ?
と俺の中のジョン・フルシアンテ/レッド・ホット・チリ・ペッパーズが今も怒っているんだ。
ジャイアンにはチューバが選ばれた。
いや、お前がやりたいのはボーカルだろ?
お前はダンサーじゃねえしエンターテイナーでもねえ。
ボーカリストとして生まれ、ボーカリストとして死ぬんだろ?
と俺の中のリアム・ギャラガー/オアシスが今も怒り続けているんだ。
確かにジャイアンの歌は下手だし、しずかちゃんのヴァイオリンは聞くに堪えない、みたいな設定があるよ。
でもさ、音楽をテーマにドラえもんの映画を作るんだったらその辺上手い事やってほしかった。
別に歌やヴァイオリンの演奏が下手でも良いでしょ。
最終的にのび太のリコーダーの外れている音が、世界を救う音楽に必要だった。
みたいな描かれ方するんだけど、その描き方するならジャイアンの歌やしずかちゃんのヴァイオリンにも触れるべきだし、そもそも〝必要〟ってなんだァ?
俺らは〝必要〟だから音楽をやるのか?
違うだろ?
テメェがやりてぇからやるんだろ?
決して満たされることのなかった青春の途中で、音楽が、ロックが、すべての苦悩を遠ざけてくれるものだったんだろ?
と俺の中のフレディ・マーキュリー/クイーンが怒り続けているんだ。
まぁ好きな楽器じゃなくても、まだ見ぬ自分の可能性を楽しもうとしてる分しずかちゃんの方が大人なのかもしれないね。
僕からは以上。