池田竜己選手(帝京大学)のキャッチング ~第73回全日本大学野球選手権~
6月13日の第2試合
準々決勝 天理大 - 帝京大
観戦していて印象に残った捕手がいます
帝京大学の池田竜己選手です
とくに目を奪われたのが捕球姿勢
現在流行のフレーミングを重視する姿勢というよりも
受け手、捕り手として意義を見出す捕球姿勢に見えました
冒頭の写真が池田選手の構えです
左腕をあまり伸ばさず、自然体な構えです
上記の写真は、同日第3試合に出場した
早稲田大学の注目捕手、印出太一選手の構えです
池田選手と比較すると、やや左腕を伸ばした体勢です
身長180センチの池田選手に比較し
身長185センチとより大柄な印出選手は、大きな体格とリーチを活かしながら、フレーミングに有利な構えを用いているように思えます
フレーミングは有効な技術ですし、どちらの構えに優劣があるという問題ではありません。どちらも優れた技術であり、捕手としての個性です
わたしが池田選手に目を奪われたのは次のシーンです
上記の写真は投手が投じたボールを捕球し、打者が見逃したシーンです
見逃した打者は少し足元のバランスを崩していますが、池田選手は捕球したミットを、まだそのまま止めています
テンポが速い捕手だと、このタイミングでもう投手に返球をしているでしょう
池田選手の捕球姿勢には2つのメリットがあると考えます
ひとつは、審判に対ししっかりと高さとコースをアピールできること
ふたつめは、投手に対し「いいボールだ」と動作でメッセージを送れること
池田選手は捕球時にあまりフレーミングをしません
審判に対し、しっかりと捕ったボールの高さとコースを示します
私が観戦した試合でも、池田選手の捕球と審判の方の「ストライク」のコールのテンポがマッチしているように見えました
実際に審判の方に聞いてみたいところですが、いわゆる「気持ちの良いコール」のように感じました
投手への好影響も見逃せません
この試合に2番手として登板した濵田翼投手は中継ぎとして5イニングを投げましたが、徐々にストレートの球威が伸び、イニング数を上回る6個の三振を奪いました
濱田投手は投球後にしっかりと捕球の体勢に入れる投球フォームです
投球後、しっかりと池田選手の捕球を確認できる姿勢です
池田選手の捕球は、しっかりと捕球したミットを投手に指し示し、「いいボールだ!」、「いいコースだ!」というメッセージを送っているように見えました
濱田投手もそれをしっかりと見て、調子を上げていけたのだと思いました
この試合に帝京大学は敗れてしまいますが、濱田投手が試合中盤を無失点で抑えたことで試合が締まり、ロースコアの熱戦に持ち込むことができました
その一因に、池田選手のキャッチャーとしてのプレーがあったのではないかと、観戦していて強く感じました
池田選手のプレーは、帝京ナインの力になり
まだまだ諦めないという流れを、チームに持ち込めていました
帝京大学は惜しくも日本一にはなれませんでしたが、応援団を含めて学校としてのチーム力を強く感じました
帝京大学の今後の更なる躍進、池田選手の更なる今後の活躍に期待しています!
素晴らしい試合、プレーをありがとうございました!