「あずかりやさん・桐島くんの青春/大山淳子」を読んで感じたこと
1日100円でどんなものでも預かりますという商いをしている「あずかりやさん」
シリーズ2作目。
文机とオルゴールのもの目線のお話しが2つ、そして、ある女の子目線のお話しと高校生の頃の桐島くん目線のお話しの4遍でした。
店主が大切にしている文机やオルゴールや星の王子さまがあずかりやさんにやってきた経緯がわかりしみじみとしました。
店主はどのようにして視力を失ったのか、店主は幼い頃から学生時代をどう過ごしてきたのか、また、あずかりやさんを始めた経緯と理由も描かれていまして、ぐっと厚みが出てきました。
さしずめ、こちらはあずかりやさんエピソードゼロですね。
長い年月に渡るオルゴールのお話しは切なさがと優しさで胸が熱くなりました。愛のバトンで人の手から手へと渡ってきたんだなぁ。いつの日かショーケースの上で鳴らされる日が訪れますように。
私の一番のお気に入りは「青い鉛筆」です。母親が障害を持つ弟ばかりを気にかけることを寂しく思い、弟を疎ましく思っていた正美。彼女が20年経って気づいたことに嬉しくなりました。
大人になって、何かのヒントを見つけて、ぶわーっとわかってくることってあります。私もそう。親になってわかったこと、ばあばになってわかったこと、たくさんあります。お母さん、ありがとう!
星の王子さまは人の気持ちを繋ぐ役割を果たしていました。