『クローゼット/千早茜』を読んで
数百年も前の洋服を収集し修繕し保管している服飾美術館が舞台です。
子どもの頃から女性の綺麗な洋服が好きで時に身につけている芳はデパートのカフェのアルバイト店員。子どもの頃から綺麗な洋服が好きな纏子は服飾美術館の補修士。
二人は子どもの頃にそれぞれ傷ついたトラウマがあります。特に、纏子は男性恐怖症になっています。この二人が出会い、お互いに少しずつ理解し合い、再生していく物語でした。
物語は、まあ、とりたてて惹かれるとか夢中になるとかはなかったのです。まあ、普通の再生の物語。
だけど、18世紀のコルセットやドレスにパニエ、繊細なレースやスパンコール細工に刺繍などの描写が素晴らしくてうっとりしました。
刺繍を刺した洋服を身につけるのは男性だという時代もあったとの描写では、ちょっと前に読んだ「水を縫う」を思い出して嬉しくなったりしました。
本を読んだ順番がグッドタイミングで良かった♡