「一線の湖/砥上裕將」を読んで感じたこと
2023年のおかき的ベスト本の第3位はこちら
「線は、僕を描く」の続編です。
大学3年生になった霜介は進路に悩んでいました。水墨画の道に進むのか、他の道に進むのか。
その上、描く壁にぶつかり、事故にあって負傷し、精神的なもので手の感覚を失い、その都度、悩む悩む。
なんだかウジウジくんになって心配でしたが、湖山会の人達や母親の同僚や小学生とのふれあいで、過去と今に向き合って前向きになっていく様子に胸が熱くなりました。
水墨画を描いている文章が素晴らしい!
文章を読んでいるのに、墨の匂いを感じるのです。目の前で絵が描かれているような臨場感があるのです。
読書体験が芸術鑑賞になってるのですよ。こんな体験ってある?!
読み終わって、タイトルの深い意味に思いを巡らせました。
一線で描くという意味はもちろん、母からの一線が霜介に繋がっているということ、きっとそういうこと。