『暗殺/柴田哲孝』を読んで
令和4年7月8日、奈良県の大和西大寺駅北口付近で安倍晋三元総理が銃撃された事件をモチーフにしたフィクションです。
安倍元総理は田布施、他の重要人物も名前を変えて登場します。が、そのままの名前で登場する政治家もいたりで、ドキドキ。
あくまでもフィクションと言いつつも、過去の事件との繋がりを語る考察に驚かされたり、論理的な考察で事実としか思えないと納得することや、かなりノンフィクション寄りなんじゃないかな。
あの事件はおかしなことが多かったというのは大多数の国民が思うところでした。
思想、宗教、金、権力、欲望などが絡み合い、沢山の人の思惑で起こされた事件で、事実は捻じ曲げられ隠されるんだと。
この作品は雑誌記者が真相を探るという形で物語は進んでいきます。あくまでも淡々として激することのない語り口。だからこそ、事実の匂いがするのです。
ここまで踏み込んで大丈夫なんだろうか？と柴田さんの身の安全が心配です。電車に乗る時は絶対に気を抜かないで欲しいです。押し屋がいるかもしれませんから。車の多い幹線道路の歩道を歩いている時も気をつけてください。
逆に、ひょっとすると、柴田さんも読者を混乱させて事実から遠ざけるための陰謀を働いているのかもしれないな……とか。