これだけでファンに変わる・唐揚げ専門の惜しい店
※画像の唐揚げと本文内の唐揚げ店は無関係です。
この店惜しいな、、、っていう飲食店とか小売店をよく見ます。
思いやりと想像力さえあれば
低コストで高いリターンが可能なのに、と街角でつい思います。
今回取り上げる(ダジャレじゃないです)のは
路面店の唐揚げ屋さん
最近というか結構前から流行っているいわゆる「唐揚げ専門店」です。
”注文受けてから揚げています!”
そのこだわりは素晴らしいのですが
それゆえ、数名の注文が入ると10分程度待つことに。
春うららかな土曜の午後、、であれば問題ないですが
今はまさに極寒の冬。
しかも駐車場もイートインスペースも無いお店では、
歩道で数名のお客が「うー、サブー、サブー」と言いながらブルブル震えるわけです。
そのうえ出来上がりまで、暖かそうなフライヤー前でバイト同士がキャッキャとおしゃべりでもされようものなら
「あーもうこの店はイイヤ」と思ってしまうのです。
さて、ここからが本題ですが
このように
・客を外で5分以上待たせる(車などの逃げ場がない)
・とにかく寒い
こんな形態の店舗であれば
Amazonで1000円くらいで買える、充電式電気アンカを5.6個用意しておいて
「寒いのでよろしかったら出来上がりまでこちらお使いください」
と言って渡せば良いのです。
初訪問のお店でこれをされたら、
「ああ、臨機応変に客の立場を考えられる人が経営しているんだな」とたちまちファンになるか、どんな人が経営しているのか気になってしまいます。
ドトールコーヒーであるような「待ち時間サービスのコーヒー(紙コップの)」とは”一味違う”のです。
『買いに来た商品+”予想していなかった”サービス』
に人は感動するのです。
家に帰るなり
「あそこの唐揚げ屋ね、カイロ貸してくれたんだよね」
と、いきなり聞いたら「??」になる口コミを家族に話してしまうかもしれません。
ただし、カイロが無かったら
「あれだけ寒いなか待たされてこのくらいの味か、、持ち帰ったら冷めてるし、、スーパーに比べて安くもないし、、別にもう行かなくていいんじゃない」となります。
よほど個性がなければ、数か月後の「テナント募集中」の貼り紙シャッターが目に浮かびます。
たったこれだけのひと手間とコスト(数千円)で、何人のファンとリピート、口コミが得られるのでしょうか。
人は、苦しかった時(寒い、熱い、のどが渇いた・・・)に助けられたことをとても強く記憶します。
※汚い話ですが、急な便意の窮地を助けられたトイレの場所は10年前のことでもしっかり覚えています。
さらに言うと
そのカイロが「本当に寒さをしのぐか」はたいして重要ではないのです。
最悪なのは「ああ、これじゃ外で待つの寒いよね、ストーブでも一台置いておけば良いか」という判断です。
実店舗最大の強みである『対話の交流』も無くなるうえ、ストーブに当たれない位置で待たされたお客には「機会損失」のがっかり感が強く残る、まさに『悪手』です。なんなら置かない方が良いと思います。
まとめると
①お客を辛い状況で”そのまま”待たせてはいけない
②しかし、辛い待ち時間ができてしまう店舗は
ある意味”チャンス”(特に暑い寒い長い)
→ここで心に残る「体験」が提供できればファンになってもらえる
※ディズニーランドは寒くても長くても大丈夫→自分の店に置き換える
私は飲食店を
『美味しい≦うれしい』が成り立つという基準で選びます。
多くのお店は『美味しい=うれしい」ですが
味が多少良くても
『美味しい>うれしい」の店にはほぼ間違いなくリピートしません。
おねだん以上の付加価値は
「プラス1品」「バカ盛り」「100円引き」よりも
ここ『なんだかいいなぁー』です。
安いから、旨いから、〇〇ちゃんがカワイイから、などよりも
理由をはっきり特定できない『なんだか好き』が最後に勝ちます。
※理由がはっきりしない悩みほど人を苦しめるのと同じです。
『なんだか好き』を獲得するには、細かい感動ジャブの繰り返しです。
そんなお店が増えてほしいなぁ~、と勝手な思いに耽りつつ今日はおやすみなさい。