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5日目(2): スムガイトを訪問する

スムガイト(Sumqayıt)

大きな買い物を午前中に済ませて、そのまま店じまいしたくなる気分ではありましたが、この日はそうもいきません。アンカラ時代の知り合いがバクー郊外の都市に住んでいるということで、今回アゼルバイジャンに来るからにはぜひ顔を出しておこうと思ったのでした。

日曜日は互いの都合という点でも絶好の機会。午後3時ごろ、バクーを出発します。こちらでの移動手段は最近、Uberが席巻しているという印象。この移動も先方が手配してくれたUberでスムガイト(Sumqayıt)に向かいました。

バクーからは車で約1時間。かつては重工業発展、それに伴う空気汚染、さらには先住のアルメニア系住民とアゼルバイジャン系住民の民族紛争が起こった地として、知る人はよく知っている地名でありましょう。

私自身も一度だけこの友人のご自宅を5年前に訪問したことがあるのですが、その時は夕方遅くの到着だったので、この街の風景を全く目にすることなくバクーに戻ったのでした。それで、せっかく訪問するなら市内の写真を撮りたいということで、今回は日が出ているうちにスムガイトに行こうと思っていたのでありました。


いざ行ってみると、静かな街でした。ただやはり工業都市ということが関係していると思うのですが、道路は広く、車の運転もバクーに比べると数倍緩やかな印象を受けます。

公園の広場は家族連れで賑わっていました。簡単な遊具施設などが揃っているエリアがあります。

カスピ海沿いに大きな公園があって、全長6kmはあるということでした。散歩するには(あと、ダイエットするには)絶好の街かもしれません。バクーにも海岸沿いの公園がありますが、スムガイトのほうが相当長そうな印象を受けます。

案内してくれた人曰く、観光地ではないのでそれほど見るべきものが多いわけではないとのことではありましたが。いやもう、こちらとしては街の風景が撮れるということそれ自体がとても貴重です。

建設中の大型ビルが目立ちます。
旧ソ連時代の遺産、ここ数年の開発の成果が混在している街だという説明を受けました。

少なくとも、訪問していない状態よりは一度この目で見た、というほうがより語りやすくなりますから。

「僕を撮ってちょうだい」と叫ばれたので、「日本で写真見せてもいい?」と聞き返すと、「もちろん」とのことだったのでここで公開します。トルコの人たちとはまた違う雰囲気をもつアゼルバイジャンの人々ですが、写真撮影についてはトルコに負けず劣らず、好意的な人が多いかなという印象。もちろん人物を撮影するときにはご都合をお尋ねするのがマナーではありますよね。
14-15世紀の詩人、ネスィミーの像。

静かな街は好きで、おそらく自分が生まれ育った長崎の環境とも関係があるのかなと思うのですが、あとは図書館や学校、書店といった環境さえあれば、とよく都市を訪問するときに、勝手に想像したりします。

とにかくトルコとのコンビネーションを強調するものが多いアゼルバイジャン、という印象です。
MMAジム!
そういえば、総合格闘技でアゼルバイジャンに強い選手がいるんでしたっけね…柔道、レスリング。アゼルバイジャンはたしかに格闘技系統の競技に強い印象があります。

スムガイトも印象としては悪くないなと。もっとも、自分だとここに来ても特にできることがなさそうではありますが。

知り合いのご自宅を訪問する

街の風景を撮影させてもらった後、知り合いのご自宅を訪問します。これももちろん貴重な経験なのですが、ぜひ食事をということを言われてはいたので、申し訳ない気持ちではありました。そこまでお気遣いなさらなくても、と言ったのですが、来客は自分達にとってもうれしいことだから遠慮はいらんの1点張りです。

ではせめて手ぶらで行かないようにしようということだけ心に決めて、日本からのささやかなお土産を片手に訪問しました。本当に大したものを持って来れなくて申し訳なかったのですが。

さて、みなさんもきっとご関心があるであろう、アゼルバイジャンの食事です。想像以上にすごい食事で…

ヤルパグ・ドルマス(yarpaq dolması)。ひき肉をブドウの葉で巻いたものです。

なお、アゼルバイジャン語では「葉」はyarpaq. トルコ語ではyaprakで、子音の音位転換(metathesis)が起こっていることに気づきますね。トルコ語とアゼルバイジャン語の間には、このような関係にある語がいくつかあります。これ豆知識な!

ひえー。なんとたくさんご用意してくだすったことか…申し訳ない限りです。

チーズが苦手なのが惜しいです。好きな人にとってはきっとおいしいのでしょう。
野菜もシンプルにこう言った形で出てきます。このあたりはトルコの食事とも似ていますが…

圧巻がこれです。大皿に盛られたピラフ(plov)をご覧ください…!

問答無用の大皿plovなりとて。

バクーでもレストランに入って、すでにピラフを注文して堪能してはいましたが、ご家庭でのピラフはまた一味違ったものがあります。

で、これで全部だと思うでしょ?普通…

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