村上美樹

美術家:hybrid sculptor/美術設営:soft installer/拠点京都:staying Kyoto/出身秋田:hometown Akita/フィールドリサーチ、山、手、労働から作品を進める。 https://murakamimiki.com/

村上美樹

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最近の記事

隙テキスト間

働くことを止めたことにまつわるテキストを書きながら止まり、発表できなかったテキスト ちなみに知り合いで読みたい人いれば無料で送りますのでご連絡ください。ただこれはあまり良いテキストではないです。かなり明確な個人事情が含まれているため、"噂"となる可能性を避けたいと思っています。 事実は事実です。ただ、噂を広めたいが故に書いた文章ではないことを認知した上で読んでほしいテキストです。今後、「よく働き、よく食べるためのプロパガンダ」にてこのテキストの良き部分も織り交ぜながらテキス

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    • 山岳探訪記#3 忌み畏れられる山、鳥海山

      作成日:2023/3/13  私が初めて登った山は鳥海山。その時の私は若く、そして山を甘く見ており、かなりの軽装備で標高2236mの山に挑んだ。地図は持っていない。頼りになるのは標識のみで、山道をグングンと進んでいった。山岳信仰の霊山として知られる鳥海山は、古来から噴火が記録されており、火を噴く荒ぶる神、「大物忌神」が宿る山と崇められている。  冷たい空気がとても気持ちいい。アドレナリンが身体中に巡っていると思うくらいハイになっていた。山頂も目前、時刻は15時。通り過ぎる

      • 山岳探報記#2 近くから話す

        作成日:2023/4/8 過去に使っていたスタジオは比叡山中腹部に位置する比叡平にあった。比叡山、ここもかつては女人禁制の山であった。私が比叡山に登ったことは数度ある。学生の頃にバイトしていたパン屋さんでサンドイッチを買い、山頂でサンドイッチを食べるのが至高の喜びだった。「私は京都の中で一番上に立っている。」そんなつもりで優越感に浸りながらパンにありついた。比叡山は良い山だ。ロープウェイも通っているので気軽に登ることができる。しかし軽く登れる低山は道に迷いがちだ。しっかりと

        • ​山岳探報記#1 岩木山・山岳信仰の女人禁制について

          作成日:2022/11/28  かつて岩木山は1872年(明治5年)まで女人禁制の修験山であった。山岳信仰の山のため、信仰している女性のために設けたとされるのが"姥石"と云われる石だ。だいたい3合か4合目くらいに位置する姥石は女性のみ山への立ち入りは"そこまで"とし、岩木山を信仰していた女性は"そこまで"参拝していた。かたや"青森の姫"=安寿姫の乳母が石になってしまったから姥石と名付けたという民話も残っている。(童話『安寿と厨子王丸』・柳田國男著『妹の力』参照)  安寿姫が

          他人の山の中のオブジェクト

          作成日:2018/5/2 六甲山で展示したいと思い、プランニングした時のテキスト 錆びた看板ー洞窟のような岩ー石のタワーの上に地蔵ーー脳みそのついたパイプーーー雪に埋め込まれた形  私は秋田県出身だ。好きな山は鳥海山。よく晴れた日は高校に向かう登校中鳥海山が美しく顔を出したものだった。それと同時に私は晴れた日は大嫌いだった。秋田県はやたら曇りの日が多い。曇りに慣れている私の体に、太陽光はとても残酷に感じたのだ。そんな残虐な日差しの中、薄青色に光るあの山に私は憧れを抱いた

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