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夏の思い出

 夏の思い出 手を繋いで と勝手に口ずさむ暑い暑い夏。ケツメイシのこの曲は、僕らの夏を変えたと思っている。何かしら当たり前のように季節があって、それぞれに行事やイベントがある。当たり前の感覚として、勝手に楽しんでいた。

 ケツメイシがあの唄を作って21年。21年前の僕は何をしていたかというと、中学2年生で部活と勉強真っ盛り。今みたいに体育館にエアコンもなく、また日本の夏も危険な暑さというほどではなかった。中2の頃と言えば、オリコンに並ぶリップスライムとキックザカンクルーにドラゴンアッシュ、本格派のキングギドラ、韻マックスの餓鬼レンジャー、ポップなオレンジレンジやなど、HIPHOPが僕たちの青春ソングだった。麻波25やメガリュー、ジャパレゲも好きだったなあ。バンプや銀杏などロックも同時期に聴いていたけど、とにかくテンション上げよーよ!っていう時に皆で口ずさんでいたのはラップ。早口言えるのがかっこいい、それぞれのボーカルの声マネするのも流行った。

 夏の思い出は今でいうチルなメロディーで、上がったテンションを少し下げつつ、切なさを感じさせてくれた。それから高校生になって大学生になって社会人になってもまだ流れているこの曲。

 この曲は夏の曲だけど、夏の終わりの象徴だった。ただ楽しいバケーションを終えた晩夏。若者のすべてではないけど、寂しさを感じさせる。でもね、またやってくる予感を秘めている。それは間違いない事実。いくつ夏を走り抜けても変わらない青い波の群れ。

 来年を待ちつつ、僕らはまた思い出せる。この普遍性に惹かれるんだろう。今年ももうすぐ夏は終わる。

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