半年に一度の衝動。
©️Levi Strauss & Co.@Ida Van Bladel(1971)
※この美しいポスターは現在$2000(30万円)ほどで取引されている。
わたしは半年に一度、ある衝動にみまわれる。
『フル・モンティ』や『バス男』にえもいわれぬ感動を覚え、『キック・アス』や『スーパー!』に理想のヒーロー像を見出し、『マメシバ一郎』や『おいしい給食』を観てはむせび泣く、わてし。好きなテレビ番組は『病院ラジオ』です。
すこしあたまのねじがゆるんでいる。
(ほらこれぜんぶ、ひらがなだし)
(『、』をつけてるだけすごいのよわてし、)
再度、問う
結論からいこう。
わたしに襲来する衝動、それは、
剃毛衝動である。
これ、
「は?は?なんて?あんた、なにゆうてはりまんの?ちょっとなにゆうてるか意味ようわかりまへんわ」派
とね、
「ひゃー、ハゲドウっす!じぶんもっす!押忍!押忍!パイセンのキワゾーン、マジでリスペクトっす!」派
まっぷたつに別れる。無いのは中道、何故なら衝動、刻むは鼓動。韻を踏む。何やってのん、レッゲノン!
さぁ、あなたは、どっち⁈
ちなみにわたしは当然の、前者。衝動も前者は勝者なり。「配球も人生も大事なのは緩急」とは、稀代の名将・野村克也監督の言。ほら、なんか、同じようなこと言うてる気しない?しないか?あんな、薄目でぼんやり眺めていると、ほぼ、ほぼ、克也なんな、わたし。ほな、もれなく、サッチー&ミッチーついてくる訳やな。や、それは堪忍やわ……で、本筋に戻る。
この剃毛衝動について強く感じたのは、遡ること3ヶ月ほど前、あるno+eの記事を読んだときのことだった。
たぶんその時のわたしは、鼻にティシュコ突っ込んでほじほじ男か、おパンツのなかに手を忍ばせておしりぽりぽり男であったと思う。(両者を総じて、おっさんの嗜み、と言う。略して、オッタシ。……嘘です。そんなものはありません。)。
それで、件のある記事は何かというと、
青空ちくわ氏の
『あなた、まだ毛があるの?』
である。(※掲載許可は得ている、一応。)
これが大傑作のは言うまでもない。
人間の深層心理の奥深く、まだ、発見されず、名もつけられていない心の深海に蠢く形なきものにスポットライトを当てた作品でありまふ。学術的にも稀有な論文だとも言えまふ。ぜひ、
我が、お毛毛研究室(おけけけんきゅうしつ。略しで、オケケン。……嘘です。そんなものはありません。)にスカウトしたい。
あ、でも、スカウトしたいのは本当です。何に?と問われると、ナニにだろう?と、永遠に止まらない禅問答モードに陥るので、問わないでください。(オケケン室長 U拝)。
未読の方は、ぜひ、ご一読を。
あなたの人生がときめくムダ毛の魔法
にかけられるかもしれません。(はい、嘘です。そんなものはありません。ごめんなさい。)でも、以下に記すように、頭にこびり付いて離れないパルプンテの呪文にはなるかもしれない。これは本当。
こんな風にね。
そして、バトンは渡された
そう言えば、わたしがその剃毛衝動に初めて襲われたのはいつのことだったろうか。しばし、『おもひで探索に耽る微熱のタイムトラベラー(以下、おもひでトラベラー)』となる。
(説明しよう!)
ピコリンコピンコ!
おもひでトラベル終了の合図が鳴る。
もちろん自分の口で言っている。
「ピコリンコピンコ!」と。
公衆の場なら、ちょっと、ヤベーやつだ。
でも、大丈夫、外出先でトラベルする場合は、電話ボックスに駆け込む。四方の守りは完璧。透明だけど。まあ、そこは気にしない。そして、一気呵成に叫ぶのだ!「ピコリンコピンコ!」と。問題なし。
(いや、それ、ヤバさ三割増しよ、逆に)
話をもとに戻そう。
ん、そうだ、たしか十二歳の頃だ!
アンダーのオケケーがフササーしはじめたシュンキーの入り口だ!
(思春期を『シュンキー』は、ちょっと無理あるかー?まあ、えーよな。)
ワタシ、忘れもしナイヨー、あの感触。お遊戯会で初めて直履きした毛糸のタイツーの感触ダタヨー、ヤダヨー、ちくちくむずむずシタヨー。
チクチクチクチク
チクチクチクチク
ムズムズムズムズ
ムズムズムズムズ
チックリーチクリーチクチクリー
チックリーチクリーチクチクリー
ムズムズムズムズムズズームズー
ムズムズムズムズムズズームズー
わかるかなぁ?
わかんねえやつにはわかんねえだろなぁ、この肌感覚。わたしは、これが、どうにも、こうにも苦手で、嫌だったのだ。
そのとき、人生で初めての剃毛衝動を体験した。わたしの身体の内部、と言うか皮膚表面に散在する毛根から数ミリ下を、稲妻が走った。恐らく、そのときのわたしの身体からは、四方に放電されゆく無数の電子が見えたことだろう……嘘です。そんなものは見えませんでした。
でも、衝動は本当。その直後、わたしは「very切れてなーい!」のキャッチコピーとワイヤーガードで一世風靡した剃刀を買いに、ドラッグストアーへと走った。雷のごとく。ピカッてゴロってな勢いで。(て、それ、ほぼ、ピカチュウやん)うむ。
ぴかー。
目当ての剃刀を手にして帰宅したわたしは、あやしく光る二枚刃にうっとりして恍惚の表情を浮かべながら、小屋のなか、ひとり初『剃毛行動』に耽った。我がことながら、ちょっと、いっちゃてるヤツだとおもふ。
だからね、いまね、あんなにもやわらかなラムウールのセーターを低価格で提供してくれるUNIQLOに、まじ、感謝。メリノウールなんか、さらさらすぎて肌着で行けます。まじ、リスペクト。&ラブ、UNIQLO。
話をもとに戻そう。
半年に一度の剃毛衝動が、その後どうなったか。わたしはそれ以降、半年から一年に一度の剃毛衝動に駆られ続けている。その際、いまも変わらず、わたしの剃毛行動を支えるのは、あの「very切れてなーい!」の剃刀だ。「very剃れてなーい!」だと困るもの。一度、気に入ったものには全愛を捧げ、添い遂げるタイプなのね、わてし。割と一途。
で、夏の盛りに衝動に襲われれば、何なら、髪の毛だっていてまうこともある。そのときは、マイ・バリカンでベリーショートにいてまうよ。最近は、もう、いっそ、坊主でもええとおもっている。いい歳して、必死こいて似合わないおしゃれパーマとかしてる痛いおっさんにはなりたくないのね、わてし。
(おま、全国美容師連盟、略して全美連と、全国のオサレパーマかけてるおっさん、略してオサオジを、敵に回したよ。)
いや、他人に強制はしないし、否定も批判もしないよ。個人的な話よ。似合ってる人もいるしね。
(似合ってるオサオジって誰よ?)
んー、例えば、ムロツヨシとか、阿部寛とか、大泉洋とか。
(2/3の確率で、天然パーマやん)
(おま、ロン毛のときもあるやん)
ま、まあ、その辺は雰囲気でいいじゃない!ね!おれの言いたいのはね、身の丈に合った生活、九相図の死生観、自然体。これ、個人の価値観、というか、命そのものを受け入れる生き方ということです。
それが、我がゆく剃毛道というもの。押忍!
(なんの道よ、それ。)
で、わたしは、今し方、この衝動に襲われたばかり。ということは、つまり、只今、わたしの全身は、
つるつるだ。
言わなくても良いけど、言いたいから言う。
只今、わたしは全身、おしりまで、
つるつるのつるつるなのだ。
ただ、言葉でも伝えたい。
いまの、わたしり(何でも略すなよ)がどれくらいつるつるかというと、
つるとんたんのおうどんくらいつるつるなのだ!
シコシコかどうかについての言及は避ける。伝わっただろうか。伝わっていると嬉しい。
わたしは問うてみる。わたしの相棒に。
「Hey、Siri!つるつるのおしりってどう?」
相棒は、いつもと寸分違わぬピッチと音程でクールなビートを刻みながら、答える。
千九、まつりちゃん。
↑
(センキュー=サンキュー)
(伝わるかどうか不安なら、書くなよ)
総理、エブリバディ。
↑
(そーり=sorry)
(これは、さすがにわかるわ!)
おわかりいただけただろうか?
(うん、だから、全身のオケケを剃ったんやろ?そういうことやろ?)
はい、そのトーリー。
だからして、いまのわたしは、NOチクチクーで、NOムズムズーで、無敵のつるつるーりすとでございます。言わば、つるつる無双状態なのである。いいでしょ♡
(でも、生えてくるやん?その度に剃るの?)
(レーザー脱毛とか専用クリームとかせん?)
そんな無粋な声が聞こえてくる。まるで巨人阪神戦の外野席のように。どちらとは言わぬ。わたしも自分の身が可愛いゆえに。
あんな、そんな、いちいち剃ってたら面倒で構わんわ。わて、定期的に剃るほど潔癖やないの。半年に一回やゆうてるの。最初から。まあ、大体やけど。それにな、これを書くまでの間に、わてなりに色々と試して来たチャレンジング人生なのよ。もう、痛いのも、べたべたなのも、ひりひりなのも、
やーーーーーーーーなの!
鈍感で無粋で無遠慮なあなたにも
わかって欲しいな、そういうとこ。
でね、つるとんたんのおうどんくらいつるつるなわたしのいまの気持ちを音素にするなら、こんな感じ。
そーりーそーりーたいモーソーリー
にほんのそーりーはいシバソーリー
ただ、これが言いたいだけの、記事である。
あはん🙈
↑
(おま、全身体毛動物やないか!)
お後がよろ尻ようで。
さて、あながおそわれる衝動には、どのようなものがあるだろうか?
ここはひとつ、勇気を振り絞ってコメント欄にカミングアウトしていただきたいところ。
「わたしが襲われる衝動、それは…」と。
ー了ー
ヘイッ、カモンッ、こにしり木の子ー!!
🛸
🐄
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