まなみ

アーティスト / 英日翻訳者 - Noteには日常のことを書きます。作品はこちら→https://www.instagram.com/manami.uetake/

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最近の記事

あと1万キロぐらい離れててほしい - 2024年2月9日

友人と一緒にいるときに有名人の逝去のニュースを見た。「歳をとったと感じるのは」、友人がぽつりとつぶやく。「誰かが死んだニュースを見ると知っている人ばかりになったことかな。子供のときって誰かが死んでも知らない人ばかりじゃなかった?」確かにそうかもしれない。そんなことまったく考えたことがなかった。いつの間にかゆりかごよりも棺桶への距離が近い。

    • 嫌いだからやっつけてるだけ - 2024年2月8日

      仕事関係の知人でしょっちゅう失踪する人がいる。つい最近もまた数週間音信不通になり、どうしてもその知人の連絡が必要な案件がいくつかあったため、ブチ切れながらメッセージを送りまくっていた。先日、そんな知人がようやく(私のメッセージとは特に関係なく勝手に)復活し、溜まりに溜まった方々へのメールの返信をやっと済ませたらしいのだが、すぐにまた返信が返ってきたことについて「なんでみんなこんなにメールが好きなんだろう」と呑気なことを言っていて卒倒した。メールが、好き?好き……?即座に「私は

      • セロトニン - 2024年1月24日

        年末あたりから冬季うつがひどく、過眠と倦怠感と気分の落ち込みに悩んでいたのだが、朝に無理矢理起きてはベランダで小一時間ほど日光浴をする日々を続けていたら、だいぶ調子が戻ってきた。人間なんて所詮生理活性アミンの下僕。日光浴をしながらDuolingoで日課のドイツ語とフランス語とスペイン語とアラビア語と中国語と韓国語の勉強をしているので、隣の家の人はいったいなんなんだと思っているかもしれないが、私のセロトニン分泌のために甘んじて受け入れてほしい。日光とME:Iだけが私を支えている

        • 修正指示 - 2024年1月23日

          プロフィール写真は2、3年ごとに更新することにしている。前のプロフィール写真を撮影してから3年近く経つので、先週新しい写真を撮影してもらった。今回は初めてフィルムで撮影してもらったので仕上がりが楽しみだった。そして今日、確認用の撮影データが送られてきた。確認してみると、やはりフィルムは質感や色味がいい。いい。それはいいんだけど、どの写真を見ても乳首が浮いている。めちゃくちゃ浮いている。信じられないぐらい浮いている。は? 原因は明らかだ。私は普段からブラジャーをつけない(とい

          未解決事件 - 2024年1月22日

          話題の『未解決事件は終わらせないといけないから』をプレイした。バラバラになった記憶の欠片を繋ぎ合わせていき、真実を明らかにするという内容なのだが、すべての要素が最大限の効果を発揮していて美しかった。記憶を探る過程を鮮やかにゲーム化しているという点で『The Wake: Mourning Father, Mourning Mother』を思い出したら、同じ作者の作品らしい。『The Wake』もすばらしかったけれど、今作は完成度がもう一段高い気がする。 そしてなんといっても今

          未解決事件 - 2024年1月22日

          行事 - 2024年1月21日

          私は行事というものが苦手だ。中学校の合唱コンクールの練習には一切参加せず、怒ったクラスメイトに泣きながら胸ぐらを掴まれて宙に浮いたことがある。その状況がおもしろかったので笑っていたら、周りの人も泣き出し、なぜか私一人が悪者にされたが、今思い返しても人の胸ぐらを掴む人間だけが悪いと思う。高校の文化祭の劇にも一切参加しなかった。何かしらの役割があったようだが参加していないので知らない。高校の卒業式にも出なかった。成人式にも出なかった。芸大の恒例行事、神輿作りにも一切参加しなかった

          行事 - 2024年1月21日

          だってかわいくないから - 2024年1月15日

          道端にねこがいたので話しかけていたら、同行者に「上竹さんみたいな人って動物にやさしいですよね」と言われ、「私みたいな人というのはどういう人ですか」と聞くと、「動物にやさしくなさそうな人」と言われた。私がやさしくないのは人間に対してだけだよ。

          だってかわいくないから - 2024年1月15日

          研磨と露悪 - 2024年1月14日

          年明け以降ずっと企画のステートメントが書けずに悩んでいた。口頭では散々話しているのに、いざ文章にしようとするとまったくまとまらない。一文字も書けないまま時間だけが過ぎていく。つらい。そんな状態がしばらく続いていたが、一行ごとに数時間かけながらやっとどうにか書くことができた。それを他の人に見せて相談してみると、「研磨されすぎていてとっかかりがなく、かえって読みづらい!」と言われた。う、うう……終わらないステートメント地獄……。 相談した相手は相手で自分の企画のステートメントに

          研磨と露悪 - 2024年1月14日

          ホイッスル - 2024年1月10日

          ベトナム料理屋でフォーをすすっていたら、人からLINEで音声ファイルが届いた。なんだろうと思ってとりあえず再生してみたら、信じられないぐらい甲高い叫び声が爆音で再生された。ホイッスルボイスを習得したので聞いてほしいという趣旨のメッセージだったのだが、よく見ずに再生してしまった。一昔前のブラクラかよ!

          ホイッスル - 2024年1月10日

          二番煎じの島 - 2024年1月9日

          自分は友達が少ないという愚痴をHくんに聞かせていたら、居合わせた人に「二人は友達ではないのか」と聞かれた。同じく友達の少ないHくんは一応私のことを友達だと思っているらしいが、「一つの都道府県に一人以上友達がいた試しがない。東京だと上竹さんだけ」と言っており心配になった。東京代表が私なのは確実に人間関係の構築を失敗している。同じ質問に対し、私は「友達ではあるが、どちらかといえばたまたま近くにあるだけの無人島2つのようなもの」と答えた。 この会話のあと、なんとなくポール・サイモ

          二番煎じの島 - 2024年1月9日

          減る一方 - 2024年1月8日

          試し行動があまりにしつこい相手と絶縁したという話を友人から聞いた。年末に観たマイク・ミルズの『カモン カモン』も試し行動が多い子どもの話だったな。試し行動は自分も相手も疲弊させて何もいいことがない。子どもならともかく、いい大人が他に恋人のいる異性に幼稚な試し行動(ちょっと返信がおざなりだっただけでいきなりTwitterをブロ解するとか)を繰り返す話は聞いているだけでこちらも疲弊した。 相手とはもともとTwitterで知り合い、偶然近所に住んでいたので実際に遊ぶようになったの

          減る一方 - 2024年1月8日

          黒子 - 2024年1月7日

          レッチリのジョン・フルシアンテの愛聴盤をまとめた記事を読んでいたら、フェネスの『Endless Summer』が入っていたので意外だった。全然音楽性違うけどそういうのも聴くんだ。フェネスは大好きだし、レッチリももちろん聴いたことはあるけど、まったく影響を感じない。好きだけど自分の作品には反映されないものってあるよね。それはそれとして『Californication』は好き。 最近、自分の好きなものがまったく自分の作品には表れていないことを考えていて、今回もちょっとそのことに

          黒子 - 2024年1月7日

          またね - 2024年1月6日

          前に一緒に暮らしていたねこの具合がよくないので会いに行った。あいかわらずふわふわでかわいいのに、もう余命が長くないらしい。窓辺で日に当たりながらねこのお腹に耳をくっつけて、体のなかで反響する喉のごろごろ音を聞いていると、この猫はこのまま永遠に生き続けるのではないかという気がする。なんというか、生き物としてあまりに完成しているので、この命が損なわれるイメージがわかない。陽だまりのなかでずっとごろごろ言っていそうな気がする。ねこには「またね」と挨拶して帰宅した。

          またね - 2024年1月6日

          谷中と雪柳 - 2024年1月5日

          今日は所用で谷中に行ったので、ついでにイナムラショウゾウのケーキとアトリエ・ド・フロレンティーナのフロランタン、マミーズ・アン・スリールのアップルパイ、そして腰塚のコンビーフを買って帰った。佐藤のメンチカツも買い食いした。谷中のすべてがいまここにあると言っても過言じゃない。 大学が根津にあったので、学部生のころは千駄木に住んでいた。その頃に買い物をしていた谷中銀座の八百屋などはまだ健在で、あのあたりを歩いていると学生に戻ったような気分になる。もう10年も前の話だけど。あの頃

          谷中と雪柳 - 2024年1月5日

          スプタン - 2024年1月4日

          (痛い話が苦手な人は読まないでね) 「スプリットタンのやり方を聞くだけ聞いて実行しないキッズが多すぎる」と、スプリットタンの友人が怒っていた。「こんなもんは無麻酔で適当なカッターで切るんだよ」と暴論を言っていたが、友人は実際にそのようにしてスプリットタンにしたことを私は知っている。 彼女が暴挙に出る数時間前、私は彼女にサロンでのスプリットタンの施術方法にはメスで切る方法とテグスで徐々にちぎっていく方法の2種類があるという話を聞かされていた。彼女はどちらの方法を選ぶかで延々

          スプタン - 2024年1月4日

          演出 - 2024年1月3日

          初対面の人と話していたら、話の流れで相手の悩みを聞くことになってしまった。正直に言ってそんなに興味がある話でもなかったが、相手の気を悪くしたくもなかったので、ひたすら相手が求めていそうな返事をし続けた。そうしたら、「あなたは優しい」と言って泣かれてしまった。誤解だ。相手には感謝されてしまったが、感謝されればされるほど苦い気持ちになった。 心がこもっているだのこもっていないだのという表現があるが、こういうことがあると「心」というのはあくまでそういう演出なんだろうなと思う。前者

          演出 - 2024年1月3日