職場の飲み会は無駄なのかINTJが語る話
昨今、悪者にされがちな仕事上の付き合いの飲み会。忘年会や新年会だけでもウンザリするが、職場によっては度々部署飲みなども開かれているのではないだろうか。
INTJは職場の飲み会の発起人になることはあまりないだろう。幹事を押し付けられることはあったとしても。私も職場の人を飲み会に誘ったことは一度もない。
私はかつて、今の若者と同じように「職場の飲み会なんてクソ食らえ」と思っていた。給料も出ないし仲良くもない人と酒を飲むなど無駄の極みと思っていた。だが、そんなに捨てたものではないな、と今は思っている。
まず、私は今現在でも職場の人達と仲良くなる気などさらさらない。そんな気持ちは皆無だ。仕事をする上で最低限のコミニュケーションさえとっておけば文句はないだろうと思って生きている。
だから、酒の席で本音を言い合って胸襟を開こう、なんてことが言いたいわけではない。開きたい人は勝手に開けばいいが、私は開く気など一切ない。
私が職場の飲み会に出る最大の理由は、社内の人間関係やパワーバランスを知るためだ。
人間関係の相関図が頭に入っていると、情報がどこからどこへ流れていくのかが掴める。公式発表されない類の情報は、まず間違いなく親しい人から親しい人へと流れていく。
誰と誰が親しくて誰の口が軽くて誰の発言が波及力があるのか、これを知るのに飲み会はうってつけなのだ。また、酔うと本音が出やすい人も見つけておくといい。
なぜ情報の流れ方を知る必要があるのか。
どうせ仕事で必要な情報は公式発表されるのだから流れなど知る必要はないと、かつては思っていた。だが今は考えを改めた。
情報を流す側になった時、情報の流れ方を知っていると仕事が早い。情報がどう流れてどこでどう変質して行き渡っていくのか。それを知っていると自分が情報を受け取った時、情報の鮮度や精度も知ることが出来る。
それ以上に、情報操作がしやすい。
情報を握っているということは、自分の手札を増やすということだ。そして情報を操作できるということは、自分で動かずに自分の足場を固めることだ。
その前段階の最初の一歩として、飲み会は非常に役に立つ。もちろん飲み会で思わぬ情報を手に入れることもある。どうせ参加しなくてはならないのなら、最大限有意義な使い方をしたい。
世の中どんなことでもそうだが、価値のないものはない。無駄なこともない。
自分がどう役立てるかにかかっている。私は個人的に挨拶や雑談も不要だと思っている。仕事の時に仕事以外のことをしたくない。だがどうせしなくてはならないのなら、どう活かすかを考えた方が楽だ。
飲み会に参加したところで金がもらえるわけでもない。確かにそうだ。ならば、自分の中でどのような付加価値をつけるかを考えるのだ。
若い頃は、仕事も金銭も情報も上から勝手に降ってくる。特に新人の頃はそれを取りこぼさないようにするだけでも精一杯だろう。ただでさえ、頭も心も余裕がないのに飲み会で精神をすり減らすのは辛いかもしれない。
社内の飲み会を無駄だと言いたくなる気持ちはよくわかる。私とて飲み会の10回の内9回は、今でも無駄だと思っている。興味のないおじさんの独演会を聞くくらいなら、ネズミの排泄物を眺めている方がはるかに有意義だ。
だが、気持ちの持ちようだ。
10%の確率でも何かの収穫があればいい。その収穫物をどう使うかはこちら次第だし、収穫高を上げるどうかもこちら次第なのだ。
いや、だが、しかし、うん、わかる、飲み会はめんどくさい。