こころの教科書 第3章「心と幻」
私たち人間には、心という不思議な存在があることは、現代に生きる誰しもが理解しています。
そしてその”心”は、脳や身体の中に物理的に存在しているわけでは、決してありません。
こころの教科書 第3章では、その夢か幻かとも言える心の不思議な機能の一つが与える、魔物とも言える恐ろしい力の一端をご紹介します。
筆者がこのことをご紹介するのは、決して無意味に怖がらせたいからではありません。
日々、心理カウンセリングをしている現場の中で、これが相談者の心を満たすことに役立っているからです。
この魔物の意味を理解いただくことで、心の機能に苦しめられる人生から逃れ、自分らしく輝く日常を手に入れていただけることを、心より願っております。
ここまで、人の心とはそもそもどのようになっているのかを理解いただくため、第1章「心と私」、第2章「動く心」という二つの視点をご紹介させていただきました。
第1章では、心には意識できない領域”無意識”というものがあり、その領域に潜んでいるものに気づいていくことが、人生を豊かなものへと変えていく可能性について触れ、不思議にも私という存在(私が自覚している私)自体、その無意識が決めてしまっていることにも触れています。
第2章では、人間の神経回路とも言える”知覚”という仕組みについて言及し、私たちが現実だと思っているものは、案外信用できないものだということについて、触れています。
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幼稚園の帰り道
その子は4歳の男子。
幼稚園へのお迎えに、時々パパとママが一緒に車で来てくれることがあった。
それはとても嬉しいこと。
ここの幼稚園は自転車でママが迎えに来ることが多い。
そのとき、少し鼻が高いのだ。
帰り道には、ショッピングモールに寄って、新しいおもちゃを買ってもらう。
ママも一緒だし、ついでに焼肉屋さんにでも行って、おなかいっぱいに食べる。
今日はそんなことを期待していた。
特に理由も根拠もない。
なぜかそういう気がしたのだ。
自転車でママが迎えに来た。
<あれ?思ってたことと違う。>
とたんに食い下がる。
「今日はどっかでおもちゃ買ってくれる?」
ママが軽く笑いながら答える。
「そんないっつもおもちゃ買えるわけないでしょ。」
じゃあせめてこれだけでもと、
「焼肉屋さんでご飯食べたい~!」
最後は叫ぶようにお願いする。
ママはまた笑いながら答えた。
「今日は大好きなカレー作っといたからね」
苦手な食べ物になるよりはもちろん良かった。
でも期待していた最高の帰り道は、あっけなく崩れ去る。
自転車の後部に乗せてある背の高い子ども専用シートに乗り込み、あっという間に疲れて眠り、目覚めたらそこはカレーの匂いが心地よい我が家だった。
子どもは子どもで、今を楽しんで生きることに必死である。
心に棲む魔物
心には不思議な機能があります。
その不思議な機能は、私たち人間が生きる上で、間違いなく必要なものであると同時に、私たち自身を陥れる魔物ともなります。
その正体は、
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