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自分への究極の褒め言葉


以前何度かnoteで「自分を褒めること」を勧めてきた。
いや、人に勧めているというより「自分に勧めてきた」のだと思う。

私たち昭和世代の人間は、親からもあまり褒められず、(褒め育てという言葉すらなかった)学校の先生たちは厳しく(優しい先生もいたが、体罰が当然のように認められていたし、冬の寒い中の「寒稽古」と言われる、謎の1週間早朝に学校に行き、校庭を走らされた)、社会も特に女性に厳しく(男女雇用機会均等法もなかった。のちにできたが、25歳はクリスマスケーキと言われた時代(後述します))バブル時代に青春期を迎えたので、この頃だけ少しチヤホヤされた記憶があるくらいだ。

*クリスマスケーキとは、25日まではクリスマスケーキは高値で売れるが、26日になると途端に値下げをされてしまうことから、女性は25歳までに結婚しないと、売れ残りと言われ、その様子がクリスマスケーキに似ていることから、「25歳クリスマスケーキ説」が、当たり前のように言われていた。
周囲からも「結婚はまだ?」という問いかけが多く、それが嫌で都会で働く女性が増えていったと、私は思っている。
これは私の考えではなく、当時当たり前のように言われていた言葉であることを、ご理解ください。

だから私たち世代は、褒められることに慣れていない。
褒められても、「とんでもないです。まだまだ私なんて」というのが口癖になっている。
褒められても、「もっともっとがんばらなきゃ」と思ってしまう。
褒められても、「何かこの人は魂胆があるんだ。騙されてはいけない」と思ってしまう。
まあ、なんとも可哀想な思考なのか、と、今は思ってしまう。
おそらく、平成、令和の人たちからすれば考えられない思考だろう。

生まれた時代によって、独特の思考がある、ということは、ほとんどの人はなんとなくわかっているだろう。そして、「昭和は古い」と思われるのも当然かもしれない。
古いことが全てダメだとは思わないが、「褒めない」ということについては、変えていきたいと思っている。そう思わせてくれた一番の理由は、手前味噌(自分で自分を褒めることになってしまって申し訳ない)になるが、私の娘が言った一言がきっかけだ。

「お母さん、生きてるだけで偉いんだからね」

私がコロナ禍で仕事が激減し、かなり落ち込んで日々を過ごしていた時に、私に向かって彼女が言った言葉だった。
ハッとした。
そんな考えは一切、どこにも、探したって出てこなかった。
まるで宇宙人の一言のように最初は思った。
しかし、そのうちじわじわと私の心に浸透し始め、今や「究極の自分への褒め言葉」になっている。

彼女曰く、「私たちは生まれた時から消費税があって(いや、お小遣いで漫画買ってただろう。それは親が稼いだお金だ、とは言わないが)空気を吸っているだけ、すなわち生きているだけでいろんな税金を払ってるんだよ。生きてるだけで十分偉いじゃん」と。

言われてみればそうだ。
ほとんどの人が毎日真面目に自分がやるべきことをやっているはずだ。
たとえ真面目にやらなくても、何もしてなくても、遊び続けていても、何かを食べれば経済を回し、さらに消費税を払う。
8%から10%も。それだけで十分に偉い。
どんな生き方をしていても、他人である周囲の者がよく知りもしないのに、人様の生き方をどうこういえる権利もない。

だが、私を含め真面目な人は(これは褒め言葉ではないです。真面目ゆえに苦しむことも多いと思っているので)「まだまだ頑張らないといけない」「普通の人と同じように生きなければ」と思ってしまう。
(普通ってそもそもなんだ?普通が本当にいいのか?それは誰かに押し付けられた考え方ではないのか、と最近は思えるようになっている)
だから、ふと自信を無くしそうになると言い聞かせる。
「生きてるだけで偉いんだよ」と。

今朝起き抜けにこの「名言」が浮かんできたのは、昨日確定申告の準備、投資のリバランス、note記事2本、という自分で決めたノルマを終えたからかもしれない。
数字が苦手なのに、数字ばかりと向き合ったからかもしれない。
「私、偉い」と自分で言っていたくらいだから。

昨日はこれだけのことをやっても、1円の稼ぎにもなっていない。
それでも「やらないといけないこと」であり、「やりたいこと」だ。
だから私は偉い。
だって、生きてるだけで偉いのだから。それ以上にやることをやったのだから、すごく偉い、と思えるのは、この言葉のおかげだ。

昨日は、声に出して自分を褒めてみた。
なんとなく嬉しくなった。
報われた気がした。

よかったら「あなたは偉い」「私、偉い」と自分を褒めてみてほしい。
全員誰だって、無料でできる自分を元気にする言葉だから。

褒める根拠は、「生きてるだけで偉い」だから。


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通りすがりのnoter Hiromi
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