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快晴の空の下で泣く


高速バスの窓から、流れる景色を見ていると、
涙があふれてきた。

快晴の空。
冬にしては、暖かい日。
都会から田舎へ。
田舎から都会へ、風景が変化するさまを見て、
感じた。


世界は、地球は、宇宙は、ずっとずっとこんなに
優しかったんだ、と。
それなのに、私は何にも気づかず、ただ何かといつも戦っていたんだ、と。

ライバル
目標
やるべきこと
そして何より自分自身と戦っていた。

世界はこんなにも優しく私を受け入れ、包んでくれていたのに。
何にも心配せず、戦わずに、肩の力を抜いて
生きていけば良かったのに。

こんな光景は、何千回、何万回と見ていたはずなのに、その優しさに気づかなかったのは、なぜだろう。

自分以外のものを信じてなかったから。
自分以外のものに頼ってなかったから。
だから気づかなかったんだ。

涙がポロポロと溢れてきて、驚く。
なんの涙なのか、心をのぞいてみると、
頑張っていた自分への労り。
頑張りすぎていた自分への慰め。
頑張っても頑張らなくても、たどり着いたところは同じだとは思わないが、もう少し気楽に生きてても今と同じ場所に辿り着いてたと思う。

そして、こんなに美しい景色、自然、そして私たちのために運転してくれる運転手さんの存在。
そして、日本に生まれたことへの感謝が、次から次にあふれてきた。
この景色も日本だから見られる。

日本だから、安心して生きられる。

いざとなれば山奥に住めばいい、って本で読んだ。

日本がいつまで安全かはわからないが、少なくとも今は、安心して生きられる。

残された人生。
もっともっと、違う生き方をしてみたい。
地に足をつけずに生きていきたい。
地に足をつけず、5センチくらい浮いた状態で生きていきたい。

可能性でいっぱいの自分であることが、ありがたくて、嬉しくて仕方がない。

文句のつけようがないほどの快晴の空の下で、私は泣いた。


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Hiromi  U.
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