ふらりプチ旅 ”水郷" 福岡県柳川市北原白秋記念館訪問記」
先日ふと思い立って、久しぶりに柳川に行ってきた。
何度も訪れたことがあるが、行くたびに癒されて
帰ってくる場所だ。
さげもん
ちょうど今は、「さげもん」の時期。
「さげもん」とは、お雛さんを飾る時期に、柳川では下げた手作りの鞠などをぶら下げた飾り物が
展示される。
川下り
柳川は川下りでも有名だが、いわゆる「急流川下り」ではなく、のんびり、ゆったりとした「川下り」だ。
冬の間は、「こたつ舟」が出ていて、決して寒くないのは、温暖な気候のせいもあると思う。
ただ、この時期の川下りは、川の水をきれいにする時期と重なるので、通常のコースより短い川下りに
なる。
さらに今回は、工事中ということもあり、
コースも短いし、予約もせずに出かけたため、
川下りは断念した。
それでも小学生たちの社会科見学などと重なり、
まあまあ多くの人たちが平日にもかかわらず、
柳川を訪れていた。
2019年までは、年間120万人の観光客が
国内外から訪れていたそうで
(タクシー運転手さん曰く)
今はまだまだその復活には程遠いらしい。
ちなみに柳川市の人口は、この12年間で10,000人も減ってしまったらしいが、現在6万人ほどの
小さな町に、毎月10万人ほどの観光客が来ていた
ことを想像すると、(この時期にも私も行ったことがあるが、うなぎやさんは時間帯をずらしていかないと待つ羽目になっていたのを記憶している)
いかにインバウンドに支えられていたのか、
がわかる。
「もうあの頃のようには戻らんでしょ」と、
年配のタクシー運転手さんが言っていたのが、
悲しかった。
この町は気が良い、と私は思っていて、散策すると
本当に時間がゆったりと流れ、川下りは抜群の
癒し効果があるので、もし訪れたことがない人はぜひ一度訪れてみてほしい。
街の中心地には、旧立花藩の藩邸だった「御花」も
ある。
私はどうも城下町に癒されるらしい、と改めて思う。
柳川に行く際「私がマストだと思うもの」を挙げて
みる。
柳川おすすめ観光
川下り
うなぎのせいろむし
喫茶店でのお茶
それに加え、今回は「北原白秋記念館」に行こう、と計画していた。
北原白秋記念館
あの「からたちの花」などの詩を書いたことで有名な、北原白秋の育った町が柳川だ。
記念館があることは知っていたが、一度も訪れたことがなかったので行ってみたが結果的には、良かった。
少し前に山口湯田にある中原中也記念館にも行ってきたが、この二人の詩人に共通点があることも
わかった。
私はこのような「偉人の記念館」に行くと、その作品はもちろんだが、その人物に興味が湧くことを再確認した。
私は自らを、「趣味は人間プロファイリング」と
言っているくらい、その人の背景にあるものを知る
ことで、このような作品をなぜ生み出すことができたのか、の片鱗を知ることができると、すごく面白いと思う性質だ。
中原中也記念館、金子みすゞ記念館、松本清張記念館でも同じく、その生い立ちや背景が詳しく書かれて
おり、それを読むだけでも泣けてくるのだけど、
北原白秋記念館ではあまり彼の生い立ちについては
詳しく書かれていなかったのが残念で、帰宅後、
北原白秋についてネットで色々と調べてみることで、少しわかった。
私が思った「中原中也と北原白秋の共通点」
①詩人
②学校を中退し、郷里を離れる
③実家が裕福(売れない時期を支えてくれる家族がいる)名家
④長男
⑤早くから文学の才能を発揮する
⑥女性にモテるまたは数回の結婚と離婚
⑦郷里に帰るまたは帰りたいと思う
⑧出身が田舎だけど観光地
やはり詩人というのは、経済的に豊かで、ある程度
自然に恵まれた田舎出身の人たちが多いのかな、
と感じた。
(今後もいろんな詩人の背景を調べてみたい)
北原白秋の特徴
「校歌の数が半端なく多い」
山田耕作との出会いが校歌につながったようだ。
もしかすると、あなたの出身校の校歌も北原白秋の作詞かもしれない。
大学でも、関西学院大学、東洋英和女学院大学、
駒澤大学なども北原白秋の校歌らしい。
校歌を依頼されると、現地に行き、風景を見て、歌詞を書いたらしい。
校歌を作る時代と、北原白秋の時代がマッチしたの
だろう。
うなぎ
柳川は有明海に面していることと、近くを流れる筑後川、矢部川の淡水が混じり合う河口付近で取れる天然うなぎが江戸時代から有名だったらしい。
中でも、調理の仕方が「せいろむし」という、竹製のせいろで蒸し上げて食べる、他にはないものだ。
ご飯にまでうなぎのタレが染み込んでいるので、
うな重とは全く違う味わいがある。それを、川の
ほとりで川下りを見ながらいただくのは、風流だ。
喫茶店
以前、高校で美術教師をしていたという店主がいた
喫茶店は、コーヒーが美味しかった。
昔ながらのアンテイークな雰囲気の喫茶店は、自家製コーヒーゼリーも美味しかったのだが、今回は定休日だった。(まだ営業はしているようで、安心した)
そのため、お隣の「紅茶専門店」に行ってみた。
私がオーダーしたのは、「ピーチルイボステイー」
とスコーン。
スコーンは5種類くらいから、ジャムなども好きな
ものを選べる。合わせて1,000円くらい。
お客さんは本当に少なくて、ゆったりした時間を
過ごせた。
川のほとりで、ぼーっとできるリラックスタイム。
車がある人は、車で行くと良いが、私は電車と
タクシーを使って行ってきた。
太宰府へ
帰りには、夕暮れの太宰府まで行き、梅ヶ枝餅を食べながら梅散策。
梅の香りに癒されて、天満宮には立ち寄らずに帰ってきた。
プチ旅効果
完全な現実逃避で、プチ旅に行ったのだけど、
そのおかげでやっぱり自分がやりたいことだけを
やっていこうと思った。
やりたいことというよりも、それをやらないと
いけない運命なんだろうな、というのを確認できた
感じだ。
これものんびりとした空気感の中で、自分と向き合う時間が取れたからだろう。
毎日同じ場所にいると、どうしても脳にも心にも
刺激がない。
違う場所に行き、違うものを見ることによって、
脳も心も刺激を受ける。
いつもとは違うアンテナが立つ。
それによって、たくさん書きたいことが出てきた。
作家の人たちが旅に出る理由が、少しわかった気がした。
日帰り旅でも十分。
「行きたい」という思いつきに従って、本当に
よかった。
やっぱり心に従う、は正解だ。