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幸せを求め眉間にしわよせる私たちと、静かに微笑む僧侶:本当の幸せとは?

僧侶はなぜ幸せなのか?

 私たちは日々、幸せを求めて生きています。「もっとお金があれば」「理想のパートナーがいれば」「出世すれば」──こうした願いを叶えることが幸福の鍵だと思いがちです。しかし、いざ手に入れてみると、それは一時的な満足に過ぎず、新たな欲望や不安が生まれてしまいます。
 一方で、僧侶は物質的な豊かさや社会的な成功を求めることなく、静かに微笑んでいます。なぜ彼らは幸せそうなのでしょうか? 私も子どもの頃、疑問に思っていました。その理由を紐解いていくと、私たちが本当に求めるべき「真の幸福」の本質が見えてきます。

1.  執着を手放すことで生まれる平穏
 私たちの苦しみの大部分は「執着」から生まれます。お金、地位、人間関係……「これがなければ不幸になる」と思い込むことで、不安が生まれ、競争が生じ、ストレスに悩まされます。
 しかし、僧侶は執着を手放すことを学びます。彼らは所有物を最小限にし、不要な欲望を抱かないことで、「足るを知る」境地に至ります。
 例えば、私たちは新しいスマートフォンを買うと一時的に喜びを感じますが、すぐに「もっと良いものがほしい」と思ってしまいます。しかし、僧侶は今あるものに満足し、物質的なものに幸せを求めません。そうすることで、欲望による苦しみから解放され、心の平穏を得ているのです。

2.  比較や競争を手放す
 現代社会では、私たちは常に「他人との比較」をしています。SNSでは他人の華やかな生活が目に入り、「自分はまだまだだ」と感じてしまいます。仕事でも競争があり、成績や評価に振り回されることが多いでしょう。
 しかし、僧侶は他者と比べることをやめ、「自分の心を整えること」に集中します。他人と競うのではなく、自分自身と向き合い、「どうすれば心穏やかに生きられるか」を探求します。この姿勢が、彼らの幸福の大きな要因なのです。

3.  「今、この瞬間」に生きる
 過去の後悔や未来の不安にとらわれることは、心の平穏を乱します。私たちは「将来どうなるのだろう」「もしあの時こうしていたら」と思い悩むことが多いですが、僧侶は「今、この瞬間」に集中することを大切にします。
 仏教では、「過去も未来も実体のない幻想であり、あるのは今だけ」と説かれています。瞑想や修行を通じて「今ここ」に意識を向けることで、不安から解放され、心が穏やかになるのです。

4.  他者を助けることで得られる幸福
 「与えたものが、自分に返ってくる」という言葉があります。僧侶は、利他の精神を大切にし、他者を助けることに喜びを見出します。
 一般的には、「感謝されること」や「見返りを得ること」が幸せにつながると考えがちですが、僧侶は「助けること自体が幸福である」と理解しています。例えば、困っている人を助けたとき、私たちは自然と心が温かくなるものです。それは、私たちの本質が「人と助け合うことで幸福を感じる存在」であるからです。
 

悟りとは何か?

 では、僧侶が目指す「悟り」とはどのような状態なのでしょうか?
 悟りとは、「すべての苦しみから解放された心の境地」です。それは、単なる知識や思考ではなく、「ありのままを受け入れ、心が完全に自由になった状態」を指します。

1.  執着を捨てる
 悟りに至った人は、物質、地位、人間関係などに執着しません。すべてのものは移り変わる(無常)という真理を理解し、それに対して執着しないことで、苦しみから解放されます。

2.  自己と世界の一体感
 悟りを開いた人は、自分と世界の区別を超え、すべてがつながっていると感じます。「私」と「あなた」という境界を超え、自然や宇宙と一体であるという感覚が生まれます。

3.  苦しみの根源を手放す
 私たちの苦しみは、「欲望」「怒り」「無知」から生まれます。これらを手放し、ありのままを受け入れることで、心の平穏が訪れます。

4.  無条件の幸福
 悟りの境地に達すると、「何かを得ること」によって幸福を感じるのではなく、「何もなくても満たされている」という感覚が生まれます。たとえば、道端の花を見ているだけで幸福を感じるような状態です。
 

真の幸福とは?

 僧侶の生き方や悟りの境地を知ると、私たちの「幸せ」の概念も変わってきます。多くの人は「成功」や「お金」を幸せの基準にするが、それらは一時的なもの。永遠に満たされることはない。逆に、執着を手放し、今を生き、他者と支え合うことで、誰でも心の平穏を得ることができるのです。
 では、私たちがこの境地に近づくにはどうすればよいのか? それには「自己理解」が不可欠です。
 私たちは、頭で考えるだけでなく、心や体、魂が無意識の世界で何を求めているのかを感じる必要があります。自己理解を深めることで、自分にとって本当に大切なものが見えてくる。欲望に振り回されず、自分が「これでいい」と思える生き方ができるようになるのです。
 

まとめ

 僧侶の幸せは「物質に頼らず、心の平穏を得ること」にある。悟りとは、執着を捨て、心の自由を手に入れた状態であり、これこそが究極の幸福と言えます。そして、その境地に近づくためには、自己理解を深めることが不可欠なのです。
 最終的に、真の幸福とは「心の自由」です。物質や地位ではなく、「ありのままの自分を受け入れ、今この瞬間に感謝できること」が、究極の幸せなのです。「執着を手放し、今を生きること」「比較をやめ、心の平穏を大切にすること」「他者を助けることが、自分の幸福につながること」です。
 もし私たちが、少しでも「僧侶の心」に近づくことができれば、人生の見え方は大きく変わるでしょう。
 

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