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スターアイランドから学ぶ新たな価値の作り方

先週末は未来型花火エンターテイメント、スターアイランドに初めて行ってきました。

これからも沢山の花火大会が開催されますが、有料席を除くと基本的にどの花火大会も無料で見ることができますよね。

「場所代」として、第三者にお金を支払うケースもあると思いますが。

無料で見ることのできる花火大会を有料で見る場合、参加者は基本的に優遇されたサービスを期待してお金を払うわけです。

一番わかりやすいのは「良い席で観覧できる権利を買う」ということでしょう。

一方、スターアイランドは全席有料で、近くのマンションに住んでいたり、企業に勤めていない限り、無料では全く見れないようになっています。

もし、これまで無料でも観覧できた花火大会が、

「これまで通りの運営をするには財源の確保が難しいので、今年は一人1,000円いただきます!」

と言ったら、結構な反発があるはずです。

ですが、スターアイランドのチケットは10,000円〜。それでも沢山の人が集まっています。

この違いは何なのか?

一般的な花火大会は「◯◯花火大会」という名の下で、企画・運営がされるケースがほとんどです。

この「◯◯花火大会」が仮に過去と同じ価値しか提供できなかった場合、有料イベントにすることは難しいでしょう。

要は今までと同じやり方なのに、無料→有料と変わる場合ですね。

なので、有料で開催することを考えた場合、運営側としては今までにはなかった何らかの価値を提供する必要があります。

また、これまでやってきたことを軸に考えてしまうと、例えば「追加で500発の花火を打ち上げてはどうか?」とか、「模擬店の数を増やしてはどうか?」など、今までよりも「量」を増やす方向で施策を考えがちです。

ですが、スターアイランドの場合はそもそも「花火大会」というコンセプトではなく、「花火を活用したエンターテインメントショー」という位置付け。

要はスターアイランドは一般的な花火大会とは似て非なるものであり、有料イベントとして人が集まるわけです。
※実際に15,000席が完売したとのこと。

実際にまず入場ゲートをくぐると、そこには日常とは違う世界が広がっています。

観客席の種類も豊富にあり、単に見える位置の違いだけではなく、一緒にバーベキューやコース料理を楽しめる席があったり、家族みんなで座ってみれる席があったり、芝生の好きなところに座る席があったり、パイプ椅子の席もあったり、とバリエーションは豊富です。

19時半〜始まったスターアイランドはショー+3Dサウンド+花火の融合。圧倒的な世界観とストーリーを持ったエンターテインメントショーは圧巻でした。

スターアイランドがここまでの成果を出すことができたのは、花火大会の延長で企画を考えたからではないと思っています。

確かに、花火は強力なコンテンツではありますが、ショーや3Dサウンドを組み合わせ、独自の世界観を作り込むことで、花火大会とは違った新しいイベントになったことが大きな要因なのではないかと。

私自身、ランニングやマラソンに携わる身ではありますが、どうしても既存のランニング、マラソンの世界の延長線上で企画を考えてしまうのは確かです。

現状の延長線上で、何か新しいものを考えようとすると、色んな要素を「付け足す」ことばかり考えてしまいます。

ですが、そうではなくて「新しいアイデアは既存のものの組み合わせ(掛け合わせ)」であり、まずは過去の取り組んできたことを一旦リセットする。

そして、様々な要素の中からいくつかを掛け合わせながら、新たな価値を提供していくことが大事だな!と改めて考えさせられた1日でした。

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浦中 宏典(Hironori Uranaka)
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