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探究者のための学校づくり前夜 #4

レゴ・シリアスプレイの認定を受けたのが2013年初頭で、その頃から教育環境設立へ向かう流れが生まれ始めます。最初の動きは、投資家であったビジネススクールの先輩が私の事業の支援を持ちかけてくれたことでした。事業性を確保するためのアイデアを一緒に考えながら、物件を探し歩くなど熱心に関わっていただきましたが、その頃の私はデザイン会社を立ち上げたばかりで、会社を離陸させるためにたくさんの案件を抱えており、エネルギーが回らず頓挫してしまいました。

数カ月後、今度はあるフリースクールからアフタースクールの立ち上げの引き合いがあり、場所があるなら教育内容に注力できると考え、しばらくそのスクールの経営陣とミーティングを重ねました。しかしこちらは、次第に思想・考え方の違いが明らかになり、断念することになります。

同じ頃、恩師の松永と東京コミュニティスクール前校長の市川力氏が友人であった縁で東京コミュニティスクールとつながり、何度かワークショップに参加していました。そこには、同志社初等部、玉川大学などのIB系で探究型教育に関心が高い先生方や、スタディサプリ開発者などが顔を揃え、面白い場になっていました。
ある回で、人づてに私の事業計画を聞いた教育系ベンチャー企業の役員の方に声をかけられました。探究型教育を取り入れたスクールを立ち上げるにあたり、中身を考えられる人を探しているようでした。一緒に食事をしたり、教育系のイベントに参加したりと行動を共にする中で、お互いに思想・考え方の大きなズレは無いことが確認でき、あとは事業性を確保できるアイデア立案と具体的なカリキュラムづくりを始める段階になっていました。

一方、デザイン会社の方は軌道に乗り、仕事もスタッフも増える拡大期に差し掛かっていましたが、今しかないと覚悟を決め、教育事業の立ち上げに取り組むことにしました。

半年でSTEAM教育事業、探究型教育事業、学童保育事業を立ち上げようという苛烈な状況の中、石原正雄氏や大学教授の方々に協力を仰ぎながらカリキュラム開発を行い、体験会や生徒募集を進め、2014年4月には粗いながらもSTEAMと探究学習のアフタースクールを始められるという状況にこぎつけました。

しかし、たくさんのカリキュラムを考え続ける中で、ある疑念が生じ、大きくなり始めていました。それは、「自分は子どものことを何も知らない」ということでした。(つづく)

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