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【いまさら】SCAJ2024で購入したコーヒー豆の備忘録その1
先月、コーヒー界の一大イベントSCAJ2024がありました。Noteでも#SCAJのタグで多数投稿されています。
御多分に洩れずミーハーな自分も半休をとってSCAJに行き、個人用器具を見たり幾つかコーヒー豆を買ったりしてきました。
最近ようやく、買って冷凍保存したそのコーヒー豆の消化が進んできたので、飲んだ感想を備忘のためにつらつら書きます。
今の所、全部ハズレ無し。
Bespoke Coffee Roasters / Super雲南
日本の著名バリスタの一人である畠山大輝さんが経営する、ブレンドコーヒー専門のコーヒーショップ。畠山さんは2019年ジャパンハンドドリップチャンピオンシップのウィナーですが、今年のSCAJ会期中に行われたジャパンブリューワーズカップ決勝でも見事優勝されています。
その畠山さんが店頭に立たれた際は激混みだったそうですが、私がお店に伺った際は不在だったため、並ぶことなく購入できました。
購入したのは、試飲できた中で一番華やかに感じたスーパー雲南という名称のスペシャルブレンド。
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雲南2種とケニアの合計3品種のブレンドコーヒーです。雲南と言えばインフューズドという刷り込みが自分にはありますが、説明カードを見る限り今回使用された豆は違う模様。実際に飲んでみるとやはりインフューズドにありがちな人工香料感は一切なく、自然なのに強烈な華やかさ。
フレーバーノートに書かれた順番の通りピーチ系フローラル香の比重が高く、軽い感覚でスイスイ飲めます。普段安価な豆しか飲まないので最先端のコーヒーとはこういうことかと勉強になりました。浅煎り好きでこのコーヒーが嫌いになる人はきっと居ない。
とても美味しかったので、ビスポークのコーヒーサブスク入ろうか悩む。
WAVY COFFEE ROASTERS / Mexico 2022 COE #21
池袋を拠点とするロースタリーカフェ。トップランナー的ショップとしては珍しく?生豆も販売されています。貿易商社を経由せず農園とダイレクトトレードするスペシャリティショップが増えていますが、このお店もその一つ。オーナーが生産地各国のCOEを取るような有力農園との深い関係性を築いているそうです。すごい……。
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頂いたのは同店のラインナップの中では比較的安価な、22年メキシコCOEを受賞した農園のコーヒー豆。
先ほどのスーパー雲南が軽やかなら、このコーヒーはコクが分厚くてパンチがあります。カカオ系のフレーバーが強い主張をしてそこにベリー系の風味・酸味が混ざっている感じ。お茶請けとか用意せずにこのコーヒーの濃厚さと向き合いながら飲むのが良さそう。
なお普段使ってるブリューレシオ1:15のレシピよりも、1:16〜17にレシオを上げて濃度が丁度良くなりました。最近のスペシャリティショップで淹れていただくコーヒーはブリューレシオを昔よりも上げているお店が増えている印象ですが、コーヒー豆の個性がこの豆のように強くなっているのが理由でしょうか。
TAP ROOT COFFEE / ガルガリグティティ23-24 SUPERNATURAL
コーヒービレッジではなくメインホールに出展されていたお店。個人向けオンラインショップもありますが、業務用の生豆/焙煎豆のインポーター&卸売りの方がずっと比重高そう。
試飲して即購入しようと思ったのですが、展示エリアでは生憎売り切れだったため帰宅後ネット注文しました。
今回のSCAJ現地で試飲した中で一番感動したコーヒーは、これです。
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インパクトを受けた理由は、「スーパーナチュラル」という精製プロセスで出来たコーヒーを飲むのがこれが初めてだったため。このプロセスを採用したコーヒー豆はもっと普及してほしい。
スーパーナチュラルは高地で気温も低く、ゆっくりと成熟した完熟のコーヒーチェリーのみを収穫し、複雑な発酵工程を経ながらゆっくりと乾燥させます。こうすることで、全体的な乾燥時間が長くなり、乾燥期間中にチェリーに含まれる潜在糖の自然発酵が進むため甘みやフレーバーが強調されます。
IQ 0.03の自分の理解では、通常のナチュラル精製に比べて、コーヒーチェリーの選別を厳格にし、かつ発酵・乾燥プロセスをより長期化したのがスーパーナチュラルのようです。
元々この手法はオーストラリアのproject originが開発したものだそうで、今回のコーヒー豆が本家の精製プロセスにどこまで準拠しているかは分かりませんが、過去に飲んだことのあるナチュラル精製のコーヒーとの違いは素人の自分にもはっきり分かりました。
コーヒーのフレーバーはSCAのフレーバーホイールに従ってフルーツに例えられることが多いですが、このコーヒーはフルーツの匂いがするというよりコーヒーとベストマッチのフルーツを一緒に口に含んで噛んでいる感覚がしました。
ガルガリグティティは生産者の名前で、原産地はお馴染みエチオピアのさらにお馴染みイルガチェフェ。フレーバーの傾向はベリー系、というか葡萄そのもの。自分が過去に買ったエチオピア豆は柑橘系寄りのものが多かったので、その点でも違いを楽しむことができました。
無理やり難癖をつければ、パック開封後の風味の劣化が妙に早く感じたことくらい。ただしこれも小分けに冷凍保存すれば対処はできそう。
スコーンと爽やかでジューシーな味わいのコーヒー。もう飲み切った後だけどまた飲みたい。
また、スペシャリティコーヒーで価格の話をするのは野暮ですが、このコーヒー比較的安いです(スペシャリティコーヒーとしては)。そもそも他の2店に比べてワンランク下の価格帯ですが、ネットショップではボリュームディスカウントがかなり激し目にかかるため、大量に購入すればお安く買うことができます。それでいて味は全く負けてない。
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正直、このショップのお名前や来歴を全く存じなかったので帰宅後にググったところ、経営母体の(株)アレフは、あの全国ハンバーグチェーン「びっくりドンキー」の運営会社で、全国のびっくりドンキーで提供されるコーヒーをこのショップが焙煎しているそうです。今回のコーヒー豆の価格が比較的お手頃な理由がここにありそう。
言われてみればびっくりドンキーのお店に行くと客層にニーズあるのか不明なシングルオリジンコーヒーがメニューにあったんだよな……。
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