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里山から自治を考える 12「入口は恐怖心で出口がスローガン」

2023年統一地方選・大阪府議会議員選挙に自民党から新人で出馬した、杉浦美香さんを特別ゲストにお迎えして、里山太郎さんとのトークも最終回の第4回となりました。

スローガン主義

維新が新自由主義的な立場から、「大阪の成長を止めるな」というスローガンで進んでいるわけです。里山さんからすれば、ずばり杉浦さんは、どんなスローガンを実現したらいいと思いますか。
でもこのネタは、あんまり他陣営には知られたくないですよね(笑い)。維新は、スローガンばかりで、中味は空洞化しているのを自分たちがよく知ってるから、似たようなものが来たら徹底的に嫌がると思うんですよ。きっと、嫌がってつぶしにくるかも。

政党を超えて拡散する可能性

今回のように地方選では、組織対組織になるので、自民党に投票したらこうなるっていうスローガンを、いかに魅力的に出すしかないです。それさえできれば、自民党を超えて、そのスローガンに票が集まります。
政党色を出したら(反対層は)ぶつかるから、「俺嫌いやねん」になるけど、政党を超えた向こうのスローガンが気に入るなら、そこに行くと思うんです。

スローガンには裏付けが必要

選挙はスローガンだと里山さんはおっしゃるんですけど、杉浦さんは納得してるんですか?
「自分がそういう選挙をしたいというのは別問題で…(笑い)。悲しいなって…。本来は、(有権者を動かすのは)政策であってほしいという思いはあるわけなんですが、ただそれでは、勝てないよと。そのためには、わかりやすいキーワードだったり、スローガンであったりが大切だというのもわかります」。
「そのスローガンは、本当に実現できるの?と。予算の話にも必ずなるじゃないですか。「所得倍増計画」みたいなキーワードは「ああ、2倍になるんだ」と、とてもわかりやすくていい。けれど、討論会では、ある程度きちっとした裏付けが言えない限りは、相対する政党からは、荒唐無稽、実現不可能と批判されますよね。スローガンだけでは、難しいんじゃないかと感じています」。

スローガンに必要なのは「恐怖心」

「スローガンだけでは難しいんですが、セットとして必要なのは、裏付けではなく「恐怖心」なんです。「大阪の成長を止めるな」にしても、「過去の大阪に戻ること=怖い」と大衆に勝手に思わせている。だから、選挙では「恐怖心」という入口をきちんと作らないといけないです。そして恐怖心の出口としてスローガンを作る。心理操作なんです。入口が恐怖心で出口がスローガン」。

宗教もそうじゃないですか。あなたすごい不幸ですよね。その原因はこんなところにあるんですよ。でも安心してください。この出会いが、新しいあなたになるんですよっていうのが、宗教の典型的な入信のさせかたですからね。

「杉浦さんのスローガンにしても、論理にしちゃうと、その実現性や裏付けの話に終止してしまい、ややこしい説明をくりかえさねばならなくなります。単に恐怖心と出口を作る。だから自民党に入れなさい。だから自民党に入れたらこうなりますよって、ワンワードあればいい。だから心理戦なんですよ、選挙は。論理じゃないわけです」。
という里山さんからのビッグワードで、この4回シリーズを締めくくりたいと思います。杉浦さん、里山さん、どうもありがとうございました。


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