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Field Notes 「ジャカルタDiary」#05 -比嘉さんのフィールドワークを体験~JAMU CAFÉ&パサール巡り~-
この記事は2018年に書かれたものです。ウェブサイトのリニューアルに伴い、noteに再掲載しています。
Day4_Feb.24_2018_Part.2
その後、目的地であるパサールへ。屋根付きで思ったよりもこじんまりしている。
イメージとしては日本のアメ横を凝縮した感じ。さまざまな商品が大量に売られている。
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やはり美しく並べられている
インドネシア料理でおなじみのおせんべいも、色んな種類のものが大量に袋詰めされて売られている。一体どのくらいあったら食べきれるのか、誰が買っていくのか、謎は深まるばかり…。
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どういう基準で選べばよいのやら
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それにしても袋がでかい…
奥の方に進むと、またしても大量のニンニク。量り売りもしているのか、ひとかけら単位でも売っていた。その他野菜も大量。インドネシアに来てからはさほど野菜を食べていない。いったいこれはいつどのような形で消費されるのか??
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奥にはひとかけら単位でも置いてある
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さらに進むと、大量の調味料を売っているお店がある。お兄さんが重さを測りながら、手際良く小袋に詰めて店先に吊るしていた。「なるほど!あんな風にお店で量って小分けにするんですね!」「でも、あれは一回分の消費単位なんでしょうか??使いきり?」。またしても疑問が増える。
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吊り下げる瞬間初めて見た!
鮮魚やお肉コーナーはどうやら到着時刻が遅かったようで店じまい。入口近くには梱包材のお店も。屋台などでは大活躍しそうだ。
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露店などで使うのだろうか?
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くるりと一周してパサールを後にした。
ホテルに戻って遅めの昼食を食べた後、比嘉さんのフィールドワークのラップアップワークショップを実施。一日の行動を横軸に並べつつ、比嘉さんのフィールドワークを“観察・体験”してみて思ったこと、疑問点などをポストイットに書き出し貼り出していく。
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気になる点が多かった!
普段は一人でフィールドワークをされる比嘉さん。数週間の滞在の間に自分の中に沢山のインプットを蓄積し、分析の過程で出てきた疑問は再度現地に行ったりして補完していくという。今回は短い滞在&チームでの動きということもあり、かなりイレギュラーな環境だったと思う。例えば、チームで行うと当たり前だが「共有」が発生する。そこにはコミュニケーションが介在するため、どうしても「解釈するプロセス」が入り込んでしまう。
いつもなら疑問をため込んでいくことで理解をしていくということなので、大きな差だ。
また、ビジネスではどうしても効率重視で、知りたいこと、疑問点を中心に物事を見がちだが、比嘉さんとしては「場面に出会う」スタンスで行いたいとのこと。疑問が次の疑問につながり、関係性の中で徐々にそれらが明らかになっていくそうだ。当然我々とは、関係性の作り方も全く異なる。そもそも一回で終わることを想定していないので、焦らず相手の出方を見ながら関係性を築いていく。知らないことはゆくゆく分かっていけば良い。これはなかなか禁欲的で、知りたがり・答えを早急に求めがちなせっかちな自分には驚異的に感じた。
今回のフィールドワークで印象的だったのは、JAMU CAFÉのカウンターでじっと座っていた姿や、大量のニンニクをさばくお店をじっとのぞいていた姿。私だったら、「何してるんですか?」「それは何ですか?」と声をかけたくなるところだが、比嘉さんは違う。比嘉さんの基本姿勢は“待つ”ということらしい。自分から質問をぶつけてしまうと、自分の疑問を埋めてもらうという“主客”が生まれてしまう。だから、相手を知ろうとするには、相手にターン(コミュニケーションの始まり)をとらせた方が、相手の言いたいことが聞けるというのだ。たしかに、こちらが質問を発した時点で、相手はこちらの質問には答えてくれるかもしれないが、それ以外のことは答える必要はないと判断してしまうかもしれない。この、相手にターンをとらせるというスタンスも、答えが必要となるビジネスの調査ではなかなか実行が難しいと感じた。
また、私の純粋な疑問は、比嘉さんのこのようなスタイルはどのようにして確立されたかということ。比嘉さんの著書にもあるが、トンガでは質問に対して明確な回答が出てくるとは限らないらしい。日本のように“インタビュー”という概念を必ずしも共通理解としてみんなが持っているわけではないからだ。「人にテーマをもって話を聴く/答える」というコミュニケーションは思いの外難しかったようだ。また、比嘉さんの属性(女性であること、日本人であることやその年齢)は、フィールドワークに大きく影響するらしい。同じようにフィールドワークをしても、例えば男性だったりチームで訪れたりすると、滞在する家が用意されたりすることもあるようだが、比嘉さんの場合は「うちに来なさい」「女の子一人放っておけない」ということになる。すると必然的に現地の人と同じリズムで生活し、同じものを食べることになる。そんな経験の中から生まれた比嘉さんスタイル。簡単には真似できないが、学ぶべきところは非常に多かった。
さらに、比嘉さんは歴史の授業で学ぶような“大文字”の文化ではなく、日常ありふれたこと、おじさんが揚げ物を揚げることの集積のような文化を面白いと感じている。そして、その面白いと思うことを言語化したり、意識化したりして伝えていきたいそうだ。当たり前すぎることを切り取るという行為自体、とても興味深い。またその際も、自身はメディアでしかない。発信主体ではなく、あくまで媒体役とおっしゃっていたのが印象的だった。日常的なことを切り取るためには、現地の人と同じ時間を同じように過ごし、共有をしていくというアプローチの仕方はしっくりくる。比嘉さんの行動の端々にその考え方がしっかり根付いているように感じた。
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ラップアップ後は、ブロックMへ。建物の周りをずらりと屋台が囲んでいる。屋台のすぐそばには、道に敷物が敷いてあり、沢山の机が並ぶ。
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屋台の料理をここで食べるようだ
みんな屋台で食べ物を買ってそこでおしゃべりをして夜を過ごすらしい。どの屋台も沢山のメニューが並ぶが、正直代わり映えはしない。沢山のお店からどのようにチョイスするのだろう?
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でも、どんな料理かは正直見分けがつかなかった
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でも隣りのお店と同じものな気が…
インドネシア料理で胃が疲れてきたため、この日は和食のお店へ。おそばを食べてほっと一息、翌日に備えホテルに戻る。
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大石瑶子
代表補佐/共感リサーチャー(UCI Lab.合同会社)
チーム内では「共感する人」として主に定性調査やワークショップを担当
■全米・日本NLP協会認定マスタープラクティショナー、LABプロファイルプラクティショナー、ワークショップデザイナー、リフレクションカードファシリテーター