最高でした!
この三連休はやたら予定があると薄々感じてはいた。しかし案ずるより産むがやすしというわけで、その時を待った。できる限りの準備を前倒ししながらも突発的な色々が増えていくのはいつものことだ。
フネの仕事のより上級編を目指し勉強中の祐樹さんが蟻鱒鳶ルに来ることになった。同じタイミングにミキちゃんと日曜のリハをすることになった。金曜の夜だ。当然のことながら宴会が始まるのだった。
父の介護食、の発想を前向きにとらえ直すために命名した「うちうごはん(宇宙御飯)」の納品、つまり一週間分の食事を実家冷蔵庫に詰め込む当番もよりによってこの週末だった。土曜午前の決まり(決まりはないが、妹との調整、父の煙草補充のタイミング、ヘルパーさんや医療チームとバッティングしないタイミングなどにより暗黙の了解ができつつある)だが、前倒しして木曜夕方に。
煙草はひと箱サービスして、残る一週間分は日曜朝にヘルパーさんに出してもらうようテーブルに準備。ヘルパーさんは食事介助はできるけれど、厳密にいうと「嗜好品」の提供には関与できない。ゆで卵を作って出すことはできるが、酒や煙草を準備することはできない。ただし、こちらのテーブルからあちらのテーブルへ、距離にして3メートルもない、数も家族がそろえてビニール袋に入れて、それを父の手元に渡すだけ、なら辛うじてしてもらえる。郵便物や新聞を渡すような感覚なのかな。また珈琲はお湯をわかしドリップして淹れて出してもらえる。珈琲は嗜好品でもあるが、父の場合には珈琲の利尿作用が医療的に?認められて、サーバーいっぱいの珈琲を毎朝いれていただいている。
というわけで父のごはんづくりをするため、木曜の在宅ワーク後に大井町へ出かけた。スーパーで大きなつぶ貝が目に入り、しかも値下げしていたので蟻鱒鳶ルのみんなの分もと3パック仕入れた。週末の忙しさを思いつつも、買ってしまったつぶ貝はなんとかしなければならない。ごはんを炊いて小分けして冷凍、つぶ貝を塩ゆでし、その出汁も使って味噌汁を作り、それも冷凍。つぶ貝はさらに味噌汁につかった昆布と醤油で煮込む。やっぱり安かった魚を焼いてそれは冷蔵。トカトカトカ、冷蔵庫と冷凍庫をいっぱいにして少し父と話す。ちょうどノーベル文学賞をハン・ガンさんが受賞したのでその話をする。アジア人のノーベル文学賞の一人目は111年前、インドを代表する詩人タゴールだった。アジア人女性一人目の受賞者がハン・ガンというわけだ。めでたい。
土曜は10時半から大倉山で最近通いはじめたタゴールソングのグループレッスン。午後は教室の皆さんとタゴール舞踊鑑賞。寝不足でタゴール鑑賞はなかなか厳しいものがあったけれど、歌もダンスも良き時間であった。高校生の時に図書室でタゴールの詩と出会い、私は好きだなあ、という気持ちを温めながらこの30年ほどを過ごしてきたわけだけれど、先生はやはり高校生の時にタゴールに目覚め、即インドへ渡航、そのままインドで7年歌の修行をしたという。すごい。人生の分かれ目という気持ちもするが、帰国されてレッスンをしてくださる、めぐり会えたことを素直に喜ぼう。
夜は新宿でティポンシュのリハーサル。本来は日曜だが、なかなか参加できないため、無理を言って土曜にも開催していただいた。普段より一時間短く、人数も少ない練習、密度濃く、集中してとてもありがたいひととき。ティポンシュは年末にかけて、宮崎、埼玉、そして東京と今のところ5つの本番が決まっている。どれも個性的な場所であり企画であるので楽しみ。
日曜はお昼から千葉のkamebooksにて、馬野ミキ&kamebooks企画のオープンマイクと詩と音楽のライブ3本立て+夜は野宿会も開催というなんだか盛沢山な一日が待ち受けていた。念のためスーツケースに寝袋と防寒対策の上着等を詰めるものの、月曜祝日はマヘルの本番が待ち受けている。野宿するかどうかまでは決めかねていた。
kamebooksのご夫妻とは311直後に、地域で支え合うことについて考えたあるファミリーの家で開かれたホームパーティーで知り合った。大きなお屋敷だったが次々に人が増えるので、自主的にキッチンをお借りして料理する人が数人、私もその輪に加わってあり合わせの炒め物などを作っていた。そんな集い以来だから、カレコレ13年の付き合い。ひょんなところで偶然会うことが何度かあり、私の関連イベントにも足を運んでくれる。いつも二人そろって。
屋上ではじまった小さな本屋はしばらく前から営業終了の噂を本人たちから聞いていた。それで今年3月には広島のクラリネット奏者瀬戸さん率いる「ゆりかごから墓場までトリオ」と共に閉店コンサートも開催したが、やはりもう少しこの場を維持するという話になって半年、のあいだに馬野さんをkameさんに紹介という場面があり、今回の企画が決まった。でも結論からいうと悩んだ末にやはりこの場所はクローズするという。といっても、並行して始まっていた「ほんとひとやすみ甲羅文庫」(市川駅徒歩5分)に主軸を移すことになったということなのでさみしくはない。いや、私は屋上本屋さんが気に入っていたからさみしい。正直いって残念だ。かといって定期的に場の維持にボランティアにも行けなければ、維持費を肩代わりすることもできないのだから何も言えないけれど。
雨が降ったら中止。天気はいつも心配するが、結局私が関わった屋上イベントは全部晴れた。一度だけ台風の迫る、絶対雨予報の日があったけれど、その日も結局台風はだいぶ遅れて、雨の降り出したのは夕方だった。むしろ天気が良すぎて、人生で一番暑い思いをしたライブだった。で、この日も快晴。私が到着したときはシゲさんしかいなかった。一緒にお昼を食べた。私はコンビニおにぎりだし、kameのふたりはマック。開始時刻になっても共演者がぼちぼち現れるのみ。でもまたそのゆるさがkamebooksらしかった。
ジュテーム北村さんのライブは去年のペペさん最後の無善寺以来。ご本人いわく、オープンマイクが好きでオープンマイクを中心に長らく活動してこられたが、最近はそれもめっきりやめていて、人前で詩を読む予定は当分ないとのこと。事前のミキちゃんの話では詩で30分はもたないので、その半分か20分くらいになるだろうとのことだったが、30分を少し超えての熱演だった。途中右翼の街宣が聞こえたのも含め、すべてが絶妙だった。動画撮影したため写真なし。※本編動画は記録用で非公開※
結局夜遅くまで滞在はしたものの、終電で帰ることにした。夜から来た人たちにもヒロシくんが歌ってくれたしモリマサさん、白犬さんが詩を朗読してくれたのでLIVEを味わってもらうこともできた。11月のイベントに向けて会議もした。長丁場と睡眠不足で疲れもあったし、昼の太陽で妙に精神が昂っていたせいで、会議はちょっと場に不似合いな形になってしまったけれども、必要な話し合いだったような気もする。すこしバラけてしまった場が、朗読と音楽によってひとつになる感覚を味わえた。話し合うことってとても大事だけど言葉はいつも難しい。何度も何度も吟味された言葉で紡がれた詩や何層にも音が重なる音楽が人間には必要なんだと思えた。帰宅してクールダウンして、11月の企画に向けてのアイディアが浮かんだ。きっと良いイベントになるはず。
連休最後の月曜日、この日は愛媛から冬里さんが東京に来る。夜に吉祥寺のOn Going Art Center Ongoing で工藤冬里ソロライブの予定があった(On Going Fesの初日を飾るライブ)ところへ、ブリュッセルからオリジナル版画紙芝居を引っ提げて、コロナ前年のヨーロッパツアーで出会ったエリックことEric Iknny が日本ツアー『Happy Fuji News』ツアーを敢行するというので、On Going小川さん、トクイさん、原田淳子さん、ひかりのうまマルタさん他みなさんの尽力により、昼にヒカリノウマヘル開催の運びとなったというもの。
眠れるだけ眠って飛び起きて大久保へ。
ベルギーからやってきたエリックの紙芝居Happy Fuji News
マヘルシャラルハシュバズ with 谷口マルタ正明
ひかりのうまで、マルタさんのお隣で、コルネット吹いた!初めて!!
栃木からは朝さん、それこそエリックと同じで一緒に演奏するのはブリュッセル以来。コロナ初期に会いに行ったものの、東京からの来客はマズイと本屋に猫たちと一緒に泊めてはもらえたが、朝さんと遊ぶこともできず。
ひかりのうまにあふれるお客さん。300枚をめくりまくるエリックのパフォーマンス。夢のようなライブであった。夜は冬里さんのソロライブ。吉祥寺On Going カフェのラムジンジャーのお陰でますます夢心地、寝転がる大木さんにつられて私も座席でないところで寛がせていただいた。
蟻鱒鳶ル~大倉山記念館~新宿一丁目~本八幡屋上本屋~大久保~吉祥寺
関東も広い!!金曜から月曜、都内に暮らしながらもツアーでした。
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