スライドドアのメリット・デメリット
【はじめに】
最近はスライドドアの車が増えました。
スライドドアを選びたい気持ちも分かりますが、冷静にメリット・デメリットを並べて見てみましょう。
【メリット】
〈駐車スペース〉
ドアを開けるぶんの駐車スペースを確保しなくても良くなるので狭くてもある程度大丈夫です。
〈隣の車にドアをぶつけにくい〉
特に幼い子供を持つ家庭に重宝されます。
お子さんが周りの車にドアパンチをしたら大変です。
〈開口部が広いので乗り降りしやすい〉
解放部の真横の空間が空いているので身体を捻らずに乗り降りできます。
これは荷物の積み下ろしにも言えます。
赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるのも楽です。
〈電動で開け閉め出来る〉
ヒンジドアは横のスペースにぶつけやすい関係で自動で開く機能を装備していません。
(タクシーは自動に見えて運転者による手動です)
スライドドアはぶつける心配が少ないので、電動化がしやすいです。
最近は電動スライドドアの車が増えました。
荷物を持っていてドアノブを操作するだけで全閉・全開に出来ます。
車外や運転席からのリモコン操作も可能です。
ノブを引く事なくつま先を車体の下に入れるだけで開く車もあります。
〈風で勝手に開いたりしない〉
ヒンジドアは風で煽られてドアが開いてしまうことがあります。
スライドドアの場合、風で開いてしまうことはありません。
【デメリット】
〈後ろの車から見えにくい〉
後ろから見てドアが開いていることに気がつきにくいです。
子供が1人で車道側に降りる際には気をつけさせてください。
子供はジャンプして飛び降りたがるので、下手したら飛び出して轢かれてしまいます。
〈重量増〉
レールがあるのでそのぶん重くなります。
車体が重いことは車にとってはデメリットが大きいです。
燃費が悪くなったり、エンジンのパワーも弱く感じます。
〈操作も重い〉
ドアの開け閉めもヒンジドアより重いです。
ドアが重く、何本かのレールを伝って開け閉めするため操作そのものが重いです。
(なので電動化のメリットが大きいです)
〈窓があまり開かない〉
車によりますが窓の下がる量が少ないです。
レールがある関係で、窓の昇降機構と干渉しやすいのでいっぱいまで下がらない車が多いです。
〈デザインをスポイルする〉
車体の外にレールが見えています。
レールを気にしてデザインされた車も多いですが、レールをデザインにうまく溶け込ますことが出来ていない車もあります。
〈床が高い〉
サイドシルよりも上にレールが配置される関係上、床が高く設置されています。
床が高いということはそのぶん室内が上下方向に狭くなるということです。
また、重心も高くなります。
〈ドアがヘタリやすい〉
オートクロージャー付きでは無い場合、勢いを付けて閉めるので、ドアがヘタリやすくなります。
最近の車はオートクロージャーが付いているのが当たり前ですが、昔の車だとレールの前端を中心にヘタっているのをよく見ます。
オートクロージャーは便利ですが挟まれて痛い思いをすることもあります。
(スライドドアでもヒンジドアでも)
〈勝手にドアが動くことがある〉
坂に停めてドアの開け閉めをしようとした際、重かったり自重で勝手に動いたりします。
完全に閉じたり開いたりしている状態ではロックがかかっているので問題はないですが。
〈電動スライドドアが開閉を諦める〉
電動だとエンジンの始動とタイミングが合うと電力が足らずに途中でドアが開閉を諦めることがあります。
〈電動スライドドアのトラブル〉
電動ドアが動かなくなるトラブルが意外と多いです。
【あとがき】
スライドドアの車をディーラーで見て、その利便性に購入したいと思うかもしれませんが、早計は禁物です。
実際に生活を共にしてはじめて見えて来る部分があります。
ここに書いてある事くらいは、頭に入れておいた方が良いでしょう。