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統率力よりも牽引力。勇者系ディレクターの冒険記

こんにちは!SmartHRでサービスディレクションユニットに所属しているuchiko(@uchiko(K))です。2024年の春に入社してあっという間に半年とちょっとが過ぎました。

はじめに

私はWEBディレクターという職業柄、過去も現在もフィクサー寄り(かっこよく言ってみただけです)のお仕事をすることが多く、自身の仕事について社外に発信するのは今回が初めてです。というのも「当たり前のことを当たり前にやる」「目の前の課題をなんとかする」をただただ一生懸命やってきたキャリアで、特別何かがすごく優れているとか一人でなんでもできちゃうようなタイプではないんですよね。唯一誇れることといえば、人よりもちょっとだけ運が良いこと(笑)くらい...。

そんな私が今回【SmartHR コミュニケーションデザイン Advent Calendar 2024】に参加してみようと思ったきっかけは、もしかしたら私が当たり前だと思っていることは、世間一般的には当たり前ではないのかもしれないと思ったからでした。

自分が「普通」だと思ってることは案外「その人らしさ」だったりするのよ自分にとっての「普通」はみんなにとっても「普通」だと思っちゃうから一人でソレに気づけないのよ  

ブルーピリオド / 山口つばさ著

私にとっての当たり前が果たしてどうなのか、検証もかねてここ半年間で取り組んだことを簡単に紹介できたらと思います。興味が湧いた方は是非読んでいただけたら嬉しいです。

冒険のはじまりは、マサラタウンだった

突然何の話?と思うかもしれませんが、はい、そのままの意味です(笑)SmartHRでのオファー時に面接を担当してくださった方から素敵なオファーレターをいただいたのですが、入社前の私宛にいただいた期待する役割は以下のようなものでした。

〜期待する役割〜
サービス体験によるプロダクト価値の最大化
プロダクトリリースにまつわる各種マーケティングの施策立案・ディレクション・全体設計

-心の声-…抽象度高いけど自分大丈夫そう?これから飛び込む世界は、コミュニケーションデザインのスペシャリスト集団の集まりだぞ...(最後は祈り)

こんな期待と不安を抱えながら入社を無事終え、数日経過したある日気づいたんです。

そうだった…私は知っている…。
カオスとはこういうものだ...懐かしいカオスだ。
スペシャリストが自律駆動で作り上げる世界だ。
(良い意味)

私の目の前に広がる世界は、まさに冒険のはじまりの街・マサラタウンでした。

期待されたポジションには、先駆者は当たり前にいないですし、誰かが1から全部教えてくれるわけではないんですよね。真っ新な世界で私に求められている役割は、自分なりに情報収集をして、考えられる打ち手を考え、多くの人を巻き込みながら、自分の信じる最善のアウトプットを出し、価値の最大化を実現すること。たしかに難易度は高いんですが、裁量がここまであるのはラッキーだなと失敗もたくさんしていこうと良い意味で楽観的にはじめられたのが入社してはじめによかったと感じたことでもありました。

モンスターボールを握りしめて、仲間探しの旅

入社からこれまでに取り組んだことは、全てうまくいったわけでは勿論ありません。周りのメンバーに助けていただきなんとかリリースできたものがほとんどです。

2024年の取り組み(一部)
ブランディング統括本部のメンバー50人との1on1
プロダクトマスターキャッチコピー(セールスコピー)制作PJ
サービスディレクションユニット向けのオンボーディング資料作成
人事労務マイスター検定サービスのロードマップ策定、その他諸々
プロダクトリリースフロー改善PJ                                               etc…

入社1ヶ月目。
私が入社してまずはじめにやったことは、所属しているブランディング統括本部のメンバー50人(これでも一部)との1on1です。狂気的ですか?ありがとうございます。
※50人はおおよその人数です。

なぜ50人との1on1をしたのか?
自分がどういった役割で入社をし、何ができるのかを開示するため
一緒にお仕事をする仲間の、人となりを知り上手にコミュニケーションを取るため
業務を理解するため(どんな部門・ユニットがあり、どういった業務をしているのか)
サービス体験によるプロダクト価値の最大化、プロダクトリリース関連の白地探し

これは、転職や部署異動、新しいPJ参画タイミングにおすすめのTipsです。
少しの勇気や覚悟で得られるメリットがとても大きいんですよね。マサラタウンスタートの私にはまず自分のパーティに入ってもらう仲間を探す必要がありました。カスミもタケシも必要です。そのために1on1の設計をしたうえでやってみようと決めた最初の取り組みは、業務理解も進みとても価値があるものでした。ちなみに50人はさすがに大変だったのでここまではおすすめしません(笑)

1on1を通して自分なりにまとめていた体制図の一部
1on1を通して自分なりにまとめていた体制図の一部

入社2ヶ月目。
プロダクトリリースの現状観測をはじめ、まず今の自分にできそうなことからちいさくはじめてみようとボール拾いからはじめました。

なぜボール拾いからはじめたのか
各部門/ユニット間の関係性や役割、具体的な業務内容を把握するため
何に重きをおいて、日々の業務に取り組んでいるかを掴むため
現状できていること、できていないこと、すべきことの要件整理のため

みなさん知っていますか?ボール拾いって案外難しいんですよ。とにかくできていないこととすべきことを見極めて、情報量が圧倒的に足りない中で落ちそうなボールを拾いにいくわけです。

このボール拾い期間に無意識にやっていたのですが、私が仕事をするうえで常に意識していることのひとつが「行間を読むこと」です。

「行間わかる?好きな人には好きって言わずに会いたいって言うでしょ?会いたい人には会いたいって言わずにごはん行きません?って言うでしょ?別府君、好きだっていう代わりに、チケット1枚余ってるんだって言ったことない?」    

-ドラマ『カルテット』 / 坂元裕二脚本-

これです、行間案件。文章には直接表現されていない相手の感情や真意が込められていて、情報量が圧倒的に少ない場面ではより行間を読むことが大切だと思っています。
※敢えて行間を読まないこともあります。

この期間は、行間を読みながらひたすらにこの2つを意識して取り組んでいました。
①部門・ユニット間のコミュニケーションを円滑にするための情報共有役
②責務が曖昧で浮いているタスクを優先的に拾って自分でやってみる

ほんの少しだけですが、いろんな方から「ありがとう」がいただけるようになりました。

入社3ヶ月目。
プロダクトマスターキャッチコピー(セールスコピー)を統一するPJを立ち上げました。

なぜPJ化したのか
PJ発足の経緯は、2ヶ月目に取り組んでいたボール拾いからで、徐々に点が線になっていくと言葉の表現が気になってきたんです。入社して数ヶ月だからこそみえるものって何よりも価値があると思っていて、今振り返ると解像度低かったな(笑)と感じることはありますが、気になった点をマネージャー・ダイレクターに伝えたことでPJ化に繋がりました。

プロダクト別での各タッチポイントを洗い出して傾向を模索していたもの
プロダクト別での各タッチポイントを洗い出して傾向を模索していたもの


入社歴が浅い段階でPJを0からはじめるハードルって高いですよね。その中で私が当時何を意識してたかというと「本当の0からは始めない」ということです。過去事例やキーマンを特定して、自身のPJ用に進化させられるか・応用できるかで考えていました。

正直なところ、マスターキャッチコピー(セールスコピー)の制作は、過去一度も経験はありません。課題は感じているものの、どうしたら形にできるのかを考える日々でした。
幸運なことに過去事例をコミュニケーションOpsユニットのmzk1496さんが作ってくださっていたこともあり、「本当の0からははじめない」が実現できたことでこのPJは走り出せたと思っています。
※mzk1496さんのnote記事もよかったらこちらを読んでみてください。

プロダクトの事業責任者、PMM、Sales、マーケティングストラテジーユニット、コンテンツマーケユニット、そして私が所属するサービスディレクションユニットと横断し協力しながら制作を進められたことが一番の価値ポイントです。改善点は正直なところたくさんあります!なので次回はもっと上手くやりたい。具体的なお話はまたの機会に。

マスターキャッチコピーの最終まとめの一部
マスターキャッチコピーの最終まとめの一部


入社4か月目。
ブランディング統括本部内のプロダクトリリースフロー改善PJを、遂にはじめました。

なぜはじめたのか
限られた工数でサービス・プロダクト価値の最大化実現に向けて、非効率なことをできる限り削減し、いますべきことに全力で立ち向かえる土台作りをするためです。

スペシャリスト集団がゆえにコミュニケーションで乗り越えてきた現状がありました。全体のメンバーが増える中、自律駆動がベースで成り立つコミュニケーションにはいずれ限界がきます。最低限のルールやフローを統一すること、それに伴う各自の潜在意識を変えることが必要なタイミングが来たのだと思っています。

そんな中、私は最初1人でどうにかしようと模索していました。ブランディング統括本部は100人超えの大所帯。一筋縄ではいかないわけです。どうにかしたいな、誰か一緒にやってくれないかなとぼやいていたら、あれよあれよと各ユニットから10人以上のメンバーが集まりました。宣言駆動ではないですが、言葉にすることってやはり大切なことですね。

メンバーが集まってからは、各ユニットにヒアリングをし課題収集・特定からはじめました。この課題収集や特定についても、まだまだ解像度が低い私をいろんなメンバーが助けてくださり、結果今まで見えそうで見えなかった課題の輪郭が徐々にみえるようになりました。そうです、ようやく仲間ができました(笑)

課題収集時のまとめ
課題整理のまとめ

まとめをさらっとみていただくとわかるように想像していたよりもありました(笑)すべてを一度に改善できるのがベストではあるんですが、現実問題難しいですし、振り返り観点でも結果的にどこが一番効果があったのかを見極めることも難しくなります。

考えた結果、一番課題が大きかった情報収集と企画立案フェーズを重点的にやることに決めました。どうすれば解決できるのだろうかを制約条件を考慮しながら考える日々、刻々と迫る2024年のタイムリミット...。制約条件がある中で自分がいまできる最大のもの...。すでに3ヶ月が経過していました。(これでも早いのかもしれないですが)

ブランディング統括本部向けのプロダクトポータルを爆誕させました。
制約がある中でのツール選定に悩んだのですが、今回はGoogleサイトを活用しています。

ブランディング統括本部向けのプロダクトポータル

コスト」「機能と性能」「汎用性」「セキュリティ」「スケーラビリティ」の観点でツール検討をし、まずは情報収集での効果を図るためにこの形にしました。制約を除外すればもっと良いポータルページはできますが、いまはまだその段階ではありません。

この取り組みでは、“まずやってみる人がカッコイイ” SmartHRの行動指針の一つは体現できたのではないかなと思っています。そしてサービスディレクションユニットのメンバーが制作を手伝ってくれたからこその今です。ほんとにみんなありがとう〜。

さいごに

私がタイトルに勇者系ディレクターと書いたのは、ディレクターってどちらかというと戦士ではなく勇者なのかもしれないと思うためです。

勇者って戦士に比べたら、個人能力では勝てないことが多いですよね。でも、勇者には人を惹きつける魅力や何よりも覚悟があって、統率力よりも牽引力があります。私はそんな勇者系ディレクターになりたいなと思っています。

長文となりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
初めて書くnoteは難しかった(笑)なんらかの参考になれば嬉しいです。

※これは、SmartHR コミュニケーションデザイン Advent Calendar 2024の12/20(金)の記事です。ぜひこちらも読んでみてください!


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