トラムの走る街で
1.トラムの似合う街、チューリッヒ
見出しの写真は、チューリッヒのリマト川にかかるクヴァイ橋を渡るトラムです。聳え立つ青緑色の屋根はフラウミュンスター(聖母聖堂)で、右の塔は聖ペーター教会です。トラムの白と青の車体は街の風景にしっかり溶け込んでいますね。
トラムが似合う街がヨーロッパには多いですね。日本でも高度経済成長期以前は多くの都市で路面電車、チンチン電車、東京なら都電、市電などと呼ばれるものが走っていました。
1975年、私が京都へ修学旅行に行った時に、自由外出で京都の市電に初めて乗って、その便利さに心を動かされました。その後学生時代はよく都電を利用する機会があリました。自分の住む街にも市電があればと思いましたが、すでに廃止されていました。
初めての街を旅をするときに、路面電車で1路線でも往復すると、その街の雰囲気が把握できて、地元の人の様子もわかるし、環境の面でも路面電車はいいなと思っています。
横浜や京都など路線1つだけでも残しておけばよかったのにと、勝手に思ったりします。
宇都宮LRTが開業して半年になるそうですが、ずっと市民の足として維持発展していくといいと願っています。行政も民間も市民もさまざまな形で支援していくことが大切だと思います。
2.チェコのプラハ
もう一つ、トラムの車体と街並みがピッタリと調和しているのが、チェコの首都プラハです。
いつからこの赤とアイボリーホワイトの車体色が使われているか、わかりませんが最初にこの色を決定した当時の関係者は、当然チェコの街の雰囲気と調和するように選んだのでしょう。そのセンスに敬服します。
古いタトラカーという車両が、東欧諸国の一員だったという歴史を今に伝えています。この少しのレトロ感を私はとても気に入っています。
3.オーストリア グムンデンのトラム
最後に、路面電車が発展した例を挙げます.
この少しレトロな電車は、オーストリアのグムンデンを走るトラムです。これは私が2005年8月に訪れた時に撮影したものです。
グムンデンは、オーストリア北西部のザルツカンマーグートの入口にあたり、トラウン(Traunsee)湖畔の陶器で有名な小さな街です。
2005年当時、このグムンデン路面軌道は、オーストリア連邦鉄道ÖBBのグムンデン駅とフランツ・ヨーゼフ・プラッツ (Franz-Josef-Platz)広場を終点にした、わずか2.3kmの区間を細々と往復する、自称世界最小の路面軌道でした。こんな可愛いドラムはそのうち廃止になるのかなと心配していました。
実際、1989年頃にはバスへの転換案も検討されたそうですが、一般市民の人々が、熱心に存続を求めて運動を盛り上げていった結果、行政・議会を動かし、2003年にはさらに延伸する立派な計画案が可決された。現在はトラウンゼー鉄道 Traunseebahnと線路がつながり、街の東西を19kmで結ぶ立派なトラムに変身したのです。
路線廃止を心配してしまったと書きましたが、これは日本人的な発想だったかもしれません。日本の国鉄時代のローカル線が数多く廃線になり、バス輸送に転換したりあるいは、跡形もなく消えてしまったりといった例がたくさんありました。
地域の人口減少、過疎化の影響で致し方ない地域もあったとは思いますが、存続する努力や鉄道を起点にさらに地域を再活性化させようと、声をあげたり運動を展開することは、地域住民として大切なことだと思います。
グムンデンのグムンデンのトラムについてものすごく詳しくレポートされていますので、下を参考にしてください。
https://homipage.cocolog-nifty.com/map/2019/06/post-3d9a65.html
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