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おしゃれな看板、あれこれ
見出しの写真は、フランス・アルザス地方の「フランスで最も美しい村」と認定されているエギスハイム(Eguisheim)のホテル兼レストランの看板です。
このタイプのオシャレな看板は、決まった呼び方があるのですが、意外と知られていないですね。「アイアン看板」と呼ぶ場合が多いようです。より正確には「突き出し型アイアン・サイン」と言います。英語では”wrought iron sign”と言うそうです。
私が旅先で出会った、アイアン・サインをいくつか見てみましょう。
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ここは、おそらくご夫婦で営んでいる食料品店(Le Petit Marché chez Agnès et Eric)のようです。アグネスさんとエリックさんという、二人のファーストネームが店の名前に入っているのは、いかにもフランスですね。
例えば、日本に「マリコとヒロシの居酒屋」というような名前の店、ありそうですか。
エギスハイムは、フランス・アルザス地方のワイン生産の中心地です。次のアイアン看板は、エギスハイムのワイナリーのお店(Domaine Schoepfer)です。15世代にわたってワインを作っているとのことです。
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下のアイアン看板は、スイス・チューリッヒにある有名なレストラン(RESTAURANT ZEUGHAUSKELLER)です。ご覧のように、この看板の上に、大砲の模型がのっています。
なぜレストランに大砲かというと、このレストランが昔は、武器倉庫だったそうです。店内にも武器がたくさん展示されています。その下で美味しいスイス料理を食べるのも、オツなものです。
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このレストランは、私、Uchanのnoteの記事「一生に一度は行きたいレストラン」にも載せてあります。こちらも参考にしてください。
次は、アルザス地方のコルマールにある「赤い鉄」(Le Fer Rouge)というレストランです。アルザス料理が自慢だそうです。このアイアン・サインからすると、おそらくこの建物は馬の蹄鉄を作る鍛冶屋だった建物を、利用しているのでしょう。
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木組みの家の柱も、赤錆の色をしていますね。店のHPによると、14世紀には登記簿に記録があるそうです。
次のアイアン・サインは、オランダのデルフトにあるチーズ専門店です。この店のようにチーズを並べるのは、さすが専門店だけありますね。遠くから見て、何を陳列しているお店かなと近づいてみてわかりました。
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上のアイアン・サインは牛を売る店ですが、もちろん肉屋でしょう。ドイツのローテンブルクにありました。訪れたことのある方は、目立つ看板なので写真に収めた方も多いようです。ブログなどでも同じ看板の写真を載せている人もいます。
このようなデザインの看板は、昔は字を読めない人も多かったので、絵だけでお客を惹きつけようとした、とよく言われています。でも店先に並んでいる商品を見れば、大方何を売る店かわかりますよね。
もっと別の意味があるような気がします。アイアン・サインは、その場所を視覚的に人にアピールして、人の記憶に残りやすいようにしていると思います。
記憶は場所とかなり結びついていますね。あの場所でこんなことがあった、この場所のあの料理は最高に美味しかった、というように人は記憶しています。その時にあの看板のある、あそこの店、というように覚えていませんか。
私は店の名前そのものより、店の位置関係やそれを象徴する物、例えば看板や周囲の街並みや入口のドアとかで覚えてしまって、店の名前を忘れていることが多いのです。
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世界中でこの看板を見て、何の店か分からない若者はまずいないと思います。でもオシャレですね。もしこれがこのチェーン店の看板に統一されたら、かなりイメージが違ってくるでしょうね。
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これぞまさに、アイアン・サインのデパートとでも呼びましょう。
以前、本屋でアイアン・サインだけの写真集を手に取ったことがあります。それだけ大きなテーマになる価値がアイアン・サインにはあると思います。
次のサインは、フランスのストラスブールのアイアン・サインではないのですが、私が気に入ったユニークな看板です。
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ストラスブールには、ユニークな看板が数多くあることから、“Shops’ Sign Tour” という看板ツアーがあるのです。参加したことはありませんが、街中には面白い看板が目立ちます。
アイアン看板について、思いつくままに綴ってきました。
ある一つのことを、とことん追求していくと、普遍的なことが見えてくる、と言った人がいます。世界にはアイアン・サインについて研究している人や、そればかりを写真に撮っている人、収集している人、製作して販売している人など必ずいるはずです。
そういう関係者に話を伺ってみたいですね。意外なことが見えてくるかもしれませんん。