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孫氏の兵法がしっくりこなかった件

最高の戦略教科書 孫子 著:守屋 淳を読んだ感想です。

組織人の端くれとしてなんとなく読んでおかないといけないなーと思いながらも、人と争うのは好きじゃないし、勝ちたいという気持ちが希薄なので、手に取ることがなかった本です。

「孫子の兵法」と呼ばれているので、孫子という人が書いた「兵法」という本のような気がしますが、孫武という人が説いた「孫子」という本です。春秋時代に書かれた本ですから、キングダムより前の時代、2500年以上昔の本です。現代の「孫子」は孫武が説いた「孫子」を三国志(西暦200~300年)でも有名な魏の曹操が編集し直したバージョンらしいです。

多くの経営者の方が指南書、愛読書としている本ですが、負けるということが個人の死どころか、国の滅亡にまで起因する危機迫る時代の概念が現代においても通ずるところがあるんだろうか?と思いながら読みました。結局あまりしっくりこなくて、あー組織人として失格なのかもと思いながら、色々考えを巡らせ、1つの結論に至りました。

人類は誕生してから、つい数十年前まで戦争でも、ビジネスでもずっと誰かと誰かが戦い続けてきました。この数年は環境が大きく変わり、一人勝ちしようするテイカーは嫌われ、オープンイノベーションが当たり前になり、様々な局面において戦うのではなく共創(Co-Creation)の概念が浸透してきました。

ひょっとして、社会システムに数千年の歴史を超える大きなパラダイムシフトが起きているのでは?と考えるとしっくりきました。ビジネスにおいて勝ち、負けって概念がもう古くなってきているのかもしれません。

彼を知り、己を知れば百戦して、殆うからず

「孫子」の中に出てくる一番有名な格言です。超意訳すると「自己分析が完璧にできてて、相手の情報も完璧に持ってれば、楽勝でしょ!」という感じでしょうか。

2つ共感点を挙げると、1つは勝つことではなく、負けないことを最優先とすること。できれば戦わずして勝つこと。百戦錬磨という言葉がありますが、100戦して100回勝つより、戦いが起きないほうが良くないですか?っていう理論です。戦わないほうが、消耗も出費もないですし、負けなければよくないですか?って理論は非常に理にかなっています。

2つ目は情報は最大の武器であること。現代においては情報の大切さはさらに増していると思いますし、使い方にも考慮が必要です。

やりたいこと、やるべきことをやるために必要な情報収集を行い、無駄な時間や労力は極力減らしましょう、と解釈すると、賢く生き抜く方法論みたいな感じで、ビジネスにも人生にも役立つ部分はあるのかなと思いました。

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