「海のはじまり」第二話 選ぶこと、自分らしさ、自由であること
それぞれの過去が少しづつ明らかになっていき、責任の問題ではなく、自分の過去とどう向き合っていき、これからどう歩んでゆくかに焦点が合ってゆく。
海にはじまりとおわりがないように、現在と過去は繋がっている。過去の出来事は現在とともにある。現在が過去の意味を書き換える。
そして過去と現在が入り混じりながら、すべては未来へと繋がっていく。
さっき打ち寄せた波と、今打ち寄せる波があったとき、それは過去の波と現在の波に厳密に分けられるのだろうか。
過去の波には現在の波も入り混じり、現在の波に過去の波も入り混じっているだろう。それは未来の波についてもそうだ。
はじまりとおわりのない世界で、過去と現在と未来の波に翻弄されながら、それぞれが選択に迫られる。
若い頃に自由ついて書いた本を読んだことがある。
人は何でも好きなことができる時には自分が自由だと感じない。
自分にしかできないものに出会い、それを自分の意思で選んだ時にこそ人は自由を感じるとそこに書いてあった。
責任という強制ではなく、たくさんの選択肢から利己的や利他的に何かを選ぶのではなく、自分のなかから湧き出る思いから選んだときこそ人は自由を感じる。
重い決断のなか、どこか軽やかな表情があった。それはわたしには自由な姿にみえた。