マガジンのカバー画像

ぼくのきおくの書

75
忘れてしまわないように。
運営しているクリエイター

#詩

わたしの心に雪が降る

わたしの心に雪が降る

空から雪が降ってくる
わたしだけが
窓の外の雪をみている

雪が降ると
音がなくなるのはなぜだろう
雪が降ると
時がとまるのはなぜだろう

降り積もっていく雪をみていると
わたしの空っぽの心が
満たされていくような気がする

雪にはすぐ溶ける雪と
そのまま積もる雪がある

雪は冷たいのに
心があたたかくなるのは
なぜだろう

生きる歩調

はやく動けば動くほど
まわりがゆっくり動いている
ようにみえる

きみはなぜもっとはやく動かないのかとぼくは思う
ぼくときみのあいだが離れていく

はやく動くぼくはきっと
はやく死ぬだろう
ゆっくり動くきみはきっと
かなしむだろう

ぼくはゆっくりと動けばいい
きみと同じはやさで動けば
世界は何も変わらない

何も変わらない世界でいつか
ぼくときみは一緒に動かなくなる