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「次の課題は”対話を諦めない精神”をインストールすること」自らを変化させ続けながら、Ubieの組織を作ってきたHR

Ubieで活躍する女性メンバーにフォーカスを当てるインタビュー企画、Women at Ubie第5弾。

今回のインタビューイは…

手塚 園子さん 
HR Lead

組織人事コンサルティング企業にて評価制度設計や教育制度構築に従事した後、アドテク企業、FinTech企業など大小IT企業で人事経験後に独立。Ubieでは組織人事を担当。

Tech業界およびスタートアップにおける女性比率はまだまだ低い中で、Ubieでは様々な施策を通して女性リーダーシップ比率30%を目指しています。(詳しくはこちら

「やっぱりこの世は売上なんだ」と気付かされたファーストキャリア

これを話すと結構驚かれることが多いのですが、大学では中国文学を専攻していました。父が学歴や経歴がしっかりしている人で「理系にしろ、無理なら法学部、それも無理なら社会学」と言われていたので、反発して学部や専攻を選んでいるうちに、マイナーな道を選んでいたという経緯です。少し天邪鬼なところがあります。

新卒では人事コンサルの会社に入社しました。クライアントは中小企業が主だったので、小規模な会社の手伝いをするのが楽しそうだと思ったのと、若いうちに頑張れば力がつくだろうという安直な理由でした。私が就職した頃は人事系の会社が人気で、就職人気ランキングに多く入っており、中でも当時特に目立っていた会社に入社しました。その後リーマンショックを経て、私が就職した会社は倒産してしまいましたが…

景気が悪くなって業績も下降気味になると、あんなに良い人を採用して組織制度なども充実させていたはずなのに会社の雰囲気が悪くなっていき、先輩たちも愚痴ばかり言うようになって、「やっぱりこの世は売上」と思うようになりました。また自分の力不足も痛感し、「もっとハードな経験ができるところで修行しよう!」と当時5人くらいの小さな会社に転職し、社内HRになりました。その後、メガベンチャーで採用を中心にやったのですが、また小さい会社に行きたくなりFintech企業へ、その後フリーランスとして独立しました。

フリーランスとして合計20社くらいのスタートアップと仕事をしていて、プロジェクト単位での仕事やアドバイザーとしての仕事、実際に手を動かす仕事などHRを軸に幅広くやっていました。Ubieもそのうちの1社で週1日の契約で働いていたのですが、夜中までオフィスでワインを飲んだりして盛り上がった次の日に「昨日、稼働週2にするって言ったよね?」と言われて「あれ、言ったかも」というようなやりとりを経て、あれよあれよという間に週5になっていった感じでした。笑

今はオファーのプロセスなどもっとちゃんとしています!

Ubie入社の決め手はVisionに対してストレートに意思決定していたこと

自分の人生のテーマの一つに「社会貢献に対して自分なりの解を持ち、その総量を最大化する」というものがあったのですが、それが一番できるのがUbieだと思ったからです。 HRとして色んな組織を見る中で、たとえビジョンに即したことであっても「マネジメントがやりたくないと言っている」もしくは「過去にそうしてこなかった」「前例が少ない」などの事情で意思決定が歪んでしまうシーンに多く遭遇しました。一方でUbieでは様々な分野の尖った人がいるにもかかわらず、Visionの実現という大きなゴールに対してストレートに意思決定ができていると感じ、自分のやりたいことに一番近づけると思ったからです。

「5年以上経った今も楽しく仕事ができているのは信じられない」

当時フリーランスとしての働き方が本当に自分にあっていて、正社員になるのには強い抵抗があったので、5年以上経った今も楽しく仕事出来ているのは自分でも信じられない良いギャップですね。入社当時は内心「一旦頑張ってみるけど上場までは持たないかな〜」と本心では思っていました。本来ジョブホッパー気質なので。笑
業務委託で1年ほど働き、いいところも悪いところも理解できてから入社したので、逆に悪いギャップはなかったですね。今とは会社のフェーズが全く違うので参考にならないかもしれませんが。

そのときの事業・組織課題に合わせて適切なフレームワークを採用

Ubieは創業当初から全員が人事というスタンスだったので、HRや採用担当はおらず、最初はカルチャー担当という役割で入社しました。その後、カルチャーや組織開発を主とした役割を持ち、OKRの導入と浸透、カルチャーガイドの整備と浸透、ホラクラシーという組織フレームワークの導入などを担当しました。2022年に今のコーポレート部門ができたことをきっかけに、HR問わずコーポレート部門全体の整備を担当し、それ以降は全社としての組織プロジェクト等をやりつつ各部署のヘルプを兼務しているという感じです。

Ubieは社外の人から「組織制度がドラスティックに変わっているからHRも大変なのでは」という印象を持たれることが多いですが、私自身新しいことをやるのが好きなのもあり大変とは思っていません。また、メンバーみんなが組織への関心度が高いUbieならできるんじゃないかという気持ちがベースにあり、そのときの事業や組織の課題に合わせて適切な手段やフレームワークを適用してきた結果かなと思います。最近は逆に、事業フェーズも進んできたので、変わりすぎないように先を読んで設計することにも腐心しています。

一周回って、組織制度など全体システム整備から個々とのコミュニケーションへ

制度やプロジェクトで大変だったものややりがいがあったものは数え切れないのですが、今一番やりがいを感じるのは、特定の誰かから個人的な相談が来て、それを一緒に解決した結果、彼もしくは彼女のパフォーマンスが上がることです。

全社としての制度や仕組み作りなども多く手掛けてきましたしもともとはそちらのほうが得意なんですが、一周回って、やっぱりUbieが事業で勝つためには個々で強いメンバーが集まっていて、かつ彼ら一人ひとりが持つ能力がフルに解放、発揮されていることが起爆剤になると思うようになりました。そういった強い人の採用には引き続き力を入れていますが、やはり最大限持てる力を発揮してもらうには本人だけでは解決できない障害があって、そのときの事業状況にクリティカルなキーパーソンに特化して、障害を排除するのは得意かつ事業成長にもダイレクトに響くのでやりがいがあります。

元々こういった人単位でのマネジメントは嫌いかつ苦手意識があったのですが、これができるようになったのはUbieでの経験のおかげな気がします。きっかけとしてはコーポレート部門を組織化する、となったときに今いるメンバー一人ひとりが強くならないと事業ゴールを達成しようがない、となったので、そのときにコーチングやマネジメントなどを学びながら、腰を据えて一人ひとりと向き合うことで、個々人のパフォーマンスを高めるようなコミュニケーションがうまくなっていったのかなと思います。今はコーポレートに限らず全社を対象に取り組んでいます。一人ひとりに向き合っていると結局は各部署の業務への解像度が上がったり全体の課題が見えてきたりもするので、一石二鳥です。

自分の強みはプロダクトのように組織を開発すること

自分の強みをあえて言語化するなら、プロダクトのように組織を開発することでしょうか。Ubieのように当事者意識が高い組織では日々色んな声が各所で上がるのでそれらには注意深く耳を傾けますが、それらの要望や意見をそのまま採用するわけではありません。解決策をいくつかイメージしながらも、まずは理想と現実の差分を定義したうえで論文や書籍などから徹底的に情報収集し、その後に自分の考えを軽くまとめて意見を募ったり小さく試してみてまずはそのアイデアに熱狂してくれる初期ユーザーを見つけ、またそれらを元に同じサイクルを繰り返しているうちにベストな解が見えてくるので、そこから全体に浸透させていく、というのを意識しています。

最近は組織も大きくなってきて「小さく試す」というアプローチではフィットしないこともあるので、アプローチをちょっとウォーターフォールよりに寄せるなどフェーズの違いで手法を変えることも意識しています。このへんもスケールした後のプロダクト開発と似ていますね。

1000万MAUの瞬間をお祝い

人生で大切にしていることは「自分自身を変化させること」

人生においては「自分を変えていく」ことを大切にしています。昔働いていた会社で、変化を受け入れられずにどんどん考えが頑固になっていく人たちが腫れ物のように扱われているように見えたことがありました。その頃から自分の理想は『変われる人間』であることだ、と強く思うようになりました。

元々はとても繊細なタイプで、いいことも悪いことも、喜びも悲しみもとてもビビッドに感じていました。小さなことでものすごく傷ついたり怒ったりととても生きづらかったので、このままだと私もよくない年の重ね方をするのではと危機感を持ち、20代を通してそれを変える努力をしてきました。「思考と感情を分ける」など世の中のセオリーを学習しながら、ビジネスで理不尽な状況に多く対面したときにそれらを実践する機会を得て、だんだん怒りや悲しみに振り回されることがなくなっていきました。

もう一つのターニングポイントとして、20代中盤で父が亡くなったことをきっかけに自分の考えをリフレーミングして考えるようになりました。家族の死は初めての経験で当初は天地がひっくり返るように感じましたが、しばらくして「自分にとっては一人だけの父だが、日本には数千万人の父親がいて漏れなく全員亡くなる。『父の死』という出来事は数千万人、数億人が人生で誰でも通る過程。極めてありふれたものだ」と客観視する視点を持てたことです。もともとの私の繊細さは自意識過剰や客観性の乏しさから来るところも大いにあったので、こうしたメタ認知の機会により急激に改善していきました。今はすっかり図太くなり、繊細とは真逆の性格です。

30代以降は、年々どんどん生きやすくなっていると感じており、自ら変化していける能力は人生で身を救うと思っています。

「子育てに時間を使いたくない」と大きな声では言いにくい

ワークライフバランスという観点では、自分個人としてはとくに何も考えていないです。その時やりたいこと・時間使いたいことに使うのが基本スタンスで、プライベートでは趣味や身近な大切な人に時間を使うことが多いですね。

また私の価値観として、自分の人生においては子育てに時間を使いたくないという強い気持ちがあります。これはマジョリティの考え方とは違うので、大きな声では言いにくいなと思うときはありますね。子育てしている人は本当にリスペクトしていますが、2つの価値観の距離がありすぎるからか、場合によってはその違いが攻撃と捉えられることもあるかなと思い、普段はわざわざ口に出していないです。ただ、マイノリティ的な価値観の人も居心地の良い組織を作るためにも、まずは自分が積極的に価値観をオープンにするのはいいことなのかな、とも思います。

Ubieという視点では、みんながそれぞれの事情に合わせてワークとライフをバランスできるような組織にしたいと思っています。もちろんただサボることや期待を下回り続けるのは違いますが、そうじゃなければ、タイミングや人生のフェーズで個々人が一番適切なバランスを選べる場所でありたいし、今も基本的にはそうなっていると思います。

DEI(Diversity Equity & Inclusion)の概念は自分を大きく変化させてくれた

DEIの活動を始める前から思っていたこととしては、自分に子供がいないからこそ、子育てしている人に絶対に不公平な思いをさせないぞ、必ず活躍出来るように尊重するぞ、というのがあります自分が該当しないことこそ、その人の視点で組織を見直し、活躍できるように整備するというのを意識しています。これは子育てに限ったことではなく、介護している人や、性的指向が異なる人、違う場所に住んでいる人、社歴が違う人、育ちが違う人、朝型や夜型の人など多くに当てはまることです。

先ほどの話の通り、自分を変化させることを大事に思っているので、DEIの概念は今年自分をすごく成長させてくれたという意味で感謝しています。女性活躍など世の中的によく語られるテーマはもちろん大切ですが、そういった狭義の話だけではなく、問題空間と盲点というメガネで世界を眺めること、そういった考えを自分の中で内包できるようになったことによって見え方が変わりました。まだまだ奥が深いテーマかつ考え方なので、もっと使いこなせるようになっていきたいですね。

経営チームの中ではマイノリティだからこそ貢献できることがある

日常的に自分がマイノリティだと意識することはないですが、Ubieの経営チームでは属性の偏りがあります。現在改善しようとしている最中ですが、生物学的男性比率や理系出身比率、コンサル出身比率が突出して高いというのが事実です。それに対して自分はどれにも当てはまらないマイノリティではあるので、そういう自分がどう考えどう振る舞うかは複合的な意味を持つと思っています。

例えば私が「他のメンバーが言ってることよくわからないし、違う意見だから黙っとこう」と選択すると、それはUbieにとってすごくもったいない影響があると思っているので、わからないことがある時や、思ったことや意見があれば必ず表明します。自分の強みや弱みが他のメンバーと明確に異なるので「経営チームの多くの人が出来ることを私は出来ないけど、みんなが出来ないこと私出来るからいいじゃん。私がいてよかったでしょ」と思うようにしています。そこまで自信があるわけではないので、自分に言い聞かせている、という表現の方が近いですが。

昔、ハラスメントに近い発言などの嫌な経験をしたことがあります。その時は本人および周囲に根気強く「何が間違っているか」を話すことで解決することができました。話せば誰でも何でもわかるとは思いませんが、タフなコミュニケーションでもやる前に諦めないことの大切さを感じました。またUbieでも、昔ある女性社員がある男性社員に容姿を褒める文脈で「イケメンですよね」と言ったときに、言われた男性メンバーが「それはセクハラだよ」と注意していたのをすごくよく覚えています。過度な言葉狩りになってしまうと違うと思いますが、本人が何が悪いかを気づいていないときにまずはきちんと本人に伝えるのは重要だと思っています。

属性の多様性の次は、対話を諦めない精神をインストールすること

DEIに取り組むことのメリットは、今までのUbieにはいなかった属性の強い人たちとチームが作れるようになること、そしてその結果、盲点が明らかになり、事業に大きなインパクトを与えることだと思います。

そしてその次のステージとして「対話を諦めない精神」を組織にもっとインストールしたいですね。違う属性の人が増えることは衝突や分断との戦いであり、対話との終わりなき旅のはじまりだと思っていて、これは今後のUbieにおいて絶対に必要なアセットです。逆にこの対話力が身に付かなかったらUbieの伸びは限定的になってしまうと思っています。未来に立ち向かうことが既に見えている課題に関しては、事前に準備をしていきたいですね。

業界という単位では難しくても、Ubieという単位では実現できることが多くある

日本やスタートアップ業界などの大きな単位で見れば女性のリーダーシップを増やすなどはそう簡単ではないかもしれませんが、Ubieという単位でみれば今社内で活躍している女性メンバーを見ていても、採用、活躍ともに全然実現可能なんじゃないかと思っていますね。

生物学的性別の観点だけでなく、もしそういったマクロな理由でUbieへの応募や入社を躊躇しているマイノリティの方がいれば、「私がいるので安心して」と言いたいです。笑 むしろ属性や環境など仕事とは直接関係ないことを理由にパフォーマンスが下がっていたり、居心地の悪さを感じている人がいれば、Ubieではそういった人ほど活躍してもらえるという実績と自信があります!

UbieのDEIサイトはこちら▼


Ubieでは一緒に働きたいメンバーを募集しています!
カジュアル面談もありますので、ご興味ある方はぜひメンバーとお話ししましょう!

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