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【受賞】「映画.comレビュー大賞」にて『もののけ姫』のレビューが優秀賞をいただきました!
とても嬉しいご報告です!
先週金曜日に発表された「映画.comレビュー大賞」にて、279本の応募レビューのなかから、僕が『もののけ姫』について書いた「人間と自然の対立を描く映画ではきっとない」が優秀賞を賜りました!読んでくださった方々、選んでくださった方々に、心から大感謝です。
ささやかながら映画の感想を書いている立場としてこの上ない喜びであり、まだまだ未熟な僕にとって身に余る光栄でありました!この受賞を励みに、もっともっと映画を観て、もっともっと感想や考察を言葉と文章に綴っていきたいと思っています。
レビューにも書きましたが、『もののけ姫』は僕が人生で初めて映画館で観た映画です。当時まだ3歳の僕は、映画の迫力と映画館の暗さに驚き圧倒されて、泣き声を上げることすらままならないほどに怯えていたらしいです。
あの経験から27年が経ちました。映画が大好きになった僕は、映画館に足繁く通うようになり、大学では映画を研究し、いつかは映画の世界に飛び込むことを夢見て今も地道に頑張っています。
僕の人生を貫く1つの大きなテーマはきっと「映画」です。その原点にある『もののけ姫』について心を込めて書いたレビューが、今回このような賞をいただけたことは本当にこの上ない喜びです。
このレビューは1回の鑑賞で書かれたものではありません。僕が人生を通して、何回も何十回も『もののけ姫』を見るなかで積み上げられた感想と気づきの集大成であり、また僕の成長と心の変化すらも刻まれたレビューです。
そのためか、今読み返すと文章に迷いや揺らぎがあって、「書きたいこと」が明瞭ではありません。『もののけ姫』という作品に対峙した僕自身が、そのときそのときの悩みや感情と向き合おうとしている。その軌跡としてのレビューだからこそ、やはり文章や内容も不確かで曖昧。でもきっとその迷いや悩みこそ、僕がここに書きたかったことなのだと、言い訳かもしれないですが、思っています。
『もののけ姫』を繰り返し観て向き合うなかで、この作品について宮崎駿監督が語っている次の言葉が僕の心には深く突き刺さってきます。それはきっと「生きろ。」というあの有名なキャッチコピーの背景ともいうべき考え方で、今回のレビューの根底にもその言葉が横たわっています。
「この映画を作った一番の理由は、日本の子供たちが『どうして生きなきゃいけないんだ』という疑問を持っていると感じたからです」
「今の日本の子供たちが、自分の内に潜んでいる暴力にとまどっている(中略)なぜ自分たちにいらだち、人を憎み、友人が出来なかったりするんだろうというふうにね」
「コントロール出来なくなってしまった憎悪をどうやったらコントロール出来るかっていうテーマがあるんです。(中略) 課題は、サンの人間に対する憎しみをアシタカの愛情で和らげることが出来るだろうかということでした」
そのうえで、宮崎監督は2013年の引退会見にて、次のように語っています。
「子どもたちに、『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になければいけないという風に思ってきました。それは今も変わっていません」
そして言わずもがなですが、宮崎監督の最新作は『君たちはどう生きるか』でした。
「どうして生きなきゃいけないんだ」
「この世は生きるに値する」
「君たちはどう生きるか」
「生きる」ということについて宮崎監督が重ねてきた言葉や文章そして思想を、ジブリとともに育ってきた僕(あるいは僕ら世代)としては、深く深く考えなければいけないと強く強く感じています。
喜びであり悲しみであり、幸せであり苦しみであり、権利でもあり義務でもある。その不可解で魅力的な避けがたい「生きる」ということ。このレビューには、そんな想いを託したつもりです。
もしよければ、是非お読みください。