湯浅春枝

劇団壱劇屋所属。 2017年よりコツコツ執筆活動を開始。 日々のよもやまから、稽古の様子など徒然と。

湯浅春枝

劇団壱劇屋所属。 2017年よりコツコツ執筆活動を開始。 日々のよもやまから、稽古の様子など徒然と。

マガジン

  • 駆け出し作家の備忘録

    稽古のよもやま話から、裏話的な話まで。思ったことを淡々と、コツコツと。

最近の記事

文字の洪水と稽古の話。

はたまた最近の話、 ブラックスミスの稽古がはじまって、久しぶりに人と話しているような気がする。 それまで引きこもっていたわけでもないし、なんなら外に出て、ちょろっと人と話す、作業するというルーティーンを過ごしていたので普通といえば普通な時間を過ごしてたわけですね。 そんな生活でよく見るのが、SNS。 いつも使っているのと、情報収集用とふたつほどアカウントを持っているんですが、後者の情報の流れ方が、もう早いのなんの。劇団アカウントの比じゃない。 5分もほっておけば、遡れなくなる

    • 最近の話

      お久しぶりです。生きてます。 「劇の劇」にも「ピカルーン(再演)」にも出ず、年末からほとんどTwitterにも現れず。 ともすれば生きてるの?と思われても仕方がない感じですね。 年末から色々と先のことを考えたり、それに向けて動いてみたりと水面下、いや、はるか深海に潜り続けていました。 そしてそれは現在進行形でもあるわけです。 そんなことをしつつ、自分のことを知らなきゃなぁと腹をくくり。 わからない振りをしていたことに、向き合う日々を過ごしています。 劇団のイベントやら、公

      • あなたの隣に空間スペース

        さぁ本番直前、何を書こうかと色々考えまして、書いたブログを見直したりしたのです。 が、やはりこの舞台は考えるより感じる舞台だという所に着地しました。 傍観者になるより共演者になった方が、目の前で起こっていることに全力を傾ける方が、楽しめる演目です。 小屋入りして、舞台をばらしてみるとダンスホールのようなKAVCの劇場。 ちょっと縦長、長方形。ここに5つのお立ち台とスピーカーに吊るされた照明。 クラブのような低音の響くアップテンポな曲に、四方からふりそそぐムービングの光。

        • 異次元、空間、重なる時間

          月日の流れは早いですね。お久しぶりです。 配役紹介もおわり、本番が近づいてきた感覚です。 本番二週間ほど前ですが、新しいパフォーマンスと新曲がもう少しありそうで、最初から最後まで、みっちりとした演目になりそうです。 想像よりも時間と空間における密度が非常に高いので、はじめは面食らうかもしれないですが、気になった所に近寄って、気配を感じたら振り返ってみたり、覗き込んでみたりしてみてください。 不思議な空間で、普段の劇場ではできなかったことを楽しんでもらえたら、より、空間スペース

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        • 駆け出し作家の備忘録
          4本

        記事

          空間に響くのは。

          お久しぶりです。「空間スペース3D」ブログVol,2ですね。さぁ、今回は壱劇屋流ミュージカルについてお送りします。 作品に関係あるのか?もちろん、これなくして作品は出来上がらないといっても過言ではありません。 空間スペース3D。何曲かあるのですが、 通称「測ミュ」正式には、「測量ミュージカル」がいちばんボリュームがある楽曲です。 なんのこっちゃ、とお思いでしょう。 壱劇屋、いや大熊さんの近年の短編作品には必ずと言っていいほど、歌が差し込まれます。作詞作曲はもちろん大熊さん。

          空間に響くのは。

          空間に存在することって?

          このnoteを読んでくださっているあなたも、私も、空間に存在していますね。当たり前です。 …本当に?隣には別の私がいるかもしれないですよ。みえないけれど。 今回は、そんな空間にまつわる演目です。 「空間スペース3D」 竹村さん作品で壱劇屋に出会ってくださった方。 大熊さん作品は、毛色が全然違います。 殺陣はしません。でもめちゃくちゃ身体を使います。目が足りない、となるのもたぶん同じ。 どういう作風か。これが何とも説明し難くてですね。世にも奇妙なエンターテイメントというキャッ

          空間に存在することって?

          駆け出し作家と、少女の未来。

          駆け出し作家は、あの少女がどうなるのか、まったく考えがつかない。幸せになるのか、たくさんの苦難に向かうことになるのか。 でも、彼女には帰る場所がある。あの場所で母は待っていてくれる。それは、本当にどうしようもなくなったとき、心のどこかで彼女を支えてくれる。と信じたい。 いつか彼女がどうしようもない哀しみに出会ったとき、はじめて母の言葉に、守られていた、愛されていたということを知るのだろう。 世界は広い。だから、どこかひとつは私が私でいられる場所が必要で。私以外で、私をよくも

          駆け出し作家と、少女の未来。

          駆け出し作家の、よもやま話

          入団したときから、色々な話をしました。泣き言もいいました。時には怒られて、諭されて。恐さ半分から尊敬にかわったのはいつからだったでしょうか。 色々な話を聞いてもらいました。ただただ頷いてくれました。同じ場所にいる、そのことに支えられて。 頑張る姿に何度励まされただろうか。 さりげなく、教えてくれました。 正すべきことはなにか。どうあるべきか。不安に勝てるのはそれに勝る努力だと知りました。 真っ直ぐに伝えてくれました。どう進めばいいのか、どう人の目に映っているのか。 現実

          駆け出し作家の、よもやま話

          少女を取り巻く大人たち

          2日目終わりまして。気持ちと身体が連動しない故の気持ち悪さを体感しました。区民体育祭で、いきなり全力疾走したお父さんが怪我をする気持ちがなんとなくわかりました。こういうことだったのですね。世の大人に幸あれ。あ、私も大人か。 さて今回、主演は私ですが、私は振り回される人。振り回す人がいなければ、私はどこにもいけないし、「普通」を疑いもしなかったでしょう。そこに居続ければ安全なのですから。 私演じるユーリが活きれば、活きるほど、それは周りがそれ以上のパワーでもってして振り回して

          少女を取り巻く大人たち

          少女と、駆け出し作家の、心情

          初日が終わりました。 娘は愛されている。わかっている。 母は永遠に憧れで、目的で、壁で。 伝えられないもどかしさを、伝えたくて。 傷つけたいわけでもなくて、かなしみを押しつけたいわけでもなく。 ただ、立っている。ボロボロでも立っている。その様をみててほしくて。 ただ、それだけのこと。 少女の序奏。どう届きましたでしょうか。母からみたら、こんな娘は心配で心配で堪らないでしょう。どうにかしてやらねばと思うのでしょう。 娘からみたら、愛されているのはわかるけど、その手綱の握りかた

          少女と、駆け出し作家の、心情

          駆け出し作家の独り言

          私は話すのが大の苦手だ。 話せば話すほど、言うんじゃなかったと後悔する。 言葉を尽くしても、尽くしても、そういうことを言いたかったんじゃない、とか。あぁ、上手くいかないから、やっぱり心で思うだけにしとけばよかったのだ。とか思う。 自分に近い人ほど、気になる。 好きな人ほど、気になる。 自分が言葉足りずなことを言ったが為に不用意に傷つけてはいないだろうか。 その人の良さを失わすようなことを言ってはいないだろうか。 失礼になっていないだろうか。 そんな恐れを抱くなら、黙って話を

          駆け出し作家の独り言

          少女の序奏

                                ユーリ 湯浅春枝 /  母   是常祐美  大佐  安達綾子 /    軍曹    岡村圭輔 シスカ 柏木明日香  1場 訓練場に立っているユーリ  ユーリ直立しているが、表情は暗い。 そこに上司の軍曹が立っている。 軍曹 おい ユーリ、急いで敬礼をし、指示にしたがって訓練していく。(匍匐前進や駆け足など) 軍曹:いつまでここにいるつもりだ。お前みたいなのが入ったのは何かの間違いだよ。 ユーリの動

          少女の序奏

          ある女の昔話

          2年前まえから、コツコツと書きはじめて、今。 なんで脚本を書こうと思ったんだろう。 今回は、とある女の昔話。 【荒療治的なスタート】 上がり症を治すために役者をはじめようと、学生劇団に所属したのがスタート地点。 結局、上がり症が改善されたのかわからぬまま、自衛隊に入る。 このときはきっと二度と演劇なんてやらないだろう、観る専だな。とぼんやり思っていた、はず。 なのに、今は壱劇屋に所属して脚本をこうして書いている。なにがどう進めばこんなルートを歩むんだ、どこでどう舵を切ったの

          ある女の昔話

          少女の序奏。

          チーム戦だ、間違いなく。 稽古をしていて思う。 いつだって、どの公演だってそうなのだけど、はじめて人に演じてもらう作品を、「私」が書くという特殊な環境にいるからそこ、実感する。 「なぜ」「どうして」「どうしたいの」 現状、稽古といいながら、台本についてディスカッションをしている時間の方が長い。 内容の理解度と、共有が大事だからと、全員が頭と、それぞれの経験を惜しみなく伝えてくれる。 私だけでは見つけられなかった道筋、視点がみえてくる。 時に、膨大な情報量に、頭が追いつけなく

          少女の序奏。

          まわる

          登場人物 ・女 ・男 開園したばかり、人もまばらな平日の遊園地。園内には楽しそうな音楽が流れている。 メリーゴーランドに、女が一人。遊具の馬にまたがり、うつむいてる。 係員の男が、怪訝そうに女のもとへやってくる。 男「大丈夫ですか?」 女「・・・」 男「朝からずっと乗ってますよね?」 女「・・・」 男「いやぁ、何度か声かけようかなぁ・・・ とは思ってんですけど。 もうちょっと、もうちょっとだけ様子 見てみようかなぁっ