考えない者は馬鹿だ
「精神的に向上心のない者は馬鹿だ」という有名な台詞があるが、今のご時世、様々な生き方があるので、精神的に向上心が無くてもよしとしよう。
だが、考えていないやつ、お前はダメだ。
考えるとは?
買い物に行って何を買おうか考える
休みの日に何をしようか考える
どのテレビ番組を見ようか考える
考えると言ってはいるが、ほとんどの場合で実際は何も考えていない。感覚的にどうするかを決めているだけではないだろうか。情報に対し、反射的に脳が回答を出している状況は考えているとは言わない。常にそういった反射だけで終わっていたら、それは獣と何も変わらない。
"考える"とは、"要素をかみ砕き、再構築すること"である。言い換えると、自分で解釈して、自分の頭で新しい基準や価値、手法を創り出すことである。問題に対して自分の知識や経験を当てはめて回答を出す作業は考えるではないのである。
周りを見回すと、考えていない人が多いと感じる。思いついた答えを唯一の答えと思い込み、それを主張し続ける。ものごとを多面的に見ること無く、他の人の考えを否定するか無視することが正しいと思っている節すらある。
もっと問題なことは、そういった人たちも自分は考えていると思っていることだ。脳を使っていることは間違いないが、知識や経験に当てはめているだけにもかかわらず、考えたと思い込んでしまう。
その結果、いつまでも進歩せず、周りに流され、世間に対して文句ばかり出てくる。自分はしっかりやっている。ちゃんと考えて行動しているのに、理解できない周りが悪い。
愚痴は出るが、だからどうしたら良いのか、どうすれば解決するのかと言ったことは考えない。いや、考えたつもりで終わっている。状況は何も変わらない。
どんなことでも当てはまるはずだ。多くの人は考えているつもりで考えていない。「新入社員は何にも考えていないんだよ」、「俺の上司は何にも考えていない」となどはよく聞く話だ。そう言っている人も果たして考えているつもりになっていないだろうか。居酒屋で愚痴を言うのは良いが、どうしたら改善できるのかを"考えた"ことがあるだろうか。
パスカルの言葉に、『人間は考える葦である』というものがあるが、考えない人は人間ではないのだろう。
私は人間になれているのだろうか。
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