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時を告げる

少し前まで美味しいと思っていたものが、なんとなく違う味に感じて、あの時の私から一定の時がたったのを感じた。

それは、美味しいものをたくさん食べて、美味しい時間をたくさん過ごした中で、少しずつ"一番"が更新されて来た証拠なのだ。

嬉しくもあり、少し寂しくもあった。

ずっと続くと思っていたけれど、あっさりと、次々に、その日は過ぎてしまうし、思い出も味も蓄積されてゆく。

大好きは大好きのままでいたいけれど、いつまでも思い出に閉じこもることはできなくて、味も、人も、私自身も、未来の懐かしさの中で生きているのだと思う。

それでも、やっぱり好きなものは好きでいたい。好きでいるための努力をしたい。

素敵な白髪のおばあさんになった時に、またこの味を美味しいと思えるように。

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