旅行記【バリ島編】ケチャ鑑賞
〈インンドネシア バリ島編〉
2024年1月にバリ島へ初渡航時の様子を。
バリ伝統音楽といえば•••
今回インドネシアへ渡航したら、観たかったもののひとつが••••
ケチャ(Kecak)!
男性が円陣になり
「チャク•チャク•チャク」とリズミカルに繰り返しながら身体を揺らして行う大迫力パフォーマンス。
中学生の時に観た映像を今でも鮮明に覚えているくらい強烈だったのだが、今回初めて実際に観てみると耳馴染みのなさが改めて面白かった。
ケチャの起源
バリ島で90%以上が信仰し独自の文化を築いてきたバリ・ヒンドゥー教。ケチャは、疫病や凶作などの天災を防ぐ神聖な儀式の一つであるサンヒャン・ドゥダリ(Sanghyang Dedari) の男声合唱と、ヒンドゥー教の聖典『ラーマーヤナ』の物語を取り入れて、観賞用の舞踊劇として発展した。
ストーリー
魔王ラワナ(ラーヴァナ)討伐のために神々が送りこんだヴィシュヌ神の生まれ代わり主人公ラーマ王子の冒険と試練の物語。
ケチャでは、『ラーマーヤナ』に登場する主要キャラクターが踊り手たちによって演じられ、クライマックスとして妻シータを誘拐した魔王ラワナとラーマ軍の戦闘場面が再現される。
観に行った際には、開始前に日本語で書かれたあらすじが配られますので、ご安心を。
ちなみに、宮崎駿監督作品「天空の城ラピュタ」に登場するシータの名前の由来になったとか。なっていないとか。
鼓動に共鳴するチャント
煌びやかな衣装で踊り手が物語を再現すると共に、やはり印象的なのは、男性の声からなる音楽。息つく間もなく続くケチャの音楽に圧倒されること間違いない。
全員が同じリズムを刻むだけでなく、複数のグループに分かれたり、複雑なリズムの中でテンポキープの様な役割の人や、場面に調和した呪文のようなメロディを歌う人も。
声の強弱、リズムのハーモニーが複雑に混じり変化し、
緊張感高まる場面では、より激しく力強い響きが会場全体に広がっていく。
今回2ヶ所で鑑賞したので、紹介したい。
ぜひバリ島に訪れる際には、ケチャを観てみてはいかがだろうか。
鑑賞スポット ① ウルワツ
バリ島最北端に位置するウルワツにある最も有名な寺院のひとつ。
開放的な扇状の会場は、ステージと客席の一体感が味わえる。
18:00開始の回は、丁度海に夕陽が沈みはじめ、バックに見える刻々と移り変わる綺麗な空もポイント。
チケットは、オンラインでも現地でも購入でき、席は自由席。
私は、他の都市からウルワツへ移動したその日に向かったため、17時少し前にウルワツ寺院へ到着。(ホテルスタッフに、オンラインで予約をおすすめされたが、その時点では既に完売。とりあえず行ってみた。笑)
現地に到着してみると、ラッキーなことにチケットに並んでいる列もなく、スムーズに購入できた。
※他の方のブログ等みると、長時間待った方もいる様なので、心配な方はオンライン予約もいいかもしれません。
ウルワツ寺院のケチャでは、主要キャラクターの白猿ハヌマンが大活躍。軽快な動きで、会場は大盛り上がり。
鑑賞スポット ② ウブド
芸術の村ウブド(Ubud) 。
毎夕19時から色々な場所で、伝統舞踊の公演が行われている。
曜日によっても演目が違うので、場所と曜日は要確認。チケットは当日券を現地で購入できる。
私が今回ケチャを観たのは、Pure Dalem Ubud という寺院。
ウルワツと同様に野外で観ることができる。
1月の雨季シーズンでウブド滞在の間、毎日午後に強いスコールが降っていた。(晴れ女だと思っていたが、雨季には勝てなかったみたい・・)
この日もスコールが降っていたが開始前に丁度止み、日が沈んだ真っ暗な中、火が灯され幻想的な雰囲気でショー開始。
響きやすい会場なのか、特有の力強さはもちろん柔らかさや、グループに分かれた時にボイスパーカッション的なリズミックな魅力とともに、ハーモニーをより感じた。
( 個人的に、ウブドの方が芸術性が高く感じた。)
ケチャの後には、サンヒャン・ジャラン (Sanghyang Jaran)を観ることができる。ジャランとは馬の意味で、馬を模した男性が目を閉じたままトランス状態に入り、燃え上がるココナッツの皮の上を裸足で何度も蹴散らす。終わる頃には、演者の足が炭で真っ黒になっていた。
バリでは、馬だけでなく様々な霊媒を使い、村を守るためにこのような儀式が行なわれていたらしい。
他文化に触れるということ・・・
世界には自分が知らない文化や芸術、宗教がたくさんあり、そこには歴史がある。いくら観光客向けのパフォーマンスであったとしても、敬意をもって鑑賞したい。