Aim for the Paris2024「LA28は本当の平和の祭典でありますように」
Paris2024オリンピックが終わった。
日本はたくさんのメダルを獲得し、大いに盛り上がった。
Tokyo2020に向けて選手を強化した、その名残というか効果の継続というか、その影響は大きかったと思う。
また、メダル獲得数を考えた時、やはりロシアの不在の影響は大きい。
Tokyo2020でのROCの獲得メダルは金20銀28銅23計71。これが各国に分散されたわけだ。
例えば男子体操。日本は団体、個人総合、種目別で金3銅1を獲得したが、Tokyo2020の時のメンバーから推測されるロシアのベストメンバーが出ていたら、メダルの色も数もかなり目減りしたかもしれない。
他の種目でもそう考えられるものはあるだろう。糠喜びはできないということだ。
多くの開催国がそうであったように、オリンピック開催後、しばらくはメダル獲得上位に名を連ねる。それをどれだけ長く継続できるかが、これからの日本に問われるだろう。各競技団体は頑張ってほしい。
さて、私個人の好みは別として、選手たちのパフォーマンスのすごさに興奮する種目もあれば、たとえ決勝でも「へ~」くらいにしか思わない種目もあった。
私は、まがりなりにもオリンピック選手と肩を並べて練習をしていた時期があるので、オリンピックに出場することがどれだけ特別なことかということを身にしみて知っている。オリンピックに出場する人は、常人の想像を超える努力で自分の特別なところを磨いて、出場する時点でもうすでに物凄い選手だ。
私は、そんな「スーパースペシャルな人の集まりがオリンピック」と思っているので、なんだか「普通の人が一生懸命やってる」みたいな種目は、あまり熱心に見ようとも思えないのである。
私がやっていたのは体操で、歴史は古く、かなり競技人口が多いので、競争のレベルが高い。陸上や水泳やサッカーほどではないにしても、競技人口のピラミッドが大きくて高いのだ。そこで頂点に上り詰めるのはかなりの至難の業だから、頂点の人はスーパースペシャルと言えるのである。
種目によっては、ピラミッドが細くて高い近代五種のような種目もあれば、ピラミッドの底辺はまばらに広いけれども頂点も広くてあいまいなスケボーやブレイキンもある。
新しい種目も、がんばれば5~6回大会を経るうちにしっかりしたピラミッドが形作られるかもしれない。健全で大きなピラミッドが出来上がることを願おう。
株式市場が「プライム」「スタンダード」「グロース」と、企業規模や実績や歴史で区分されているように、オリンピックも規模や歴史で区分したらどうだろうか。
例えば、商業主義に舵を切った1984年のロサンゼルス大会以前からある種目を「クラッシック」、その後採用されて世界的に定着した種目は「スタンダード」として、しっかり競技を行う。
今回のブレイキンのようなその他の新興スポーツは「グロース」。そこへはどんどん参入してもらってお金を貢いでもらったらいい。「いずれはスタンダード、クラッシック入りを目指そう」ってモチベーションを持ってもらってね。
そして来年から行われる「eスポーツ」。ここはスポーンサーがたっぷりお金を入れてくれるだろう。
いっそ夏冬の分け方も考え直して、2区分ずつ別々に開催すれば、開催地の負担も減るし、「なんでこれがオリンピック種目で、あれは違うのか」という不満や疑問も払拭できるというものだ。