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映画「ノック・終末の訪問者」
小さな女の子と両親の3人家族。
森の中のコテージで休暇を過ごしていた家族のもとに、なにやら武器のようなものを持った4人の人物が訪ねて来る。
そしてこう告げる。
―――あなたたちの中から犠牲になる人を一人、自主的に決めてください。そしてあなたたちの手でその人を殺してください。さもないと人類が滅亡します。
てな感じの映画。
は?
というのが普通の感想だろうが、ま、M・ナイト・シャマラン監督だからな、と納得してしまうところも。
M・ナイト・シャマラン監督といえば「どんでんがえし」、と言う人もいるが、ぼくにはあまりそういう印象は無い。
たしかに最後に種明かしをするような作品もあってその印象が強いのかもしれないが、そうでない作品も多い。
どちらかというと、「それほど珍しくはない題材を、スゴく変な方向から描く人」という印象。
今回も人類の滅亡というスケールの大きなディザスタームービーを、森の中のコテージだけで展開するというのがこの監督らしい。
わけのわからないことを要求してくる狂信的な人間たちからどう逃げるか、という興味と、もし彼らが言っていることが本当だったら?という興味が物語を引っ張っていく。
最後まで緊張が途切れず、面白かった。
M・ナイト・シャマラン監督の最高傑作なのでは?
少なくとも全体の完成度は最も高いと思う。
ただ、完成度の高さ、というか、ちゃんとしていることが逆に不満、というのはちょっとある。
シャマラン監督の魅力の一つとして、「カタルシス」みたいなものを「脱臼」するというか、「クライマックス」とか「見せ場」みたいなものが期待されるところで肩透かしされるような魅力があって(まあそれがつまらなさにもつながるのだが)、それが今回は薄かった気が。
ストーリー自体は充分変なのだが。
まあ、完成度が高い/ちゃんとしている、のが不満、とか言われても監督は困るかもしれないが・・・。