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2021年11月後半日記(映画「マリグナント凶暴な悪夢」「Chain」など)
11月×日
新宿ピカデリーで「マリグナント狂暴な悪夢」(ジェームズ・ワン監督)
「どうだった?」と聞かれたら、笑いながら「あー、あれは面白かったよー」って答えるタイプの映画。
冒頭、海辺に建つおどろおどろしい雰囲気の研究所みたいな建物が映し出された時点で「待ってました、楽しませてください」という気になる。
そして十分楽しませてくれる出来。
前半、ヒロインの身に色々不可思議なことが起こるのだが、それが心霊的なものなのかどうかがはっきりわからない。霊的なものか、と思わせるところもあるのだが、そうではない、ということをほのめかせる部分もあり、なんとなく「こういうことかな」というのは浮かぶのだが、今ひとつはっきりしない。
中盤から終盤に移るあたりで事の真相が明かされるのだが、これがなんとも・・・。
「こういうことかな」と推測していたこととそこまでかけ離れてはいないのだが、それでも「ええっ・・・」と思ってしまう。
思わず笑ってしまったが、「ふざけるな」と怒る人もいるかも。
しかし見る方が笑おうが怒ろうがお構いなし、という感じで力任せに進んでいき、ホラーからホラーアクションみたいになっていくのだが、この力技もこれはこれで爽快。
楽しませてもらった。
ホラーとかアクションとかの部分をがんばっているのは、ま、当たり前のことだが、この映画が良かったのはそういう所じゃない普通の部分がちゃんと撮られているところ。
たとえば前半のワンシーン。
ヒロインがけがをして入院していて、その病室で若い男の刑事がヒロインに事情を聴こうとしている。
その病室にヒロインの妹が入ってくる。
その妹がなぜかディズニープリンセスみたいなコスチュームをまとっている(妹は女優の卵で、なにかそういうアルバイトをしているらしい)。
短いシーンなのだが、この後ヒロインに負けないほど活躍する妹を印象付けるだけでなく、やがて妹と刑事が互いに意識しあう関係になることも暗示する良いシーンだった。
このシーンとか、あと鑑識係の女性の描き方とか、普通のシーンをきちんと撮っているのが好感。
11月×日
何年か前に、持っていたCDのほとんどを売ってしまった。
CDの中身はだいたいパソコンに入れておいたのだが、少し前にパソコンが壊れてしまって、データを助け出すことができなかった。
高い金を出せばデータを救えたかもしれなかったのだが、その時はあまり音楽を聴かなくなっていたので、まあいいか、と思ったのだった。
しかし最近また音楽を聴くようになっていて、やっぱり何とかしてデータを救っておくべきだったと後悔している。
どうしても手元に置いておきたいものは少しずつ買いなおしていく予定。
新宿のディスクユニオンでラモーンズの1stアルバムと、ストーンズの「ベガーズバンケット」購入。
今さらラモーンズとストーンズかよ・・・という気がしなくもないが・・・。
もっともアーティストがどうとかよりも、今さらCDなんて買うのかよ、という感じなのかな、今は。
11月×日
SOMPO美術館で「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」
版画とか、今までほとんど意識して見たことがなかったけどおもしろかった。
浮世絵なんかも興味が無いわけじゃないんだが、あまりにも幅が広くて奥が深そうなので、ちょっと臆してしまうところはある。
スティーブ・ジョブズのコーナーもあった。
ジョブズは川瀬巴水を好んでいたそうだ。
新版画は海外のコレクターに好まれたらしいから、スティーブ・ジョブズも単にそういう海外のコレクターのような感性の持ち主だったってことなんじゃないの、なんて意地の悪いことを思ってしまわなくもないが、まああまり興味のない人にアピールするポイントとしては悪くないんだろう。
11月26日(金)
あまり気心の知れていない人と親睦を深める集まり、みたいなのがすごく苦手。
特に、少人数だったとしても人前で話をしたりとかは絶対ムリ。
完全に仕事としての発表、みたいなのならばまだ良いのだが、そう硬い感じじゃなくていいので、みたいのが一番きつい。
で、極力そういうことからは逃げるようにしているのだが、仕事の関係で今回はどうしても出なければならないことになった。
いや、断固として断れば断われたのかもしれないが、ま、それもちょっとあれかなあ・・・と思って・・・。
結果、断固として断ればよかったと後悔。
そんなの得意な人なんかめったにいないよ、みんな苦手だよ、なんて言う人もいるが、ほんとかね。
ほんとにみんな、数日間精神状態がおかしくなって身体症状も出て生活に支障をきたすくらい苦手なのかね。
11月27日(日)
テアトル新宿で「CHAIN」(福岡芳穂監督)
登場人物が、なんかそこらへんにいるお兄さんお姉さんみたいな感じ。
新選組の話なのに背景が現代の京都だったりする。
それはまあそういう試みをしても良いのだけれど、それがあんまり異化効果(って言うんだっけ)って感じにはならず、登場人物がますますそこらへんのお兄さんお姉さんみたいに見えてしまう。
これは途中退席かな、でもまあ、もう少し我慢してみるか、などと思いながら見ていたが、だんだん引き込まれる部分もあり結局最後まで。
セリフは聞き取りづらいし、ここぞ、というところのセリフは、なんというか脚本家が「このセリフを言わせたかった」というのが前に出過ぎているし、と色々不満はありつつも、何か熱気、みたいなものが伝わって来たのは確か。
11月30日
国内で初めてのオミクロン株の感染者が見つかったとかで大騒ぎ。
まあ、まだよくわからないのだから気を付けるに越したことは無いんだろう。
今の日本の状況だったら「ゼロコロナ」を目指す、ってのも全然ありだと思うけど、世界的にはそれはちょっと無理そう。
日本も鎖国するわけにもいかないし。
であれば、感染力がめっちゃ強いけどほとんど重症化しないみたいな新しい変異株が出て来て今までの株と置き換わる、ってのが一番いいシナリオのような気もするが・・・、
まだよくわからないけれど、オミクロン株の感染者は「症状が非常に軽い」なんていう話もあるみたいだし、そこらへんちょっと期待もなくは無い。