新しい映画館で観た「きっと、それは愛じゃない」
12月×日
キノシネマ新宿で「きっと、それは愛じゃない」(シェカール・カプール監督)
主人公はドキュメンタリー映画の監督(白人・女性)。
幼馴染の医師(男性・パキスタンにルーツを持つアジア系)が見合い結婚をする、ということに興味を引かれてそれをめぐるドキュメンタリーを撮ることになったのだが・・・という話。
「ノッティングヒルの恋人」
「ブリジット・ジョーンズの日記」
「ラブ・アクチュアリー」
あたりと似たようなテイストの映画。
あまり深刻にならずに楽しく見ることができるし、でも軽いだけではなくけっこう皮肉が効いていたり、なかなかグッとくるところもある。
ということでこのタイプの映画も嫌いではないのだが、なにか根本的なところで物足りなさも感じる。
人間の暗い面や、社会的な問題も取り上げられるのだけれども、それも「よく出来た話」の中に回収されてしまい、なんというか「ギョッとさせられる」ようなことがない。
この映画も「恋愛ではない結びつき」とか「異文化」とか、掘り下げて行けば「よく出来た話」を壊してしまいかねない要素を扱ってはいるのだが、結局は「よく出来た話」をピリッとさせるスパイス程度の扱いに収まっている。
そこが少し不満。
まあでも、それはこの映画に求めることではないのかもしれない。
紳士服専門店でスーツを試着して、「これは冬山登山には向かないな」と不満を言っているようなものなのかも。
これはこれで楽しく見ることができたし、それで充分という気もする。
冒頭に挙げた3作品が好きな人にはこの映画も楽しめると思う。
× × × × × ×
ちょっと気になったのは、この映画を観たのは日曜日だったのだがずいぶん空いていたこと。
わりと人気のあるタイプの映画だと思うのだが・・・。
宣伝の問題か?
あるいは観た映画館が最近オープンしたばかりだったからかもしれない。
ぼくも「へえ、こんな映画館出来たんだ」と思ったので、映画の宣伝というよりも映画館自体の宣伝の問題なのかも。
この映画を観た「キノシネマ新宿」は、11月16日にオープンした新しい映画館。
とは言っても、まったく新しくできた映画館ということではなく、もとは「EJアニメシアター新宿」という映画館だったところ。
その前は「角川シネマ新宿」という映画館だった。
その前は・・・なんだったっけ、
調べてみる・・・「新宿ガーデンシネマ」・・・、そうそんな名前だった。
そしてその前が「新宿文化」という映画館。
自分には「新宿文化」という名前がなじみ深い。
「新宿文化」がなくなった後、「シネマート新宿」と「新宿ガーデンシネマ」という2つの映画館が出来て、「シネマート新宿」は今も存続していて、もう一つが今は「キノシネマ新宿」になった、ということ。
「EJアニメシアター」の頃には一度も行かなかったので、今回は久しぶりだった。
こぎれいな映画館だし、今のところまだなじみがなくて空いているのなら、ちょっと穴場かもしれない。