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映画「イコライザー THE FINAL」「悪い子バビー」「ザ・クリエイター/創造者」のこと、

10月×日
TOHOシネマズ新宿で「イコライザーTHE FINAL」(アントワーン・フークア監督)
元CIAの必殺仕事人みたいな男が悪い奴等を皆殺しにする、というヴァイオレンスアクションシリーズ3作目。
傑作、とまでは言わないが充分に楽しめる出来。
3作ともにそれぞれの良さがあり、どれも水準以上、というのも偉い。

それはそれとして、デンゼル・ワシントンも歳をとったなあ。
シリーズものなので、主人公が年を取っていく様もまた面白さでもあるのだが、最近シリーズもののアクション映画で主演俳優が「歳を取ったなあ」と思うことが多かったので特にそう思うのかも。
ハリソン・フォードはもうキビシイ感じだし、キアヌ・リーヴスもそろそろ還暦か。
トム・クルーズは超人的な頑張りを見せているけれども・・・。

エンドクレジットで初めてダコタ・ファニングが出ていたことを知る。
ああ、あれがダコタ・ファニングだったのか、と思い、ああ、ダコタ・ファニングがあんなに大人になったのならそりゃあデンゼル・ワシントンも歳をとるわけだ、と思った。

10月×日
新宿武蔵野館で「悪い子バニー」(ロルフ・デ・ヒーア監督)

35歳になるまで暗い地下の家から出ることを許されず(家の外は汚染されていて生きていけないと教えられていた)、ずっと母親と二人で暮らして来た男、バニー。
あるきっかけで外の世界に出て行くことになったバニーの彷徨と、彼が引き起こす騒動を描く映画。
「映画史上稀にみる傑作が30年の時を経て遂に日本初公開」
というのが謳い文句だが、ビデオでは発売されていたらしい。

「映画史上稀にみる傑作」なのかどうかは置くとしても、確かにこれは怪作。
妙な迫力と魅力がある。
近親相姦やら動物虐待やらの描かれるR18+(18歳未満の方はご入場いただけません。)なのにもかかわらず、なぜか爽快な後味あり。
話としてはいわゆる「聖なる愚者」もの。
音楽に絡んだエピソードが多く、音楽映画の趣きもある。

撮影にしても物語の進み方にしても統一感がないというか、何か行き当たりばったりな感じがあるのだが、そこらへんを上手く修正してしまうとこの映画の持っているエネルギーが薄まってしまう気もする。

10月×日
新宿バルト9で「ザ・クリエイター/創造者」(ギャレス・エドワーズ監督)
AIに脅威を感じ、共存を否定する西側諸国と、AIとの共存を選んだ「ニュー・アジア」とが対立する未来。
「ニュー・アジア」に潜伏した米軍の兵士が見たものは・・・みたいな話。

「SFは、やっぱり絵だねえ」という言葉を思い出した。
これはSF作家/翻訳者の野田昌弘の名言とされているが、「絵の魅力」ということであればこの映画は合格、というか、かなり高得点。
空に浮かぶ巨大な建造物。
東南アジア風の農村の建物を踏みつぶしながら進むバカでかい戦車。
ドラム缶に手足が付いたような自走式自爆ロボット。
などなど、とにかくビジュアルが素晴らしい。

特に斬新な設定というわけではなく、そこまで印象に残るキャラクターがいるわけでもなく、ストーリーもいろいろと「?」という部分もある。
総合的に見ると、良く言ってもまあまあ及第点、といったところなのだが、そんな不満を言う気があまりしないくらい「絵」が良い。

SFは、やっぱり絵だねえ。

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