映画「AIR/エア」「生きるLIVING」のこと、アーティゾン美術館「ダムタイプ2022remap」のことなど、
4月×日
新宿ピカデリーで「AIR/エア」(ベン・アフレック監督)
バスケットボールにも、スニーカーやバスケットシューズにも全く興味はないが、この「エア・ジョーダン」制作秘話は面白かった。
お仕事映画、というかチーム映画か。
一人の人間の情熱がチームを動かし、チームのメンバーがそれぞれの強みを生かして目標に向かって進んで行く。
アメリカ映画の明るい側面がここにはあると思う。
ベン・アフレックの監督作品を観るのは初めてだったかな?
「良いシーンを撮ってやるぞ」
「こんなシーンが撮りたい」
みたいな色気があまり感じられないところが良いな。
この映画でも、観終わった後に印象的なシーンは?と聞かれてもあまり思い出せないのだが、登場人物の人物像ははっきりと思い出せる。
80年代の雰囲気も懐かしかった。
4月×日
アーティゾン美術館で「ダムタイプ2022remap」
薄暗い空間に、白く光るターンテーブルが点在し、赤い文字と白い光が壁を走り、部屋の真ん中の床に地図のようなものが映し出される。
宇宙船がどこかの未開の惑星に着陸し、しかし着陸時の事故で乗員は全員死んでしまい、宇宙船だけが残された・・・長い年月の後、その未開の惑星の原住民が宇宙船を見つけ、うろうろとその内部を物珍し気に見て歩いている。
場内をうろうろと歩き回っている客達を見て(自分も含めてだが)、そんなことを考えた。
(全然そんな作品ではない、ちょっとそんなことを考えただけ)
まあ他にも色々思う所はあったのだが、あまりまとまった感想にはならない感じ。
ダムタイプはメンバーが固定されていない日本のアーティスト集団で、この作品では坂本龍一がメンバーとして加入している。ずいぶん昔から「現代アートの最先端」的な扱いがされていたような気がするが、今まで一度も見たことがなかった。
「なんかSFっぽくてカッコイイね」
というバカみたいな感想を持ったが、一方で「ふーん、こんなもんか」という気も。
4月×日
TOHOシネマズ日本橋で「生きるLIVING」(オリヴァー・ハーマナス監督)
黒澤明の「生きる」のリメイク。
黒澤明の「生きる」はもう大昔に一度観ただけなので細かいところは全く憶えていないのだが、なにかギトギトと脂っこくてアクの強い映画、という印象は残っている。
それに比べるとこのリメイクは非常にあっさりスッキリした感じ。
悪くはないが物足りなさも。
主人公が口ずさむ歌もオリジナルとは違っているのだが、今回の「ナナカマドの木」という歌、スコットランドの古い歌だそうだが、とても良かった。
オリジナルの「ゴンドラの唄」がどうも情緒過多な感じがして苦手だったので、これはリメイク版の方が好み。