映画「ブラック・デーモン絶体絶命」「ザ・フラッシュ」のことなど、
6月×日
新宿ピカデリーで「ブラック・デーモン絶体絶命」(エイドリアン・グランバーグ監督)
まあまあ長いこと映画を観ていると、あまり内容を知らなくても、聞いたことのない監督の作品でも、観る前から「お、これは拾い物かもしれないぞ?」という勘がはたらくことがあるものである。
今回もその勘がはたらいたので、終映間近のこの映画を観に行ったのだった。
そして勘は外れたのだった。くそ。
いや、序盤は悪くないのだ。
アメリカの石油会社の男が、自分が建設に関わった油田の調査のためにメキシコの町を訪れる。
メキシコ人の妻と、二人の子供と四人で。
しかし十数年ぶりに訪れたその町は見る影もなく荒廃していた。住民のメキシコ人たちはあからさまにアメリカ人に敵意を見せている。
メキシコ人の妻のとりなしでなんとかレストランに入ることはできたが、なんとも不穏な空気。
妻が海を眺めて「何かがおかしいわ」と言うと、息子が「鳥がいないんだよ」と答える。
ここら辺まではわくわくして見ていたのだが・・・。
それから海底油田のプラットフォームに舞台は移り、そこで巨大なサメが出てきたり、そのサメがただのサメではなくてメキシコ(アステカ?)の神々と関係が有ったり、プラットフォームに爆弾が仕掛けられていることがわかったり、そもそもこの油田には大きな問題がありそれを石油会社が隠ぺいしていることがわかったりするのだが、そういう一つ一つの要素は面白くなりそうなんだけど・・・なんだろう、語り方が下手なのか・・・登場人物にも魅力が無いし・・・。
「アイディアは悪くないんだけどなあ」などと思いつつ我慢して見ていたが、後半はもう見続けるのが苦痛に・・・。
よく考えたら、思いがけない時に良いものに出会うのが「拾い物」なので、「拾い物かも?」と思って観に行く時点ですでに「拾い物」ではないのだが・・・。
6月×日
新宿バルト9で「ザ・フラッシュ」(アンディ・ムスキエティ監督)
特に退屈することなく最後まで楽しく見ることができたので悪くは無いと思うのだが、新鮮な驚きは別になし。
マーベル作品やDC作品はそんなのが多いな(特に「アベンジャーズ」以降)。
あと、この映画もそうだけど、最近流行りのマルチバースを扱った映画、
「壮大なスケール」のはずなのだが、なんか話が案外みみっちいというか、狭いところでコチャコチャやってる印象があるな。
まあ本当に無数の世界線とかを描いたら収拾がつかなくなるだろうし、何とかまとめなきゃいけないから仕方がないんだろうけど、本来は途方もなく広がりのある設定なだけに余計にせせこましい感じがしてしまう。
6月×日
新型コロナの第9波。
もう感染者の数を数えなくなってしまったので正確なところはわからないが、やはり増えて来ているようだ。
特に沖縄は大変らしい。
今年の5月の連休明け以降、
「みんなで『もう大丈夫だ』と思えば大丈夫になるんじゃないか作戦」
をやってみたけれども大丈夫じゃなかった、ということか。
しかし今までで一番ひどい時だって、周りの人がコロナでバタバタ死んでいくなんてことはなく、テレビで病院の大変そうな様子とか、救急車を呼んでも搬送先が決まらずに困っている病人の様子とかを見て「うわあ、大変そうだなあ」と思っていただけなのだから、これからもそういうのをテレビで流さなければ、「大丈夫」で押し切れる、という作戦で行くのかもしれないなあ。
ワクチンを打っていて高齢者でなければ、あるいは持病がなければそこまで心配する必要はないのかもしれないが、身近にワクチンを打っていない人がいるので心配だし、うちの母親はワクチンを打っているけどかなり高齢なのでやはり心配だ。