映画「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」感想文
新宿ピカデリーで「ジュラシックワールド・新たなる支配者」(コリン・トレヴォロウ監督)を観た。
このシリーズ、素晴らしい作品だ、なんて思ったことは一度も無いのだが、一応1作目の「ジュラシックパーク」から全部封切で観ている。
今作が6作目か。
あんまり憶えてはいないけれども、やっぱり1作目「ジュラシックパーク」はそれなりに面白かったし、仕切り直しの4作目「ジュラシックワールド」もわりと面白かった記憶が。
さて完結編だという今作。
序盤は快調。
世界各地での恐竜たちの様子が描かれていく部分は魅力的で、ちょっと観光映画の趣きも。
しかし段々と失速、残念な感じに。
原因ははっきりしていて、主要登場人物が多すぎること。
今までのこのシリーズの登場人物たちが勢ぞろい、ということなのだがこれが良くない。
だいたい今さらサム・ニールやローラ・ダンを見て喜ぶ人ってそんなにいるのかね、と思ったが、レビュ―を見るとこのシリーズのファンの中にはけっこう喜んでいる人もいるらしい。
しかし、ちらっと出て来ておいしいところを持って行く、みたいな出し方ならまだ良いのだが、全員をちゃんとストーリーにからませるので、話が不必要に長くなり、作品としての勢いや簡潔さが犠牲になってしまっている。
あと、最後の方で主要登場人物たちが集結してみんなで恐竜たちから逃げまどうのだが、単純に人が多すぎて画面がうるさい。
新しい登場人物の中には面白い存在になりそうなのもいたのだが、こちらは時間がないからか掘り下げ不足。
と、まあ色々と残念な出来ではあったのだが、それでもそこそこ楽しんで観終わったのも事実。
映画の面白さ、には色々な面白さがあるが、もっとも原初的な魅力として「今まで見たことがないようなものを見せてくれる」というのがあると思う。
このシリーズの1作目「ジュラシックパーク」(スティーブン・スピルバーグ監督)からして、作品としての出来とかよりも、「すごい!恐竜が本当に動いている!」みたいな部分が魅力の映画だったし、そういう意味では今回もなかなか楽しかった。
できれば序盤の「世界中で生息する恐竜たち」みたいなのを、よくNHK・BSでやっている自然番組みたいな感じでずっと見たかったな。
ただ、ここまで映像技術が進んでくると、どんなものでも描けるようになってしまったので、1作目の「ジュラシックパーク」を見た時の驚きみたいなものは、もう望むべくも無いのかもしれない。
あとはVRみたいな方向に行くのだろうが、それはもう「映画」ではないのかな、と。
× × × × × ×
俳優について一言。
「ヴィレッジ」(M・ナイト・シャマラン監督)という映画でブライス・ダラス・ハワードという女優を初めて見たのは2004年、ということはもう18年も前になるのか。
ちょっと浮世離れしたような不思議な雰囲気を持った女優だな、と思い、文芸作品とか、ちょっと玄人好みの作品で活躍していくのかな、と思ったものだが、18年後にこんな娯楽超大作のヒロインでがんばっているとは思わなかった。
いまだに何か不思議な雰囲気は持っていて、気になる俳優の一人。
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